きゃるの投稿したコメント

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きゃる きゃる KAEさま KAEさまの「学生の能楽鑑賞会」に事寄せてつい長々とよけいなことをしゃべってしまい、申し訳ありませんでした。 本家のお能も、「オセロ」、「ジゼル」や「陰陽師」や「ガラスの仮面」をもとにした「紅天女」など「現代能」も創作上演してるので、機会があればごらんいただければと思います。
2010/06/28 03:05
アキラ アキラ アキラさま、KAEさま ありがとうございます。感想は人それぞれなので、こりっちでは私はどなたのご意見にも異を唱えるつもりはないんですね。正直、自分が大感動した作品とはいえず、確かにいままでどこかで聞いたような体験や話の域は出ていなくて不満もあります。ただ、中島さんの文章や北川さんや何人かの出演者のブログの文章などを読みますと、彼らなりに戦争体験者の人たちに直接会って話も聞いていますし、不出来かもしれないけど、ハナからいい加減に向き合ってるつもりはなかったと思うのです(私個人の感想です。KAEさんがそう言う言葉をおっしゃったという意味ではありません。ご理解ください)。自分はこの作品を全否定はできなかったというだけで、KAEさんやワカサギさんの意見をまっこう否定するつもりはまったくありません。それはそれで思うまま主張されて当然と思っています。制作状況がどうであれ、また、観た人がどう褒めようが、自分が観たうえでの受け止め方は譲れないのはあたりまえです。私の言葉が足りなかったかもしれませんし、私が戦争や沖縄について不勉強なために理解が足りないのかもしれませんので、浅見の段はお許しください。 「冒涜と断じる」というのは、KAEさんの意見をさすのではなく、昨今、TVや映画でも「戦争を不十分に描くこと=戦争への冒涜」という解釈される向きがあり、その点で、もし本作もその謗りがなされるかもしれないが(誰がというのではなく、あくまで一般論で、です)、自分は不十分=冒涜とまでは断じ切れないと言いたかったので、KAEさんの見方への批判ではないことを申し述べさせていただきます。 アキラさんとKAEさんのお話に割って入るつもりはないですし、KAEさんのアキラさんへの返信も拝読しましたので、自分のコメントはここでとどめます。
2010/06/26 02:13
きゃる きゃる KAEさま >以前、息子が、ユタ州に修学旅行に行った時、ステイ先の御家族へのお土産に、歌舞伎のガイドブックを持参したら、あちらの方の方が歌舞伎に詳しくてビックリしたと言っていました。 私は、無知だから、知りませんが、お能も、外国の方の御鑑賞は多いのですか? お能は音楽劇の要素があるせいか、外国のかたが初めて観る場合も、日本人以上にすんなり入っていけるようなんですね。前衛劇の感覚らしいです。当日券で能楽堂にフラッと入ってきても、居眠りする外人さんはほとんど見かけません。日本人のほうが眠ってる率は高いです(笑)。 お能は歌舞伎と違い、内容と全然関係ないこと考えながら、あるいは頭をカラッポにしてボーッと見つめて楽しめるところもあります。筋を追ったり、息を詰めて見なくても、ですね。 慣れると、歌舞伎の「勧進帳」や「俊寛」より、能の「安宅」や「俊寛」のほうがより人間的でシンプルさに好感が持てたりします。「俊寛」も、能では「人情家」ではなく、プライドが高い理屈屋に描かれてて、成経たちが一緒に暮らすのに辟易しているところに赦免状が出るので、あっさり残されて船出されてしまうんですね。そこがかえって現代的というかドライで面白かったりします。 お能は歌舞伎のように興行でないため、能楽師は入場料でなく、お弟子さんの授業料で生計をたててるので、少子高齢化が進んで、どこもお弟子さんの数が減る一方で、苦しいみたいです。 企業の能楽同好会もほとんど高齢者OB・OG以外、活動休止に近いですし。大学の同好会入ってる人も大学卒業すると安く習えないからやめちゃうんですよね。
2010/06/26 00:58
