満足度★★★★
スポーツ演劇とは何ぞや?
東京から遠征した甲斐があった。
柿喰う客がまた新しいものを生み出してくれました。
今後、この「スポーツ演劇」がどう展開していくのか楽しみです。
ネタバレBOX
「芝居の合間にエアロビを取り入れている」でもなく、単なる「エアロビっぽい動き」でもなく、約45分間の完全な「エアロビクス」プログラムでした。
その中で、主人公「すこやか息子」の生まれてから死ぬまでの、家族との物語が描かれていきます。
最初にウォームアップから始まり、役者たちは6×3列のフォーメーションに並んで演技します。 「すこやか他人」役の玉置さんがインストラクターのような立場で、物語の語り部をしつつ「ワン、ツー、スリー、フォー♪」と掛け声をかけていきます。
「○○の運動~」という掛け声をきっかけに激しいリズムと動きに変わったり、合間に「休憩」が入ったり、 最後にはちゃんとクールダウンして終わるなど、本当に本格的なエアロビクスでした。
(エアロビの指導は中屋敷さんが独学でやられたんだとか!)
その完全な「エアロビ」の枠組みの中でも、ちゃんと柿らしい物語が展開されていたところが素晴らしかった。
「パパ」と「ママ」の赤ちゃんとして生まれた「息子」には2人の「姉さん」と「姉ちゃん」がいて、「ママ」が死んだことで「パパ」がボケてしまったり、その「パパ」の介護問題で結婚して家を出た「姉さん」と疎遠になってしまったり、 「姉ちゃん」はいつまでたっても結婚できず家にいるのがいたたまれなくなって失踪したり、 いつもの柿の、現代社会の問題を皮肉るような作風は健在でした。
(いつもと比べてお下品要素は少なかったw)
ちょっと残念だったのは、オーディションで選ばれた役者で2週間で作品を作り上げたということで、45分間の本格的なエアロビクスの動きの中でどうしても役者の体力や動きに差が出てしまったところ。
柿喰う客メンバーの深谷さん、玉置さんは流石の動きで、全編通してその運動能力と表現力を見せ付けてくれました。
また、劇場の反響の関係か、声量や声の響き方に個人差が出てしまっていました。 (もう一人の柿メンバーの村上さんは声が響いてなくて残念・・)
エアロビという集団演技の形態をとっているので、そういう部分で差が出たことで、作品全体としてムラが出てしまった印象がありました。
満足度★★★
表と裏
ヨーロッパ企画の永野さん目当てで観に行きました。
本広監督の作品は「UDON」ぐらいしかちゃんと観たことないのですが、舞台での作風も映画同様、基本はコメディ、ちょっぴりホロリとさせる場面も、という感じ。
演劇初心者の方でも楽しめると思います。
前回、前々回は未見ですが、特に問題なく楽しめました。
ネタバレBOX
七変化する回り舞台に感動。
小さい舞台スペースをうまく使っていたと思います。
人間の表裏を描いたストーリーともリンクしてて面白い。
ジュンペーが死んで、キャラクターが本音の部分をモノローグでギャグ調に話し出す場面。
面白かったのですが、そこだけいきなりやられたので、何だかまとまりのない印象を受けました。
女優さんたちが陰口を叩き合うシーンでは、
女は怖いと心底感じました。