しん劇の観てきた!クチコミ一覧

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アウターゾーン

アウターゾーン

Domix

杉並公会堂(東京都)

2023/02/23 (木) ~ 2023/02/25 (土)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★

上のスクリーンに原作漫画の映像、下のステージで俳優による演技、お互いが補いつつ作品世界を作り上げる試みは面白く、オムニバスの構成もよく、最後まで飽きずに楽しめました。

ネタバレBOX

ステージのセットの装飾は、ごちゃごちゃ無造作に取り付けたように見えてしまって、効果的とは思えませんでした。むしろ黒のパネル黒のボックスオンリーの方が良かったかもしれませんね。
俳優の台詞回しは、漫画寄りの過剰な感情表現を演出されていたように思えました。短編、オムニバス作品ということで、役を掘り下げるステージ上での時間がなくて、演じるのは難しかったと思いますし、そこが漫画寄りの極端な演技に見えたのかもしれません。
その分ミザリィは、大人っぽさ、ミステリアスな雰囲気が浮かび上がって、存在感があって良かったです。演じた嶋垣くららさんの功績も大きいと思います。
洗練された舞台ではありませんでしたが、スタッフ、俳優が一丸となってこの作品を成功させるのだという心意気は伝わってきました。これからも頑張ってください。
PROMISED LAND

PROMISED LAND

無頼組合

シアターシャイン(東京都)

2019/05/17 (金) ~ 2019/05/19 (日)公演終了

満足度★★★★

良かった!
このテーマに真っ正面から取り組んで、説教臭くすることなく、SFと云うエンタメの枠組みの中でメッセージを発信していたことを、高く評価したいです。
もっともっと多くの人に観てもらいたいし、共感して、あるいは考えるきっかけにしてほしいと、真面目に考えさせられた作品。
大きな劇場での再演を希望します。

センチメンタル・ソファ―

センチメンタル・ソファ―

Drama Collection

シアター711(東京都)

2018/02/27 (火) ~ 2018/03/04 (日)公演終了

満足度★★★★★

鑑賞日2018/03/04 (日) 12:00

素舞台にソファーひとつ。
オムニバスで4つのエピソード。

素晴らしい作品でした!
1時間40分大満足です。

以下ネタバレに。
()内の出演者名は敬称略です。すみません。

ネタバレBOX

ソファーにまつわる何かじゃなくて、ただそこにソファーがある物語。
4つのエピソードのタイトルが○○の居場所となっていて、その居場所がソファーということなのでしょうか。
ソファーに触れた台詞ももちろんありますが、ソファーをタイトルにしてるんだから、全てのエピソードでもっと重要な役目があってもいいかも。
あるいは、それぞれのエピソードになんらかの繋がりがあるとかの仕掛けがあっても良かったかも。

いや、それはでもこの作品のマイナス要因にはなっていません。
それだけ良くできた作品でした。

プロローグ、別れるカップル。
いきなりぐいぐい引き込まれる演技(松浦、祭)。
この公演のクオリティの高さを予感させられました。

撮影の出番待ちの話。
役者の世界にいるものにとってはあるあるかもしれない理不尽ななんとも切ない話。
出番待ちのふたり(山﨑、谷口)がいい演技でした。
でも、このエピソード、一般の観客は興味を持つんでしょうか?
役者の世界のつらさを役者が演じて見せるというのは、例えば料理人の世界のつらさ、サラリーマンの世界のつらさを演じて見せるのに比べると、ちょっと身内話とゆーか楽屋話とゆーかマスターベーション的とゆーか、観客に微妙な壁を作られてしまうのでは?
良く出来てるだけによけいにそんな懸念が…
いや、しかし、そんな懸念はラストに吹き飛びましたよ!
見事なオチでした。

事故にあった同僚を見舞う話。
ある程度進むとだいたいの観客がもしかしてアレか?と予想がつきます。よくある話ではあります。
後輩(森山)が味のあるしかも愚直な熱演をしていてとても好感を持てました。恐らく先輩ふたり(広瀬、山崎)がうまくお膳立てをしていたのでしょう。
話はアレかとの予想通りでしたけど、それがマイナス要因にはならない、いいエピソードでした。

通夜の話は、ぶっちゃけこれもよくある話。
なんですけど、顔をアレにしたことで、超絶大爆笑のエピソードになってるとゆー、これぞ泣き笑い芝居!
やられたなー。
兄(山崎…やまざきって出演者が多いなぁ)、弟(五十嵐)、妹(小関)、妹婿(中野)が、いい話をクオリティ高く演じました。
ごめんなさい。大声でバカ笑いしていたのは、私です。

最後のエピソードはプロローグの続き。
クオリティ高いです。

いやほんとにいい芝居を観させていただきました。
ありがとうございました。
騎士ブルース

騎士ブルース

無頼組合

シアターKASSAI(東京都)

2017/12/08 (金) ~ 2017/12/11 (月)公演終了

満足度★★★★

主人公風吹探偵を演じるシラカワさんの男臭い魅力と熱い気持ちに胸打たれるこのシリーズ。
見事な完結編でした。

深い社会派なメッセージや血みどろな展開の中、助手の紅ちゃんの魅力(イコール、演じる小川さんの魅力)と、ところどころ挟み込まれる爆笑ネタが大好きなシリーズでした。
ありがとうございました。
次回作も期待しています。 