アキラ アキラ アキラさま PC修理中にあわてて電話予約し、あとからほかのかたのレビューを見て「申し込むべきではなかったかな」と後悔しましたが、自分の目で確かめたい気も強かったです。アキラさまのレビューを読ませていただいて、自分の言いたいことに似ている気がしました。 新味に欠けるものの、脚本家がまったく取材しないで本の知識だけで書いたわけではなく、現地の戦時体験者にも会って取材したってHPやパンフにも書いてありましたし。井上ひさしさんのものは観ていないので比べられないですが。 まー、正直、それほど感心する場面はなかったんだけど、じゃあ全然感動しなかったかというとそうでもない。自分にとって口をきわめて非難するほど酷い作品とまでは思えなかったです。 本の知識でさえまったく戦争を知らない人にはそれなりに価値があったと思うし。 近年、8月にテレビでひところのように戦争ドラマがあまり放送されないという傾向が続いていますが、やはり、戦争を知ってる世代の映画監督が終戦後まもなく撮った映画などと比べるとTVドラマは全然深みが違うと感じています。だからといって、本作が「冒涜」とまで非難される作品とは思えませんが。44北川さんは照れもあってノーテンキな制作記を書いていますが、そんなに安易にナメて企画を作ったつもりはないはずで、関係者の話ではそれなりに自身体験のない戦争と向き合い、苦悩もしているようです。 レビューに書いたように、沖縄の戦争体験者が観て涙したり、ホールの職員にお礼を言ってた高齢者客もいたので、ほっとしました。必ずしも全員が不快になる芝居ではないのであって、戦争を知らない人が「冒涜」とのみ断じるのも違和感があります(本作を観て肯定的な戦争体験者もいるので)。 ほかの2作も気になるので観てはみようかなーと考えています。親交のある俳優さんも今回出ているので。自分は市井の平和視察団にも志願して長崎・広島の平和記念式典にも出席し、戦跡見学もしたことがあるので、長崎編含め、他の2作も興味はあります。
2010/06/25 05:34
みさ みさ みささま KAEさん以外にも、実は同種のご意見といいますか、クレームのようなものはありました。ただ、それは、みささまを非難したのではなく、私の発言を軽率と問題にされています。何も言われずに、内心、ご不快なかたもほかにおられるかもしれず、それが私の発言が理由なら、ブースの責任者のみさ様に対しても失礼にあたると思い、謝罪については、私の判断でさせていただきました。 私がそのときの現場を見ていないのは事実ですので、軽率の謗りは甘んじて受けます。自分の発言に言い訳はしたくないし取り消しもしません。KAEさん以外の人の名前もだれとは私の口からは言うつもりはありません。KAEさま、みささま、劇団関係者、ユーザーに対して、本欄でご迷惑をおかけしたのは事実ですし、お騒がせしたことは謝ります。お許しください。
2010/06/25 00:33
みさ みさ みささま、劇団主宰のかた、そしてこの欄をお読みになった方々へ 当日現場に居合わせたわけではないのに、みささまへ私見をのべたことについて軽率だったことを深くお詫び申し上げます。 いろいろよけいなことを言って、劇評以外の件でブースのお目汚しになってしまったことをお許しくださいませ。 私が主張したかったのは、チケプレを実施している劇団のかたに感謝の念を持たない「チケプレ利用者」はいないと信じている、というその1点に尽きます。そこは主宰のかたにも真意をおくみ取りいただければと思います。けっして個人攻撃をするつもりで書いたのではありませんが、結果そのようにとれる発言になってしまったことをお詫び申し上げます。
2010/06/24 18:12
みさ みさ みささま 遅ればせで申し訳ありませんが、実はわたくし、この生霊みたいなかたを知っています。 もうかれこれ3年くらい、歌舞伎町にいるかたで、スーツケースと紙バッグを引きずって、顔をいっさい見せず、老婆のようにからだを半分に折ったままの姿勢で、ずっと立っておられます。この姿勢、つらいと思うけど、微動だにしません。 一番最初に見かけたときは、秋で、ロングヘアでおしゃれな森ガール風のフルフリファッションで、顔も見え、まだ若く20代後半くらいで、体は折ってませんでしたが、ホームレスになったらしく、だんだん汚れてきて、あるとき眼帯をしてました。 一番最近見たら、すっきりショートヘアになり夏姿で、でも、大荷物を持って相変わらず体は2つ折で長時間、同じ場所にいます。 最初、このお芝居を観たとき、あの人がモデルかと思うくらい、生霊の女性に姿勢や雰囲気が似ていました。
2010/06/24 15:43
