満足度★★★★★
佐藤みゆきさんが好きで観にいってきたのですが、どの役者さんもキャラが濃くて素晴らしく、ここ数年観た中で1番面白い舞台でした!!あまりにも面白かったので、普段リピートはしないのですがリピートしちゃいました!それでもまだ観足りない・・・またやって欲しい。演出家さんやスタッフさんも含めた全員同じメンバーで。DVD買えよって話だと思いますが、そうじゃなくてもう1度全く同じものが観たい!しばらく「かけおちロス」になりそうです・・・再演、切に願います!!!!!!!どうしてもこの思いを伝えたくて、普段感想の投稿はしないのですがさせていただきました(汗)
ネタバレBOX
つか作品の「かけおち」を観たことがなかったので、映画版で予習してから観に行きました。映画版、面白くはありましたが、あまりにもみんな感情むき出しでアクが強く、突拍子もない発言・行動が多すぎて、みていて置いてけぼりになることが多かったのですが、舞台版は見事に観客を置いてけぼりにしないような工夫?改訂?がされていたのか、ハラハラドキドキイライラ、様々な視点から物語に深く感情移入することができました。とはいえ、原作の雰囲気もしっかり残っていて、理不尽なやりとりの欧州は見応えたっぷり。ヤスオの弟夫婦、保険のやりとり、あれはオリジナルだと思うのですが(ドラマであったのかな?)、オリジナルとは思えない溶け込みっぷりで、クライマックス前に妻が保険を勧めるシーン、最終的に保険で旅館の修繕費用を賄った、というのは面白い追加だと思いました。佐藤みゆきさん目当てで観に行きましたが、他の役者さん、全員が本当に達者で、みんなその役のために生まれてきたんじゃないかってほどでした。特に南翔太さんの早乙女は出てくるだけで大爆笑。二枚目が二枚目の役を暑苦しく熱量たっぷりに演じる面白さ。お見事でした。小宮さんもさすがベテラン様という感じで、作品の空気をものすごく作られていたし、みゆきさんの感情がコロコロ変わるのが素敵だったのは言うまでもなく。というか、みゆきさんの良さが存分に発揮されていたので、演出家様に感謝です!衣装もたくさん、まさかあんなやさぐれてタバコを吸う姿まで目撃できるなんて!!「女変えれば」が頭に残って仕方がなく、しばらく夢に出てきそうです(笑)そして、頼りなさすぎるやっちゃん。どうしようもない草舟野郎で、しっかりしてよ!!って思うのですが、最後の最後で男らしいところを見せてくれて、そのシーンでは毎回目頭が熱くなってしまいました。それにしてもやっちゃんを演じられた裕樹さん、歌がとても上手でびっくりしました。夜汽車に乗って移動するシーンをあんな風に表現するとは思いもよらなかったのでびっくりしましたが「ザ・エンタメ舞台!」という感じですごく楽しかったです!
役者さん一人一人を挙げたらきりがないですが、旅館の人々も本当に面白かったし(面白すぎたし)、運転手さんも絶妙だったし、篠原あさみさんが演じた節子のお母さんも最高でした!(岸きょうこさんとはまた違った面白さがあり、同じセリフ・役でも人によって、見せ方によって、こんなにも違うものなのか、と感動しました。)
音楽もつかさんの作品のままをうまく利用されていたし(音楽で鳥肌が立ったポイントが3つくらいありました)、舞台空間を見事に生かした面白い演出もあり、原作の面白さを、現代/中野ザポケット/この役者さんたちへ見事に作り直されていたと思います。
好きな役者さん、演出家さんが増えて、とにかく本当に大満足です!!!