満足度★
当日はアンケート用紙へ書く気にもならず、劇場を後にしてしまったのだが、どうもモヤモヤ感が消えず今更ながら…。
女性キャストのみの舞台、華やかではあるし、劇中のダンスには迫力もあるがとにかく脚本、演出がひどい。世界観は悪くないのだが、その世界観へ入り込む事が全く出来ないほど置いてきぼりを食らう展開。(そして序盤でオチが分かってしまう)
とにかく何をしたいのか…。
ネタバレBOX
女性だけでいることはとても心地よいものだが、世界には男も女も必要だ。(違うものを認める必要性、多様性?)
辛い事があってもそこから逃げちゃダメだ、前に進め。
大まかに上記のようなことを推してくるが、単に自分の正論を言いたいだけ(言わせたいだけ)脚本家の経験の浅さを感じるセリフが多い。登場人物にはそれぞれ重たい(辛い)過去がある設定だが、その重みが感じられない。
不幸に酔って不幸にとどまることは心地よくはあるが不毛である。
だが、必ずしも逃げない事が正しい事ではない。
逃げる事が必要なときも、それが必要な人間もいる。
逃げるなと誰も押し付けることはできないのだ。
仮に壮絶に辛い経験をし、そこから立ち直った事のある人間であるならば、このような哀しみの中にいる人を見下すような脚本は書かないはずだ。
特に理解に苦しむのは、男でも女でも〜と言ったようなセリフがあるにも関わらず、
異物を排除する風潮が女性特有のものであるかのように描かれていることだ。
また、子供を産む事が女の役割だという表現にも反発を覚える。
役割だから産めとのたまっているように感じる。体の構造上子供を授かる事ができるのは女性のみだが、だからといってそれを役割のように押し付けるのは如何なものか。このような事を考える人間は、子育ても女性の役割だ、などと言い出しそうである。
もちろん、どのように受け取るかは受取手の問題なので、このように歪曲した想像を膨らましてしまったのは私自身の問題である。
力のある女優も多く、それが上手く生かされていないことが非常に残念。