ほしい
劇団時間制作
赤坂RED/THEATER(東京都)
2019/09/19 (木) ~ 2019/09/29 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/09/19 (木) 19:00
座席F列6番
まず、僕は本格的な演劇を劇場で観るのが初めてだったので、その劇場の舞台の作りに圧巻されました。ここまで日常を忠実に表現して舞台を作れるのかと思って、大きな知見を得た気分でした。
開演前後、現実と舞台が次第に交じっていくのを感じました。現代と大差ない設定であることもあり、舞台に惹き込まれるのに時間を要さなかったように思います。
この物語は管理人兄弟とその母、従弟、兄弟のうちの次男の妻、そして障害を抱えた人たちによって構成される物語です。
ひとつひとつの伏線とその回収により、内容の理解が容易に追いつきました。とてもわかり易く、しかし決して軽い内容ではありませんでした。
誰にでも襲う可能性のある障害の魔の手。それを受け入れる者、恨む者、それぞれにそれぞれの人生があるのを感じました。直近でまわりが次々に解離性障害に襲われるのを見て恐怖を感じていた僕には、すごく消費カロリーが高く考えさせられる内容でした。自分の身内が何かしらの障害になった時、あるいは障害者によって障害者にさせられてしまった時、果たして自分は正気でいられるだろうか。そんなわけがない。舞台を観ていて身内の人間や既に障害を持っているヒトやそれを支える福祉士の顔が時たま浮かんでは、その未曾有に耐えられず涙が溢れました。
本当に、涙も鼻もタラタラでした。ひとりで観に来てよかった......。
もしもあなたに観に行く時間やお金があるなら、是非観て🤲ほしい🤲
本当に、現代にあるべき演劇のひとつであり、僕らが考えるべきアンチテーゼであると感じました。