サイボーグ009
舞台「サイボーグ009」製作委員会
日本青年館ホール(東京都)
2024/05/18 (土) ~ 2024/05/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/05/19 (日) 17:00
価格12,500円
原作コミックやアニメが大好きなのと事前に公表されたビジュアルが(解釈一致!)という印象だったのでチケットを確保し、観に行ってみた。
めちゃ良かった。
彼らの闘いの始まりの物語を、原作をリスペクトしつつ魅力的なエンタメに仕上げていた。
映像や特殊効果以上にキャスト陣の(特にBG SOLDIERSたちの)身体能力の高さで世界観を表現する手腕もお見事。00ナンバーサイボーグたちも原作のイメージを踏まえて、それぞれに素敵だった。
ワイルド番地
ホチキス
あうるすぽっと(東京都)
2024/04/05 (金) ~ 2024/04/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/04/13 (土) 18:00
決闘が法律で認められ、その届出や認可を担当する市役所の決闘課で巻き起こるあれこれをテンポよく描いて面白い。
荒唐無稽な設定とキャラの濃い登場人物たち、そして怒涛の展開にあっという間の約2時間だった。気持ちよく笑ったりちょっとほろっとしたりして元気に劇場を後にした。
獅子の見た夢―戦禍に生きた演劇人たち
劇団東演
俳優座劇場(東京都)
2024/04/12 (金) ~ 2024/04/14 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/04/13 (土) 13:30
初演以上にしみた。カーテンコールで拍手しながら、立ち上がりたい気持ちが湧き上がって仕方なかった。
ただ「芝居を続けたい」という思いに突き動かされて冒頭で示された運命に突き進んでいく彼ら。八田と三好の会話に応えるように舞う姿が胸に響いた。
蛇ヲ産ム
日本のラジオ
新宿眼科画廊(東京都)
2024/03/15 (金) ~ 2024/03/19 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/03/17 (日) 18:00
観終わっていやもうやっぱり日本のラジオ好きだわ、と思った。
怖い話です。事象がとか人が……という以上に触れることのできそうなソリッドな沈黙とか明らかに異質な言葉のトーンとか。
もちろん人も出来事も考えれば考えるほど怖い、けどホント面白かった。
諜報員
パラドックス定数
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2024/03/07 (木) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/16 (土) 18:00
気になっていた団体の作品をようやく拝見できた。
突然連行された4人の男たち。それぞれの胸の内と連行した側の思惑とがせめぎ合い、ヒリヒリするような緊張感が続く約2時間。骨太な物語とキャラクターの魅力が相まって、ずっしりと見応えのある舞台だった。
オペラ『神々の国の首都』
オペラシアターこんにゃく座
吉祥寺シアター(東京都)
2024/03/08 (金) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/16 (土) 14:00
美しい舞台だった。ハーンが旅した夢の国では人も芸術も自然も端正で興味深く見えたけれど、そこにも人の世の醜悪さや愚かさが潜んでいる。それも含めての日本であり松江なのだ。物語や歌声はもちろん、さまざまな所作の美しさや場面ごとの舞台上の景色に見惚れた。
ストレートプレイの面影がオペラの向こうに透けて見える気がしたけれど、あの台詞たちを歌うことである種のユーモアやおおらかさが増したのではないだろうか、と想像した。
ピローマン
新国立劇場
新国立劇場 小劇場 THE PIT(東京都)
2024/10/03 (木) ~ 2024/10/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/26 (土) 18:00
『ピローマン』、観に行ってよかった。あらすじとか感想とか読んでもたぶん観なくちゃわからないヤツ。残酷さとダークなユーモアと、そして生きることの痛みも希望もそこに確かにあった。
そしてこれもまた物語についての物語。
戯曲とキャストが上手過ぎてちょっと腹立つくらいでした(←?)。
夜は昼の母
風姿花伝プロデュース
シアター風姿花伝(東京都)
2024/02/02 (金) ~ 2024/02/29 (木)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/02/24 (土) 14:00
価格7,400円
濃い時間だった。
16歳の誕生日を迎えた若者と兄、その父と母。小さなホテルを切盛りする一家のとある1日。
冒頭から感じられる危うさは揺らぎつつ形を変え、観る者の不安をあおる。100席に満たない小さな劇場で、固唾を呑んで彼らを見守る贅沢な3時間20分を堪能した。
ファンタスティックベイビーズ
guizillen
王子小劇場(東京都)
2024/02/21 (水) ~ 2024/02/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/02/21 (水) 19:30
価格4,000円
テンション高めに始まった舞台でシームレスに描かれるのは、ヒリヒリと痛む傷を抱えて生きる人々。
絶望ばかりの世界でも、出会えてよかったと思える瞬間はあったはず。
面白かったと言ってしまうにはまだ咀嚼しきれないあれこれを反芻しつつ、帰路についた。
ノーザンライツvsメキシカンギャング
大統領師匠
「劇」小劇場(東京都)
2024/02/17 (土) ~ 2024/02/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/02/17 (土) 19:00
価格4,500円
面白かった!ホント面白かった‼️(←大事なことなので2回言いました)
笑いやゆるさも散りばめつつ、予想以上に骨太なSF。いやSFとかめんどくさいと思うタイプの方でもしっかり引き込まれそうな魅力的な登場人物と展開で、ラストまで目が離せない。
基本的に自分が満足すればいいと思っているので、人に「ぜひ観て!」とかあまり言わないんだけど、大統領師匠『ノーザンライツvsメキシカンギャング』がツボにハマり過ぎていろんな人に観てもらい気持ちになった。
ご長寿ねばねばランド
劇団扉座
すみだパークシアター倉(東京都)
