remiの観てきた!クチコミ一覧

1-2件 / 2件中
舞台「大悲」

舞台「大悲」

BS-TBS/オデッセー

紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(東京都)

2019/07/19 (金) ~ 2019/07/29 (月)公演終了

満足度★★★

StoryAのみ観劇してきましたが、全体的に予想通りの話を予想通りに描かれており、問題も解決もせずにモヤモヤしたまま終わる。
西森英行さんの作る舞台のファンだったので、期待しすぎていた。
俳優たちはさすが、素晴らしいキャストが揃っており、特に久世星佳さんは上手かった。

ネタバレBOX

意外に人間味のある殺人犯の理解が容易な心の葛藤、素直にならない殺人犯に手を焼く弁護士、遺族のわかりやすい怒りと悲しみ。
全てがステレオタイプで、予想通りだった。
弁護士が殺人犯や遺族や妻との対話の中で少しずつ感情を変化させていく動きは丁寧でよかったと思った。
ありがちな話だと思ったが楽しめなかったわけではないものの、西森さんが13年に渡って取材を重ねて作り上げた舞台だというのだから、もっと凄いものが見られるのかと思ってしまっていた。
ノンフィクションだからこそ自由度がなかったのはわかるが、こんなに予想通りの内情であるなら舞台にする必要はなかったのでは?
あまりにステレオタイプすぎて特に得られるものがなかった。
西森さんはやはり完全にフィクションで、自由に作品を構築していただいたほうが良いものが作れると思う。
The Middle World

The Middle World

MileStone

Geki地下Liberty(東京都)

2019/07/11 (木) ~ 2019/07/22 (月)公演終了

満足度★★

世界観、衣装ビジュアルなどはよかった。

ネタバレBOX

脚本の作り込みが甘く、全体的に目的意識を持って作られていない。
切れ者キャラを演出させたいならゲーム自体でもっと心理戦をさせるべきだと思うが、単純なゲームを単純にやらせて俳優のセリフでだけ「これはややこしいゲームだぞ」と喋らせただけ。意味のないことを意味ありげに喋らせては逆に頭が悪そうに見える。
ゲームが進んでも最後のゲームまで一人の脱落者もけが人も出さないまま、このゲームに勝てば本当に生き返ることができるのかという部分にイマイチ緊張感が持てないまま進むのに俳優に「これで生き死にが決まってしまうなんて!」と緊張感のある演技をさせるので感情移入できず置いてけぼりになる。
また、主役の寿限無を他にメンバーが信頼するに至る根拠も曖昧で「どうしてそんなに信頼されたのか?」がわからない。「寿限無はいい奴だから生き返ってほしい!」と言われてもやはり感情移入できない。
そもそも今まで散々ポイント制のゲームで、何かあるのかもしれないと計算に脳のリソースを割いてきたのに、ここで今までのゲームとポイントが全て無意味だったということがわかる。
ならばもっと単純にしてよかったのではないのか。
最後のネタバラシもまたよくわからない。ロミオとジュリエットのような家系の悲劇を止めたいという話だったと思うのだが、レズビアンのカップルがおり、「女同士だなんて!」と宣う。家系の話にしたいのなら「女同士」というワードを出させては混乱する。何が原因で恋人たちが引き裂かれていったのかが曖昧になる。
また、寿限無たちがその発端になったという意味もわからない。彼らが発端で呪いのようなものにかかったというのか、それとも風が吹けば桶屋が儲かる的な連鎖が起きてしまったのか、そこの説明もふわふわしていて寿限無の後悔と悲しみに感情移入できない。
全編通して役者の演技が迫真であるほど「こんな薄い話でなんでそんなに強い感情を持つの?」となってしまい、話に没入できない。
全体的に脚本、演出が悪いとこれだけの世界観とビジュアルを持ってきてもこんなにつまらなくなるのかという印象。
ただ、田中彪さんはよかった。彼が一人、迫真の演技による力技で観客を引っぱって連れて行ってくれたので、どうにか最後まで見ることができた。彼の演技がなければ途中で席を立ったかもしれない。良い俳優と出会えたことにだけは感謝したい。

このページのQRコードです。

拡大