nigatsuが投票した舞台芸術アワード!

2024年度 1-1位と総評
雑種 小夜の月

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雑種 小夜の月

あやめ十八番

実演鑑賞

温かくも優しく、そして切なさが詰まった物語に何度も涙を流してしまいました。本当に胸がいっぱいになるシーンが多かったです。この舞台が観られて心からよかった、と思いました。
途中からあまりにも終わって欲しくなさすぎて、時計を見るたびに切なくなっていました。
家族としての悩みや愛…。それらが様々な形でぶつかり合い、過去と現在で入り混じり、死後の世界を含められることで、本当に感情が何度も揺さぶられました。

目の前で観た、聴いた、あの熱を忘れることができません。最後の暗転で、会場が真っ暗になる中、天井にほのかな照明が輝き、静かに曲が流れてカーテンコールに繋がるあの瞬間、素晴らしい体験でした。
生演奏も本当に素晴らしく、曲も歌もとても心に残っております。またいつか、生で聴きたいです。
福圓美里さんが最初に出られた際、あまりにも苛烈な演技に驚き、その後の姿にきゅうっと胸が締め付けられました。過去の硬い態度を観たからこそ、赤ん坊を前にした屈託のない笑顔や他の家族と交流する姿がすごく沁みて……。不器用ながらも愛のあった言動や態度が温かく、様々な形に変わる姿を表現されているのがさすがでした。
福圓さんが車椅子に乗っているシーン、本当に小さくなっているように感じて、年齢と病気が重なって小さくなった母親の表現がすごかったです。四肢に渡るまでの表現力で、切なさがぐーっとこみ上げて…。過去の姿を見てからのあの結末が、物凄く胸に来ました。

忍さんもとても印象に残っています。穏やかで優しく、駆け落ちを何てことのないように受け入れて、とても大きな心の人で……。団子をまるめながら、「普通、女の人がやんだけども…、俺はできんだよなあ」と笑っていたシーンがすごく印象的でした。直美さんとの前後のやりとりも物凄くよかったです。

総評

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