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アメリカの怒れる父

アメリカの怒れる父

ワンツーワークス

駅前劇場(東京都)

2023/10/26 (木) ~ 2023/11/05 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

今、上演される意味のある作品だと思います。

看板俳優の奥村さんの自在な演技もさることながら、
脇を支えるメインキャスト陣のしっかり地に足のついた演技、
アンサンブルの力の支えがあって非常に見応えのあるお芝居でした。

決して明るく楽しく元気よく!という内容ではないですけど、
観劇後に自分が感じたことを大切な家族に話したくなりました。

ネタバレBOX

帰りにいただいたお手紙を帰りの電車で読んで、胸が熱くなりました。

作品の中では自由・平等・正義については取り扱われるけれど、
平和ってなんだろうと思わずにはいられませんでした。

きっと明日戦争が起こっても「まさか」と思っちゃうような平和ボケを、
家族・民族・宗教
あまり普段深く考えていないことを振り返り考えるきっかけになりました。

ビルの悲しみ、怒り。
どうして彼はお酒や薬に溺れたのか。
勇気のない自分を奮い立たせようとして、溺れてしまったのではないか。
溺れてしまう弱さは誰にでもあるものではないか。
溺れることを逃げとして一番許せなくなってしまうのは自分自身なのではないか。
だから悲しみは深まり、自分へ向けられない拳は世間への怒りとなって募るのではないか。

憎しみや恨みの連鎖からは幸せは生まれない。

ビルが幻想のウィルに
「お前は俺の幻想なんだからそんなこと言うわけがない」
と言うセリフが印象的でした。
ビルの幻想であるはずの登場人物たちがこぞって彼に「返せ」と迫るのは、
彼の良心の現れなのだと感じました。

この作品を観ていると、
父と息子、父と息子の妻、父と息子の妻の家族、父と孫、
家族中の関係性についても考えます。
家族は一番小さな社会だからこそ、家族を見つめることは社会を見つめることになるのだと、
だからこそこの作品が「家族を見つめる」シリーズになるのだと思いました。

観られて良かったです。

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