御話-おはなし-
にびいろレシピ
シアター711(東京都)
2015/04/01 (水) ~ 2015/04/05 (日)公演終了
満足度★★★★★
自然体でおもしろがること
若い女優さんばかり6人が織りなすストーリーは、登場人物が創作する「おはなし」の世界で、共感したり感動したりということは出来難い、よくわからない不思議な世界。不思議な国のアリス的な。
ワタシは「よくわからない」ものを「ほらほら、わからないでしょ?」とやられるのが苦手なのだけど、この芝居は「よくわからない」のがとても楽しかった。で、何がよかったのかな、と考えてみた。
思うに「よくわからない」本を、役者さんが「おもしろがる」ことができるかどうか、そこがまず境目なのかな、と感じました。
この芝居では、女優さんたちが、本に描かれたおかしな世界をとても楽しんでる。おもしろがって「もっとおもしろくしちゃおう」「全力尽くしちゃおう」って舞台に立ってる。
そして、ここが重要だと思うのだけど、そのやる気、気合が、自然体なんです。だから、観ていて疲れないし、リラックスできるから惹き込まれる。「ひー、わかんない!」「わーどうして?」と楽しくなる。
ここがすごく難しいところだと思うのだけど、やる気が全面に出ちゃうと、観てる方は疲れちゃうんですよね。「さあ、もっとおもしろくしよう!」「全力尽くそうぜ!!」「エイエイオー!!!」だと、絶対おもしろいものできない、とワタシは思います。
その点、音楽も同じで、プレイヤーが「気合」「集中」「根性」を感じさせてしまったら、聴き手が楽しめる音楽にはならない。
この芝居の、このリラックスできる面白さが演出の力なんだとしたら、演出家・島村は凄いコンダクター、ってことなんだと思います。
その島村も、仕事とか生活とかのかなりの部分投げ捨てて芝居やっているらしいのだけど、悲壮感とか必死感が全然なくて、ほわーっとしている。これも凄い。「これに賭けてる」って感じが見えちゃだめなんだよ、そんな人生の苦悩や崖っぷち、付き合いたくないもの。
芝居だから直接眼に触れるのは6人の女優さんだけなのだけど、作演出の島村も音響さんも照明さんも美術さんも(あとどんな人が関わっているのかわからんけど)みんな面白い人たちなんだろうなー。というのが垣間見える。おもしろい人じゃないと、こんなもの作らないでしょうから。
6人の女優さん、みんな素晴らしかったけれど、特に久保佳絵さん(セリフのある舞台は初めてという)の表現力は特筆ものでした。
にびいろレシピ、次作がいつ出てくるかわかりませんが、気長に待ちたいと思います。
メタファンタジア[眠りの森の・・・]Ver.6
楽園王
タイニイアリス(東京都)
2011/01/13 (木) ~ 2011/01/16 (日)公演終了
満足度★★★★★
びっくり!
知人が出るのでとりあえず観に行ってみよう、と、何の期待もせずに行ったのだけど、びっくりするほどよかった!
笑ったり泣いたり考えたり、釘付けの2時間半でした。
それにしても、1日3回公演とは!あのテンションの本番を7時間半なんて、絶対どうかしてます!(誉め言葉のつもりです…)
マクベス-シアワセのレシピ-
THEATRE MOMENTS
シアターX(東京都)
2010/05/20 (木) ~ 2010/05/23 (日)公演終了
満足度★★★★★
凄いエネルギー!
モーメンツには毎回驚かされます。言葉だけの本から、これだけ様々な表現を生み出すこと。新聞紙、赤い糸、それだけの小道具なのに見えてくる様々なもの。
私は、ストーリーに対する感動よりも、この劇団のエネルギーへの感動を大きく感じます。
客席から見える部分は、何一つ無駄がない、隅々まで作り込まれたパフォーマンスになっています。それは例えばオーケストラが一つ一つの音の隅々まで慎重に表現するのと似ている、と感じました。
役者からアイディアやひらめきを引き出し、個性を生かし、モーメンツの「マクベス」を紡いでいく作業は、大変なものでしょう。それをまとめるコンダクター、佐川さんも、大変な苦労をしていることと思います。
しかし、それを「楽しく」やってのけてしまう(少なくとも観る側にはそう映る)のがモーメンツです。この集団の、舞台に向かうエネルギーからは、毎回、私も大きな力をもらっています。
早くも次回作が楽しみで仕方ありません。
ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-
流山児★事務所
座・高円寺1(東京都)
2009/05/29 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
痛快!傑作!!
楽しかった!
まずはその一言に尽きます。
ストーリー、音楽、役者さんのパフォーマンス、演奏、舞台装置、客席と舞台のレイアウトなど、すべてが見事で、感動しました。
公演に気づいたのが遅く1度しか観られませんでしたが、早く気づいていたら散財してしまっていたでしょうから、それで良かったのかも知れません。
雪のひとひら
THEATRE MOMENTS
王子小劇場(東京都)
2008/12/03 (水) ~ 2008/12/07 (日)公演終了
満足度★★★★★
演劇っておもしろい!
20年以上劇場へ足を運ぶことがなく、演劇の面白さを忘れていた私でしたが、改めて面白さを教えてくれる舞台でした。
まず、ほとんど舞台装置のない空間。斬新な小道具。全身を使ったパフォーマンス。次々に入れ替わる役。へー、こういう表現もあるんだ!とまずはそこに感心。そして知らず知らずにストーリーに引き込まれ、しっかり感動させていただきました。
その後の劇場通いが始まるきっかけとなった、思い出に残る作品となりました。
ユーリンタウン-URINETOWN The Musical-
流山児★事務所
座・高円寺1(東京都)
2009/05/29 (金) ~ 2009/06/28 (日)公演終了
満足度★★★★★
良かった!
まず、理屈抜きに楽しかった。
生演奏、アレンジも演奏もいい。
歌、時に美しく、時にコミカルに、そして時に大迫力で心に響く。
そしてストーリーも台本も演出も演技も舞台も照明も大道具も衣装も……みんな本気で創り上げ楽しみ楽しませ考えさせ……泣いたり笑ったりドキドキしたり大変でした!
変身
THEATRE MOMENTS
シアターX(東京都)
2009/04/29 (水) ~ 2009/05/02 (土)公演終了
満足度★★★★★
ケセラセラ
初日と千秋楽の昼の部の2回観ました。
カフカの不条理な世界をどう解釈してどう創るのか、とても興味がありました。
1回目、何故ケセラセラなのか、ピンと来なかったのですが、2回目を観ているときに気が付きました。もともとわかりにくい(わからなくてもいい)テーマのストーリーに、こんなポジティブな解釈、見事です。
パフォーマンスは素晴らしかったです。キャストのみなさんはもとより、照明、音響などすべてにおいて一糸乱れぬパフォーマンスに、この舞台に賭ける真摯な情熱と愛情を感じ、痺れるような感動を味わいました。
本当にすばらしい舞台を見せていただきました。