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第10回公演『オールド・フランケンシュタイン』

第10回公演『オールド・フランケンシュタイン』

唐沢俊一ユニット

小劇場 楽園(東京都)

2018/03/14 (水) ~ 2018/03/21 (水)公演終了

満足度

果たしてこれは客前で上演して良いものなのか。
観劇後まず思った感想がこれ。
『オールドフランケンシュタイン』。ある島で人体について研究をしていたフランケンシュタイン伯爵の遺体を巡る物語。
完璧な人間を作るために日々研究をし、遂ぞの夢を叶えることなく志半ばで死んでしまった伯爵は孫娘にその研究日誌を遺し埋葬される。

あらすじを書くとこのような内容で一見シリアスな物語のようだが、中身は真逆。おバカ満載のドタバタ(?)コメディといった印象。
この「おバカ満載」という部分についてはいい捉え方としての引用だが、私自身としての感想はむしろ、『馬鹿』。『おバカ』ではなく『馬鹿』。とても愚かで笑いを愚弄しているとしか思えない内容。
物語そっちのけで、役のキャラクターも無視、ストーリーとは全く関係ないことを延々と客前で披露する姿はまさに『馬鹿』の一言。
「いつまで続けるんだこの茶番は…」と途中で失神しかけたが、せっかく払った3,200円のためにもグッと堪える。
劇場内の客の中に劇団のフアンなのか、とびきり大きな声で笑っている御婦人がいたが、何を勘違いしたのかこの役者たち、この一人が笑っていることを『ウケている』と勘違いする有様。
はっきり言って笑いのレベルは下の下。所謂『スベリ笑い』を実践されている(もしかしたら本気で笑いを取りに来ていた?)ようだが、その後婦人が一人で大笑いしているおかげで『スベリ笑い』にすらなっていない。
全く空気の読めない役者ならいざしらず、出演者は聞くところによると、それなりのベテラン勢らしく、笑いの獲れていない有様は客席を見れば一目瞭然なのに、一向にそのお粗末な即興劇をやめようとはしない。
物語と一切関係ないお粗末で下らない即興劇を見せられ私は一体何を見せられているのか途中から気分が悪くなるほどだった。
笑いに関して言えば即興劇において絶対してはならないのが『役者が自分のしていることで笑うこと』であるが、この役者たち、こともあろうに自分がやり始めたネタ(ネタと言っていいほど練られたものでは決してない)を『半笑い』でやり始めているのだ。
これは笑いを獲る側の人間として絶対にやってはいけない、いわばご法度であると私自身常日頃思っていることなのだが、この役者達は始終『ヘラヘラ』しながら即興劇をこれでもかと続けるのだ。本当にふざけてるとしか思えないし、これを良しとした演出家もなぜこれでいいと思ったのか甚だ謎である。
ストーリーの中心である、フランケンシュタインの遺体を巡る物語は全編80分中およそ40分程度。
あとは物語と一切関係のないヘラヘラした即興劇が続く。
普段よく小劇場のお芝居を見ることの多い当方において、これほど笑いを軽視した作品も珍しいと思った。満足度は0としたいところだが、選べないので1。
コレを読んだ主宰及び脚本家はコメディのあり方についてもう一度熟考することを勧める。

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