誕生日、黒いからすは死にませんでした。
劇団た組
仙行寺(東京都)
2015/03/04 (水) ~ 2015/03/08 (日)公演終了
期待度♪♪♪♪♪
劇!黒異本にさしあたり…
赤異本…黒異本の舞台化、劇場も申し分も無く素晴らしい場所に呼ばれたと聞く、
でわ…ひとつ
まくら話しをば…
20年以上前、劇マニアの友人から
「京都で面白いヤツ有るんやけど一緒に行けへんか?」
と誘われ真夏の夜の京都へ、京都では広い広場に仮設の芝居小屋が、
『IEMON』
と書かれた白提灯と無地の墨色の暖簾をくぐり指定座席の座布団に座り、まだ明るい周りを見渡すとドサ回り劇団小屋と歌舞伎舞台の中間の様な作りでした、
客席も埋まり、協賛の名前の入った金色の緞帳が上がると、
赤や金色や極彩色の絵柄の壁に挟まれ巨大な格子戸が中央に、その格子戸の前の舞台中央に分厚い畳敷きの上にこれまた派手な布団が、
「アンッ♥️」
と女性の喘ぎ声、盛り上がった布団の中から派手な襦袢のお武家さんと半裸の遊女が身体をのぞかせ2人ほくそ笑む、
「嫌に今夜は蒸すね〜」
と枕元の煙草入れを引き寄せ布団から艶かしい脚を放り出し長い煙管に火を灯し、此方に背を向けるお武家さんに手渡す、一服つくと
「あら?お酒も水も切らしちゃったね〜♥️お〜い!誰か水とお酒持って来てくんなぁ〜!」
「へ〜い!」
と女の子が格子戸のシルエットで登場すると舞台袖にはける、
ひと勝負終えた2人、お武家さんは仰向けで天井に煙管の煙を咫ぐわせる、その肌けた胸に自分の豊満な胸を押し付け重なる遊女
「ふふふ…なにブッケンチョな顔してんのさ〜あんなに激しいかったのに♥️でも、本当に今夜は蒸すね〜、ねぇ?何か寒気のする様な話し、ないかい?」、
「あゝ、あるともさ、そんなに聞きたいか?そんなに聞きたきゃ話してやろう…」
とお武家さんが煙管を煙草入れに
「カツンッ!」と、
奥の格子戸が勢い良く開くと、2人が寝ている布団ごと畳敷きセットが引き込まれ少し暗点すると背景が違うセットに早変わり、そこからは、ドサ回り劇団の演じる『お岩さん』、劇場中央の通路舞台を白無垢の『お岩さん』とやけに若い『伊右衛門』が登場したり、『お岩さん』と『伊右衛門』が唄い踊り!客席からおひねりや札のブーケやらが飛び交い、さながら人気ドサ回り劇団のアレ、
『お岩さん』は三人位で演じ『伊右衛門』に至っては5人ほど若い年齢順に演じ、クライマックスの戸板の『お岩さん』に『伊右衛門』が引き込まれる濡れ場、背景の三日月が浮かぶうっそうとした葦林が中央で割れ2人引き込まれ消えていく…
暗点
最初の遊廓の部屋、2人はまだ布団の中
「あゝ、怖い怖い…すっかり肝が冷えちまったよ…でも、身体は火照っちまったけどね♥️遅いね〜お酒まだかね〜何してんだい!ちょっと〜‼︎お酒はまだかい‼︎」
「へ〜い、ただいまお持ちしやすん〜」と、
「酒を飲んで、ひと息ついたら、またしようかね♥️」
「あゝ」
返事をすると布団横に有った刀を鞘から抜き布団の中へ…
「あっ…」
遊女、
布団の隙間から大量の血しぶきが奥の格子戸に降りかかり真っ赤に染める、
血まみれ遊女を舞台側に転がし、布団の中か血まみれの派手な襦袢姿のお武家が刀を持ち背を向け…こちらを振り返る…
『伊右衛門』、
「なかなか死ねねぇなぁぁ…」と
格子戸の片側を勢い良く開き…もう片側の格子戸のシルエットだけの女の子の姿に持っていた刀を勢い良く突き刺そうした瞬間…真っ暗に…
「今夜も長い夜になりそうだなぁぁ…ふっ…しかし蒸すねぇぇぇ…なあ!オイ❗️」。
緞帳が閉まる、観客は静まり返り全員度肝を抜かれてました、
静かな中、役者達が勢揃いしスタンディングオベーション、終わりました。
良き日良い時間に『黒異本』を観劇したいと思います…でわでわ 会場でお逢いする日を…。