きゃる きゃる <能楽未見、あるいは初心者のかたへ> KAEさまの話題に学生のときの能楽鑑賞会のことが出たのでついでにお話いたしますと、これは以前別のブースでお話したこともありますが。いまから40年以上昔、私が初めて生で能楽を鑑賞した際、事前に能楽に造詣の深い国語の先生が「お能は眠くなったら寝てもかまいません。ちっとも悪いことではないのです。能を観て眠るのは人生最高に贅沢な眠りなのですから」と言われたことをいまでもはっきりと覚えています。 私は能楽師のかたが直接話される勉強会の場によく出向くのですが、あるとき、某能楽師のかたが「このごろ、観能中に平気で寝るお客さんがいますが困ったものです。みなさん、周囲にそういうお客さんを見かけたら、ポンポンと肩を叩いて起してさしあげてください。寝るのはよくありませんからね」と言ったのです。この話を別の能楽師のかたに話すと「自分は寝たかったら寝てもいいと思いますけどね。あまり堅苦しく考えないでいいと思うけど。考え方の相違かな」と笑っていました。 「いびきをかいたり、隣の人によりかからない限り」私は「お能を観て眠ってもかまわない」と思っています。 確かに神に芸能を捧げて舞う演者、あるいは能に限らず、演者全般に対し、観客が眠るのは失礼な行為なのかもしれませんが、古老のかたにお話を伺うと、能による眠りは昔はとがめられなかったというかたもいらっしゃいます。 それから本来、お能は歌舞伎と違い、見世物や大衆娯楽ではなかったので、昔は「拍手」の慣習はなかったわけです。 「拍手」は明治の文明開化とともに入ってきたもので、「壮士芝居」あるいは「自由民権芝居」が発端とも言われています。 昔の学校の鑑賞会でも「会が終わるまで拍手はしないものです」と教わりました。 このことを知っているのか、若い女性が自身のサイトで「能で拍手をしない会」を立ち上げ賛同者を募っていました。 「大拍手」が能の余韻を壊す場面も多く見受けられ、ときに年配者には不評のようです。 あるお能に行ったら、全員拍手をしないときがあったので、終演後、主催者にたずねると、まだ若い能楽師のかたが事前に「きょうは最後まで拍手はしないでください」とお願いしたそうです。 最近では、したり顔で「ブラボー!」と叫んで立ち上がり、注意された若者さえいました。 「眠るのはよくない」「終わったらすぐ拍手をする」--自分が初めてお能を観た当時とはマナーも変わってきたようです。 そういう時代に、こういう「現代能」専門劇団が活動され、能楽に馴染みがないとか、能楽堂には行きづらいというお客さんに「お能」を身近に感じて楽しんでもらえるのは 大変嬉しいことです。「現代能」を観てから、本家の「お能」にも触れていただければなお嬉しいです。
2010/06/24 14:07
- tetorapackさま、アキラさま お2人の豪華二重奏、ぜいたくの極み、感謝感謝です! 岩田さん客演の報があったとき、バナナは男子もスカートはくと聞いてたので「教師の役では?」と質問したら「いえ、普通にスカートわたされましたよ」と言われ、「あ、そうですか」とこちらも血の気がひいてしまいました(笑)。 男女問わず若さがまぶしいお芝居はにがてなもので今回は遠慮しました。 >私、しっとり系で理性的な大人の女性のほうが…(笑)。 そうですよね(笑)。でもF/Tトーキョーの女子のダンスもお好きなようだったから・・・(笑)。
2010/06/22 22:15
- tetorapackさま ご親切なコメントありがとうございます。 今回、ショックのあまり自分も作者に対し、失礼な表現のレビューを書いてしまい、一部加筆訂正させていただきました。 そう、前作は相手を思う善意から生まれる人生の機微が描かれた作品だったので、まるで印象がちがいました。 そしてオムニバスに関連性を持たせたので複雑かつ窮屈な印象も残りました。大根さんのこういう印象の作品は初めてだったのです。
2010/06/22 21:58
台本書き 台本書き 経済とHさま せいかしか、です。 「生か死か」ハムレットのせりふからきてるのでは?と友人が言ってました。
2010/06/22 21:46
きゃる きゃる KAEさま tetorapackさんがたまたま2人へのコメントのレスが重なったための単純な書き間違いであって、人物像を混同しているわけではないと思うので。どうかお気になさらずに(笑)。 私なんかと名前を混同されてご迷惑でしょうけれど、お許しくださいませ(笑)。
2010/06/22 21:23
- tetorapackさま レビューを楽しみにしてました。さすがにオバサンとしては行く勇気もなく、苦手ジャンルだからパスしたけど、オジサマは楽しめる内容なんですね。まー、tetoraさまは女の子がお好きだから・・・。 岩田裕耳くんはどうでしたか?それがお聞きしたかったのです(笑)
