バルバトス
TABACCHI
小劇場B1(東京都)
2017/08/16 (水) ~ 2017/08/20 (日)公演終了
満足度★
悲劇を期待して劇場に入ったが、開演早々に奇妙な気持ちを抱いてしまった。この芝居はまさか、、私がよく知っている「The Crucible」なんて。アーサーミラーという名前はチラシのどこにも書いていないため、非常に驚いた。登場人物の名前と台詞は原作のままだが、原作の読み取りが浅いせいか、あるいはアメリカの歴史や作品の背景をよく調べていないせいか、どちらにせよ原作にある深みが感じられず、引いてしまった。
アメリカ人であれば誰しもがアーサーミラーの原作を読み、特にこの「The Crucible」は実際に起こった事件がベースである歴史の一部として、また文学としても高く評価されているため、義務教育機関中に勉強する。人間関係や自己責任、女性の社会的な立場、集団行動の裏側について考えるため役に立つ作品である。
にもかかわらず、不思議な「キリスト教の厳しさ」や「弱い女性対暴力を振る男性」という簡単すぎる内容になってしまったのではないか。怒鳴り続ける登場人物、意地悪く笑う少女、投げ・殴打・首絞めなどの暴力、、唖然とした。これは解釈の違いなのかもしれないが、なぜこの重要な文学がこう解釈されたのか知りたい。