2024/02/29 (木) ~ 2024/03/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/03/09 (土) 18:00
価格4,000円
80歳を超えた老人ばかりが住む島の物語を50代から80代のメンバーで演じる。出自も経験もさまざまであろうキャスト陣の味わいが戯曲の持つユーモアやペーソスによく馴染んだ。タップや歌も交えた2時間10分の熱演に心からの拍手を。
クチナシと翁
ホエイ
こまばアゴラ劇場(東京都)
2024/03/08 (金) ~ 2024/03/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/03/09 (土) 14:00
価格4,000円
(ああ、人間がいるなぁ……)と思った。
ロマンスもアクションも音楽もなく、ただ人と人が言葉を交わす、それがこんなに面白い。
観ているうちに、言葉にならない思いがじんわりと胸を満たす。芝居の醍醐味とはこういうものかもしれない。
拝見できて本当によかった。
人民の敵
劇団東演
東演パラータ(東京都)
2024/02/21 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
工場排水による温泉の水質汚染を突き止めた医師とその対策には巨額の税金がかかるとして隠蔽しようとする町長(主人公の兄でもある)の対立軸を中心に描く骨太な会話劇。
単純な勧善懲悪ではなく、ある種のユーモアも交えて人の世の理不尽さを綴っていて面白かった。
エアスイミング
カリンカ
小劇場 楽園(東京都)
2024/02/28 (水) ~ 2024/03/03 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/03/02 (土) 18:30
鮮烈な舞台だった。
不当な理由で収容された2人の女性。日に1時間の磨き掃除の間だけ拘束を解かれて言葉を交わせる。その会話を支えに耐え続け生き延びた50年の月日。
壮絶な内容を軽やかにときに激しくあるいはまた幻想的に美しく描いていく。
2人の女優の細やかな表情の変化に目を奪われ、二面舞台プラス角に柱があるやや特殊な形状の劇場を使いこなす演出の手腕に舌を巻いた。
しだいにわかってくるそれぞれの過去や互いの呼び名が行き来する意味などを踏まえて、できたらもう一度観に行きたかった。
オデッサ
ホリプロ
東京芸術劇場 プレイハウス(東京都)
2024/01/08 (月) ~ 2024/01/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/01/13 (土) 18:00
いやぁ、ホント面白かった!
言葉とコミュニケーションを真ん中に据えて、こんなに笑える舞台になるなんて。
いや笑いだけでなく伏線も緊張感もキレイに折り込まれて、しっかり楽しめる1時間45分だった。
追加席の補助席で前方下手側の端だったけど、舞台が近くキャストの表情もよく見えて大満足。
『泉鏡花の夜叉ケ池』
花組芝居
セーヌ・フルリ(東京都)
2023/12/28 (木) ~ 2023/12/30 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/12/29 (金) 18:00
劇団の代表作のひとつである作品で過去公演も何度か拝見しているけど、変わらないところも変わったところも愛おしい。万年姥に諭され眷属たちも去ったあと、白銀の鱗を翻して一人舞う白雪の美しさが印象的だった。
学円だけがBGMが流れるたびに訝しそうな反応するのを見て、つい笑ってしまうけど、あれは彼だけが物語の外から来た存在だからなのかな、と思った。そう考えると晃ももう物語から抜けだせないんだな、などと、戯曲の行間に詰め込まれた花組芝居らしさを堪能した。
海をゆくもの
パルコ・プロデュース
PARCO劇場(東京都)
2023/12/07 (木) ~ 2023/12/27 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/12/23 (土) 13:00
騒々しく厄介な感じで始まる酔いどれたちのクリスマスは、予想外の展開にゾワゾワしつつ、ラストまでのさまざまな仕掛けを堪能した。
演出とキャストに惹かれて観に行ったけど、これは戯曲もそうとう面白いな、と思った。予想と異なるタイプの物語だったけどとても好みだった。
無駄な抵抗
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2023/11/11 (土) ~ 2023/11/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/11/25 (土) 13:00
電車の停まらない駅。芸をしない大道芸人、占いをやめた占い師。様々な寓意を重ねて描く小さな街の物語は、行き交う人々の誇りや決意を細やかに映し出していく。本当に抗うべきは運命ではなく人間の理不尽さなのかもしれない。
覚え書き的断片。円形劇場めいた駅前広場の美術。登場シーン以外も傾斜面の段差に腰掛けて物語を見つめる登場人物。物語の内と外を自在に行き来する大道芸人。松雪さんのよく通る声。悲劇の合間に綴られるユーモアとペーソス。夜ごとの夢。
キャストが皆さん本当に魅力的だった。
眩く眩む
ムシラセ
劇場MOMO(東京都)
2023/09/06 (水) ~ 2023/09/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2023/09/09 (土) 18:00
テーマは「集団創作とハラスメントの行先」だと事前に知らされていた。登場人物がみな魅力的で心惹かれるけれど、ハラスメントは確かにあったし、問題や歪みもあった。
それを指摘する人物さえ正義の味方ではない。誰かを責めて済む問題にしなかった誠実さと答えを出さない勇気を感じた。
それぞれの生きてきた(描かれていない)道筋も、創作の場としての会社の中での苦闘も、すべて飲み込むように物語は進み、明確な回答はないなりにひとつの形から次の形へと動いていく。それでも、神崎と赤城のやり取りがとても好きだったな、と思う。
多重露光
(株)モボ・モガ
日本青年館ホール(東京都)
2023/10/06 (金) ~ 2023/10/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2023/10/14 (土) 12:00
当たり前のように続く日々の暮らしの中で、主人公や周囲の人々が抱え続けてきたやるせなさや淋しさや憧憬や、その他の名付けようのない思いを丁重にすくいあげ(しかしどこにも行き場は示されないまま)じんわりと沁みた。終盤のある会話がとても好きだった。