2010/06/20 23:32
みさ みさ みささま >第1幕も2も3もメッセージの仕方によっては人々を不安にさせるし今まで構築されていた人間関係もあっけなく破壊出来る、そうして一人の人生までも変えてしまう恐れもあるという警告のようなものだ。 だから、ワタクシ達は対人関係に於いて、くどいほど誠実に向き合わなければ誤解され思いもよらない違った方向に流されてしまうという脚本家のメッセージに唸るばかりだ なるほど。いつもながら深い洞察力に驚きです。昔から好きな劇団なので私のような単純な人間はちょっと今回の作品はいつもと雰囲気が違ってがっかりしちゃったんですが、みささまに高評価をいただいて少し安心できました。今後もごらんいただければ一ファンとしては嬉しいです
2010/06/20 21:51
みさ みさ みささま チケプレについての劇団の考えかたは多様だと思いますし、席の扱いも劇団の裁量にゆだねるしかないと思っています。かわひさまのご意見もごもっともだと思い異論はありません。 ただ1点、今回その場にいなかったので軽々には発言できないですが、「掲示板」の冒頭趣旨にもみささまが書かれているように、みささまは「劇団のご好意」はじゅうぶん感じておられるかたなので、そのかたに劇団側が「好意で」と言う言葉をあえて遣ったのは残念だな、と思いました。掲示板を読んでいてほしかった(笑)。私が劇団側の人間なら、相手がみささまでなくても「好意で」とは言わないと思います。角が立つからです。 要は、みささまが掲示板でもおっしゃってるように「チケプレはお互いマナーを守って、気持ちよく観劇いたしましょう」それに尽きますよね?
2010/06/20 21:14
- tetorapackさま 今回の作品、はっきりわからない箇所が多くて、私のような単純思考の人間には込み入ったことはよく理解できません。確かに手紙を紛失したなら、なぜ正直に言わないのかとは思いますが、「暗記するくらい詳しい手紙をたくさんもらっていますからね」と言っていますので、内容についてはつい友人になりきって書いてしまったと私は受け取ったのですが。デートの件は見栄と知らずに書き写したのは事実ですよね?確かに、事件に付いてあまりにのらりくらり対処して、そこは不審に思いますが。 tetoraさまの詳しい観察文にはただただ感心するばかりで、私は正直、頭が疲れてよく理解できません(笑)。男性の嫉妬心についてはよくわからないなぁ。 ただ、大根さんという作家は以前も書いたように、不愉快になるようなことを狙って書く人ではないので、あまり悪く解釈していただきたくないとお願いしたいですね。 昨年の「ヒットパレード・スペシャル」の私の詳しいレビューについてtetoraさまも好感をもたれたからコメントをくださったのでしょうし、ああいう作品も書く人なのですよ。
2010/06/20 20:41
- tetorapackさま お薦めした手前、大変心苦しいです。自分がいままで観たこの劇団の公演の中では最悪で、本作は大根さんの長所をまったく消しています。前作は昨年の私のレビューでおわかりと思いますが、吉田小夏さんの「恋女房たち」のようなじんわりした温かい作品だったのですよ。せっかく足をお運びいただいたのに、本当に申し訳ありませんでした。悔しいです。 ゆうべ、みささまに劇場で偶然お目にかかり、お手洗いであやまりました(笑)。 ※すみません。以下のところの意味がよくわからないのですが。 >野関係を壊す理由が、どうやら職場内一番の美人と言われたマドンナを自分より劣っているはずの親友が落としたことへの偏向した嫉妬心と、その妻を自分のモノにしたいという変質さであることを感じさせる。 あれはそういう話だったのですか?弁護士は預かった手紙を本当に紛失してポケットやかばんの中を必死に探す演技をしてましたし(弁護士が夫の家でお手洗いに行った際、脱着カゴの洗濯物の中にでも落としてしまったかと思ってました)、わざと渡さなかったのではないと思います。「初デートの設定をおまえには見栄を張って嘘をついて書いていたんだよ」と夫が弁護士に言うと、あわててましたし。弁護士は友人に聞いていたとおりの内容で初デートの思い出についての手紙を書いたから、奥さんは初デートの状況が違うという理由で誤解し、怒ったのではないですか?奥さんが怒り出したら、弁護士は意味がのみこめず驚いてましたし。私には意図的に夫婦仲を壊すために嘘の内容で代筆をしたのではないと思うのですが。それほどの下心があの弁護士にあったようには観ていて思えませんでしたが。もしそうであるなら描き方が不十分ということでしょうか。tetoraさま、あの奥さん以上に怒ってイライラしてご覧になってたんでしょうね。いやはや(笑)。
