星導輝(せいどうひかる)の観てきた!クチコミ一覧

21-23件 / 23件中
潮騒の祈り

潮騒の祈り

idenshi195

文化放送メディアプラスホール(東京都)

2014/12/06 (土) ~ 2014/12/07 (日)公演終了

満足度★★★★★

母親と子の気持ちの3重奏
かなり遅くなりましたが
2014/12/06(土) ~ 2014/12/07(日)
全日観ての感想を、こちらにも少し。

すべてが、アドリブ。台本はありましたが、
その状況によって、すべての公演内容がちがって、
それぞれの公演で感動をした。

3人の表現者は、ある意味固定ですが、
ある意味、固定じゃない役。
それを見事にこなしていた。

特に、春名風花さん。
初挑戦、初舞台とは思えないほど、
ベテランの方とぴったりあった息。

言葉が、弾んでいた。
ほんとすごかった。3人の息がぴったりで、

親子、3姉妹、そのように感じるほど、息がぴったりの舞台でした。
ピアノと、照明もみなアドリブで、
何もかも新鮮でした。

改めて、演劇というものが好きになった瞬間でした。
感想は、他でも述べているのでここでは短めに。

亜炉が等ございました。
ほんと素晴らしい内容でした。毎日涙が涸れました。

『TUSK TUSK』(タスク タスク)

『TUSK TUSK』(タスク タスク)

あうるすぽっと

あうるすぽっと(東京都)

2015/12/10 (木) ~ 2015/12/13 (日)公演終了

満足度★★★★★

大人の希望と、子供の夢。
2015/12/10(木) ~ 2015/12/13(日)
全日観劇しました。
何か、アドリブ要素がどこかであるのかと思ったら、
お話の内容てきに難しかったのか、それはなかった。
ゲスト?出演者のシーンが、変わる所くらいだったかな。

感想は、色んな意味ですごかった。
・役者を原作の実年齢でそろえたところ
・壮大であろう内容から、この短い枠に納める内容を選んだ範囲とながれ
・みんな最後まで全力投球

見る前の不安は、見た後の歓喜といえばいいのか、
とにかく、すっきりしないけど、すっきりした。そんな感じでした。

人選する側も、それに応える表現者たちも、すごかった。
何を訴えようとしているのか、表現者たちの体当たり、
本気の演技、そして、実年齢という、
3種の神器みたいなので、受け取る側は、ものすごく苦しかった。

みんなの苦しさが伝わり、嬉しさが伝わり、悲しみが伝わり、
楽しさが伝わり、立体絵本、感情がぶつかるそんな絵本、
新感覚劇でした。

再演も、DVDもなにもない。実にもったいない。
けど、思いっきり考えさせられる作品ではありました。

ネタバレBOX

はじめ、開演前に、メルヘンチックな、出来事がおきました。
それも演出だったようで、フィン君の夢の中から始まりました。
一緒に、鬼ごっこをしたかった機分。

そして、音楽の停止とともに、みんなの夢が覚める。
目覚める現実。

前半は、母が帰ってくると信じて待つ子供たちの話。
兄姉弟のけんかが始まる。
はじめは、幼き子供のいたずらのみはりとして、
しかし、少女には、もっと大きな悩みを抱えながら、
日常を振る舞っていた・・・長男が誕生日を迎え、柱を失うまでは。

ターニングポイントの誕生日。
その日は、色んな意味での最後の宴が行われていた。

日常から悲劇へかわる。
楽しい日常が、悲しみへと変わる瞬間の鐘が鳴る。
シンデレラの魔法が解ける時間。

子供たちの夢が消える。現実に戻る。
帰ってこない母親。
それは、出張とかどこかへでかけたとは違う。

帰ってこない、理由をしるマギー。
その理由を拒み、夢を見ようとする、エリオット。
状況をまだ理解できず、遊びたいフィン。

扉が開く。さらに悲劇の扉。
大人たちの希望がうごめき、子供たちの夢を踏みつぶし、
現実をみさせる。

育児放棄された子供たち。それがすべて現実であった。

長男エリオットは、再度家族を守ろうと目覚め、
妹と弟と一緒に、家を出ようとする。
夢への旅立ち!
しかし、大人の希望が勝っていて、サイレンが鳴り響きながら
幕を閉じる。


