満足度★★★★★
シェイクスピアは喜劇も悲劇も独特な言い回しや展開があり、頭を使うものや心で感じ取る内容が多く。
こちらもそのような形で上演されていました。登場が全て男性ということで、果たしてどうなることかと思っていましたが、驚くほどに違和感なく楽しく観劇できました。
ネタバレBOX
個人的にヘレナを演じられた小谷さんが好きで観劇したものですので、上演中はずっとヘレナを見ていました。ヘレナがいない時は主役といえるライサンダーを演じられた加藤さんを。
ヘレナは己が醜いと知りながらディミートリアスに恋し続け、途中で妖精の悪戯によりライサンダーとディミートリアス双方から向けられる直情すぎる恋情に「これはお芝居なのね、わたしを貶しめるための!」と泣き濡れるほどに恋心が強い女性である、と感じられました。小谷さんは身長が高い方なので、どうやって表現するのかな~と不安でしたが、特に姿勢を低くすることもなくスレンダーでありながら、艶やかな色気があるヘレナを演じていらっしゃって……とても好きだなあ、と思いました。
ヘレナのどこまでも愚かなまでにまっすぐな恋心は、例えまやかしで生まれたものであろうともやっとディミートリアスに受け止められ、愛を返された。シェイクスピアらしい形でまとめられたと思います。
1度しか観劇できず、時間があればまた追加して観たかったのですが、泣く泣く諦めました…。今度また再演があるならば、また小谷さんのヘレナが観たいなとファンの贔屓目も込みですが(笑)