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薔薇色のfrontier

薔薇色のfrontier

RayNet

東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)

2015/10/28 (水) ~ 2015/11/02 (月)公演終了

満足度★★★

素晴らしかった…と、思う
主人公エディは初主演の小野健斗さん。
長身でハンサム。気品もあり立ち振る舞いも美しく、ギャグシーンも下品にならず。その点は非常に強みのある役者さんだと思いました。
その他の演者はみなさん素晴らしく言うことなし。
特に桜乃彩音さんと泉見洋平さんは歌声も役柄も絶品で見ていて安心できた。全体的に最小限のセットで場面がどんどん変化するのも演出も全てが好感を持って見られた。

……しかし、主役の小野健斗さんが棒立ちの上に存在感の薄さが致命的。
演技も単調に見えてしまい周りとの実力差が浮き彫りに。
小野健斗さんの今までの演技より良くなっていただけにテーマ・役柄が難しすぎた印象。

期待していただけに残念。

ネタバレBOX

小野健斗さんのカーテンコールにはがっかりさせられました。
楽しいカンパニーだったのだろうと思いますが泉見さんがいなければロクに挨拶もできない始末。
都合3回見ましたが、どのカーテンコールも大丈夫なの?という印象。

千秋楽だというのに台詞を噛みフォローされる。
エディの気合は伝わるが演技の稚拙さだけが際立つ。
特に「え?」という疑問、問いかけのシーン。何一つ意外な感じもなく全てにおいてフラットな感じ。
誰と会っても何が起こっても意外な感じが無く台詞を言っているだけ。
力んだ声が篭り気味なのと聞き取りにくい箇所も。
すこし癖のある声なので、ちょっと自分でも変えているのか第一声「まだだ!」が、何かの擬音かと思ったくらい。
また、表情の作り方が平坦で薄く笑っているところが多め。もっとエディは表情がコロコロ変わるくらいでいいのではないだろうか?
特に冒頭、戦場最前線での発砲シーン。思わずカッとなる性格を表しているにも関わらず、どこか冷静な印象。では冷酷な役柄かというとそうでもない。また、アンナへの愛情表現も薄くセシルをアンナと間違えて抱きつくシーンもギャグとはいえ軽薄なイメージ。
周りの役者が見事に何役も演じ分けているだけに存在感がなければならない「翻弄される主人公」が薄っぺらく見えてしまう。ラストシーンのアンナとの再会シーンの心変わりがそれまでの薄っぺらな演技のせいで何故、どのきっかけで心変わりしたのか?どこで自分のfrontierを探そうと決意したのか? が、わかりにくく自分で補填して観るしかない。
同じような境遇の人達を見て、本当のfrontierを「自分で自分の気持ちに正直に」探さなくてはならない。格式に囚われず。という脚本の基本部分を理解していたのか疑問。
ただ、初主演で錚々たるメンバーに囲まれて演じきった努力と根性には拍手。薄ら笑いの笑顔だけなんとかしてもらえれば…時折みせる笑顔やおどけた表情、ラスト袖にはける時の吹っ切れたような笑みは素敵だっただけに残念。千秋楽はスペシャルバージョンということで歌がが、追加されていてそこはとても楽しめた。

今後に期待します。

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