2010/06/19 12:54
みさ みさ みささま すみません。ダブッテしまいました(笑)。 PCのUSBがこわれて代替機がくるまで、ネットカフェでやったので、送信タイミングがうちの違ってたせいかと。 子供が騒ぐと集中できない問題、他劇団でも、ときどき指摘されてますね。 連れてきたとしても、通路際にすわり、騒ぎはじめたらすぐ退出するとか、母親が迅速に対処してほしいですよね。
2010/06/18 14:44
KAE KAE KAEさま この公演、観るつもりでしたが日程調整がつかず、断念しました。 観たら、私はうとうとしたかもしれません。 かつて別役作品をモチーフに親しみやすい不条理劇を創作している「電信柱」という劇団があり、劇団名はこの作品からきてるのかなと思いました。若い人たちの真摯な劇団で好意をもったのですが、残念ながら活動休止のようです。 この劇団、次回、観てみたいと思います。
2010/06/18 14:41
みさ みさ みささま 初見だったんですね。今回、配役表がなかったので、あればなぁと思いました。 私は新宿眼科画廊って2度目ですが、他劇団ですが前回もドロドロ系の怖い芝居でした。 今回、満席なうえに濃厚な内容で息苦しく、「エコノミークラス症候群」になりそうだった(笑)。前回の劇団はお客さん少なくて、怖かったけどのんびり観てました。 「生霊」の演技、加屋さん個人の演技力はすばらしく、決して演技そのものにケチをつける気はないですが、一般のお芝居でしたらあれでよいと思いますが、ここは「現代能」の専門劇団なので、レビューに記したとおり、演出上「生霊の表現」に一考を要すると思いました。演者がリアルな迫真の演技をしすぎると、観客はその演技に「凄いなぁー」と注目し、感情移入しまうため、見終わった後に「浄化」されないのが難点です。「能」とふつうの劇の違いはそこです。鬼女や夜叉、生霊、亡霊が出てきても、「能」はそのおどろおどろしさが印象的に残るのでは失敗なのです。 能楽の一部である狂言も強盗や詐欺師のような非社会的な悪人が登場しますし、歌舞伎の場合も能のような「浄化」は謳わない大衆娯楽ですが、強姦、近親相姦、殺人などを描いていますが、古典芸能の役者は「観客を必要以上感情移入させない節度」を内面で守って演じるよう、幼時から訓練されます。それは足かせでもありますが、足かせをはめることで、つまり節度を守ることで、現実以上の演技ができるようになった人が伝統芸能では名優と言われるのです。 一般劇団が能をヒントに現代劇を創作するだけならいくらリアルでもかまわないのですが、「現代能」と謳い、「現代人に能のすばらしさを現代劇として伝える」という役目をもつこの劇団の場合は、演劇として単に面白いだけではなく、「能の骨子であり、役割である魂の浄化」をはずすわけにはいかず、「画竜点睛」を欠く意味からもレビューで指摘させていただきました。 能が浄化を目的とした芸術であるのは、能舞台に「松=神仏の象徴」を描いている点に明らかです。 能は「生と死の苦しみと争いごとの愚かさ」をあれほど描きながらも、生死の境で命がけで争う戦国武将から弾圧を受けず、切り捨てられず、むしろ愛好されたのは、単なる娯楽・教養ではなく、「魂の浄化」がなされる芸術だったからです。「クリスタル・ダスト」という表題からも、「生の澱を取り除き、浄化する」芝居だと言うことがおわかりでしょう。 昨年静岡のSPACで上演された唐十郎の「唐版葵の上~ふたりの女~」も、生霊が出てくる三角関係のドロドロしたお芝居でしたが、演出の宮城聰はそこをしっかり心得ていて、「浄化=節度」を見事に体現していて、優れた能を観終わった時と同じなんともいえない爽快感があとに残りました。今回の「鉄輪」は生霊の凄まじさを演技で強調するあまり、観終わって私は生霊に取り付かれたような重さと疲労感が残りました。緊迫感のあとにそれこそアロママッサージを受けた後のような爽快感が残るのが「能」なのです。 今回の作品は戯曲としてはすばらしかったので、演出上の問題点を乗り越えれば、より「現代能」としての完成度が増すと思います。
2010/06/18 14:18

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