これが、今現実におこっている。こうしている間にも。
見つけるのは難しい。人を疑いの目で見るなんてとうてい無理。
せめて逃げ込める一時的なシェルター、
考える時間を作ってあげたい。
そう考えさせられた作品。子供たちの夢を閉ざすでなく、
夢を見ていいんだよと、どんな状況でも夢を見ていいんだよ、
夢をかなえる希望を持っていいんだよ、

そのような、自由の手をさしのべられる人間になりたい。
そう思いました。
一番は、このような世界を作らないことだと思うけど、
対策なんて待っていたらいつになることやら。
大人目線や他人目線じゃなく、
きちんと、その人の立場目線にたって、
考えてあげたい。そう思えました。

原作などの真相はわかりませんが、
ただこのような世界が、現実にあり、なんとかしなければならない、
それを感じることはできました。

表現者の皆さん、思いっきり心に響きました。
感動というか、やりきれない苦しさを毎日感じていました。
いえ、日を追う毎に強くなりました。

それは、表現者の皆さんが、日に日に
絵本の中の人たちとして本気で伝えてくれる、
感情がその人そのものに変わっていったから。

千秋楽は、ほんとに心苦しさだけが残りました。

ありがとうございました。とても素晴らしかったです。

できれば、あの三兄姉弟たちは、幸せにくらす、
パラレルワールドが、存在しますように。
今は、それを願うしかない、自分の非力さも思い知らされました。

私は、率先して、見つけてあげようと思いました。
手遅れになる前に。
僕のともだち

僕のともだち

劇団 でん組

一心寺シアター倶楽(大阪府)

2015/08/06 (木) ~ 2015/08/09 (日)公演終了

満足度★★★★★

やりきれない気持ち、考えさせられる作品
感想すごくおくれましたが、
2015/08/06(木) ~ 2015/08/09(日)
全公演観劇しました。

今回、3公演目となりました内容は、
前回の2公演目をさらにパワーアップした内容でした。
そして、役者さんも新メンバーを加えて、
新鮮さと言うより、深みを増した感じもしました。

驚いたのが、しゅう夜さん!
また、一段と役に磨きがかかっていました。

さて感想は・・・

ネタバレBOX

まずは、初回公演、2公演目、3公演目と、最初の出だしが変えられました。
どれも、話の内容が、かみ合わずに始まります。
それは、後半に進むにつれ、ひもとかれる謎。

いじめ問題における、深い悲しみが、入り乱れる。
加害者と、被害者。単純に割り切れないお互いの立場。

被害者の母親は、入院しているお子さんに早く会いたい。見舞いに行きたい。
でも、被害者の父親は、それを止める。なぜ?

思惑を秘めた加害者の両親が、謝罪しに訪問。
飛び降りた・・・えっ?
それで無事?いや、命を取り留めた?
だから謝罪で済ませようと・・・?

しかし、これらはすべて、被害者の母親を助けるため。
雷鳴とともに明かされる謎!

「お母さん!」「大地~!」

単純に、子供のけんかと見る人もいる。

しかし、それは、大人目線。
大人たちがささいにみえる、ことでも、
子供たちにとっては、大きな傷を負っている。
それは、見えるものよりもっと深い心の傷。

そして、大地君は、この世から・・・。

被害者の母親は、時間が止まる。
周りが、動いても、母親の時間だけがとまる。
いや自分で止めた。
大地君が生きている、その時間を永遠とするために。

また、雷鳴とともに、皆の罪が重くのしかかっていることに気づく。
その重さは、みんなが背負う。
被害者も、加害者も、また、周りも。一生。

いじめ。簡単に片付けられる問題ではない。
そう感じた、考えさせられた内容。

この内容は、いじめもそうですが、どちらかと言えば、
被害者の母親を中心として動いている。そんな風に感じました。

一番つらかったのは、2度お別れをしなければならなかった、
被害者の母親でしょう。きっと。
でも、比べることはできない気持ち。

簡単には、片付けることはできない。 いじめとして。
今こうしている間にも、助けを求めている。
心でさけんでいる。そんな人がいるかもしれない。

その人を見つけてあげたい。1人でも多く。
この悲劇を、現実におこさないために。

そう思え、考えさせられた、作品でした。

再度、再演があれば、またみたいです。
時間をつくって、また観に行きます。

素敵なお話を、ありがとうございました。

このページのQRコードです。

拡大