天日坊【2月25日-26日公演中止】
松竹/Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2022/02/01 (火) ~ 2022/02/26 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
先代のころから観ており、相変わらず面白く、最後の立ち回りなど、とうてい歌舞伎座ではできないスケールで感動した。
女形の七之助さんの、あそこまで激しい立ち回りも、ここでしか観られないだろう。
しかし、いつも思うのだが、これほどの人気で満席なのに、では、本式の歌舞伎座は、なぜ、あんなにガラ空きなのだろうか。
結局、コクーン歌舞伎やスーパー歌舞伎の客は、さほど歌舞伎本道の客につながっていないのではないだろうか。
それが残念でならない。
「コクーンのほうが面白いのだから、当然じゃないか」と言われれば、それまでなのだが。
でも、歌舞伎とは、コクーンのような面白さとは別の味わいもある(たとえば、今月の『御浜御殿』のような、セリフ劇のすごい芝居もある)ことを、ぜひ多くの方に知ってほしいです。
レストラン「ドイツ亭」
劇団民藝
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)
2022/02/03 (木) ~ 2022/02/12 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/02/11 (金)
民藝の、そして長田さんの、典型的な作品。
つい最近邦訳が出たばかりの小説なのに、こんな短期間で舞台に仕上げた機動力に驚いた。
とても真摯な題材で、考えさせられる芝居だったが、なにぶん、物語の場所が、食堂、検事局、法廷、病院と目まぐるしく変わり、なんだかTVドラマを観ているようだった。
原作が小説なので、仕方ないのだろうが、たとえば、全編を法廷の一杯美術のみで貫き、食堂などの場面は、そのなかで、回想というか、半ば幻想的に描く手法もあったのではないか。
そのせいか、なんだか、資料をもとに「アタマ」で組み立てた物語のように感じられ、「カラダ」の底からの感動は得られなかった。
木下順二『神と人間のあいだ』のような、見事な法廷劇を上演している劇団だけに、ちょっと残念だった。