月はゆっくり歩く

月はゆっくり歩く

シアターノーチラス

新宿眼科画廊(東京都)

2017/11/23 (木) ~ 2017/11/28 (火)公演終了

満足度★★★★

鑑賞日2017/11/26 (日) 18:00

別役実の会話劇を思わせる雰囲気で始まった芝居だけど、吐く言葉はリアルで生々しく、なのに哲学的でもある。
そして、全体を覆うムードはファンタジー。
観終わってみると、上質のミステリーであり、深い人間ドラマでした。

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

MID騎士(KNIGHT)ミラージュ

無頼組合

シアターKASSAI(東京都)

2015/12/11 (金) ~ 2015/12/14 (月)公演終了

満足度★★★★

安定のクオリティ。
冒頭の歌とダンスでさー、もうやられちゃうのよ。
あー、いいなーって思うの。
まずここで涙が出る(笑)
ストーリーの核の部分が今回は今までで1番良かった。

グッド 騎士(KNIGHT) ベイビー

グッド 騎士(KNIGHT) ベイビー

無頼組合

新宿シアター・ミラクル(東京都)

2015/07/17 (金) ~ 2015/07/20 (月)公演終了

満足度★★★★

笑った笑った!そして泣いた!
ハードボイルドな単発ものと違って、騎士シリーズはハートボイルド。
今回は恐らくシリーズで一番笑ったと思います。
風吹&紅ちゃんの名コンビはもちろん、西園寺&権藤の名コンビも見てて安心感ある上に面白い!
キリコは何か愁いを帯びてて魅力再発見!
南雲大健闘してましたね!
オハラと泊の存在感ハンパない!
神崎、秀虎、会田トリオ、いいっすねー!
瀬古も味がありました!
今回特にお気に入りは、波多野、音野、北条、花岡。
達者!!
いいわー。
波多野地味に上手いし、音野のはじけっぷりは拍手して爆笑したし、北条マジでかっこいいし、花岡ちょーいい女!!(笑)
大満足でお腹いっぱいになりました。
ラスト衝撃!!次回が待ち遠しいです。

Messiah Girls ‐First Gaze‐

Messiah Girls ‐First Gaze‐

Lunar Punk

萬劇場(東京都)

2015/07/02 (木) ~ 2015/07/06 (月)公演終了

満足度★★★★

嶋垣くららのヒロインオーラ
この作品が成功したのは、いや、シリーズのこれからの展開に期待を抱けたのは、嶋垣くららのヒロインオーラ。
そしてボータンツの重鎮羽鳥友子の圧倒的存在感。

このふたりの冒頭シーンは、ワクワク感満載で、そこからまさかの、ガールズロックバンド生演奏SFミュージカルとでも言うようなステージが展開する中、昔よく読んだ人類史の謎的トンデモ本のパーツが、パズルを埋めるように物語を形成していく。

出番はそれほどでもないが、要所要所を締めていく羽鳥友子。
とにかく表情が素晴らしい嶋垣くらら。
他の出演者もバンドのメンバーも、女性陣全てに、その気合いを感じた。
彼女たちを観るために、この五部作、付き合っていこうと思った。

ネタバレBOX

ナビゲーター登場後の第二部になって、謎解明よりも悪の支配者VSレジスタンスという、SFバトル物の王道ストーリーになっていくので、私の好みとしては少し大味な感じはしたし、前半やや啓蒙臭が強すぎるきらいはある。

が、終盤、シャーマンの独白あたりから悪の支配者側が細かく描かれてくると、また物語世界にぐいぐい引き戻される。
ゼレが声を発するようになる場面のやりとりは、少し散漫になった物語をぐっと引き締めてくれた。

そして怒濤の急展開から、もう一人のヒロインの、父登場!!
テンション高い!!熱い!!暑苦しい!!(笑)
いや、素晴らしかったです。
Unbreakable-アンブレイカブル

Unbreakable-アンブレイカブル

演劇レーベルBo″-tanz

シアターグリーン BASE THEATER(東京都)

2014/09/04 (木) ~ 2014/09/09 (火)公演終了

満足度★★★★★

渾身の問題作!!
魔法の世界のファンタジー。ライトノベル!?

かと思いきや…

ファンタジーの皮を被った、シビアな風刺劇でした!

いや、このテーマを世に問うためには、ファンタジーの体裁が必要だったのか。

さらに、必要以上にちりばめられたオヤジギャグ(笑)

だって、オヤジが主人公だもん。
オヤジギャグとダサかっこよさはデフォでしょ!

あ、オヤジギャグと書いたが、その笑いのセンスはかなり秀逸。
全てのギャグが笑えるし愛おしい(笑)

今回は若者ターゲットのただのファンタジーではなく、大人のダークな社会派ファンタジー。

そして、せつなくて泣ける物語!!

見事なエンターテイメントとして仕上げた、渾身の問題作でした。

演劇人としては、こう言う作品こそ支持したいものです。

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