
チョークで描く夢
トム・プロジェクト
シアターX(東京都)
2026/05/20 (水) ~ 2026/05/26 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
初演のトラッシュマスターズのは観ていて、大変な傑作だと思いました。
今作も素晴らしかったです。
2部構成3時間だったのを、2時間ちょっとに再構成。
基本、1部を拡張で、2部で描いたテーマは1部に織り込まれてます。
登場人物も絞られて、エピソードも強いもの濃く並べた感じで。
結果、映画的に感じたな。映画になって欲しい気もする。
初演の2部構成。一人二役は、とても演劇的な形でテーマにも響くもので、歴史や積み重ねを感じるものでしたが。
今作は、より没入感があるかも。
障がい者雇用、差別、ハラスメント。こういったテーマ性。
難しくも暗くもないよ。人間の生きざまとして、真情が熱情がほとばしる。
泣かされたし見入ったし、自分の生き方として色々と考えさせられました。

回ノ導 -しのしるべ-
壱劇屋
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2026/05/08 (金) ~ 2026/05/11 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ワードレス殺陣芝居。セリフを観客の想像力に託して。演者はそれ以外の部分を全力で描き出す芝居です。
ワードレスになると、壱劇屋さんは芸術性が上がるんだけど、今回のやつは、割とエンタメに注力かなって。
二つの星を求めての、活劇。
そして、ヴィランは、ホラー映画テイストをもった異質。
心躍る少年漫画のど真ん中って感じです。
そこに、竹村さんらしい、一途さ。他人の幸せを願い、ひたすらに頑張る感じが寄り添う。
ワードレス殺陣芝居はとにかく一回見て欲しいって思ってるやつなので。
観られるときに、試してみてほしいです。
7月公演の前日譚にもあたるようなので、それも含めて楽しめますよ。
(今作が、不完全な終わりとかじゃないので、そこはご安心を)

東京金魚
深海洋燈
多摩センター三角広場内特設テント(東京都)
2026/05/02 (土) ~ 2026/05/13 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
新しく登場したテント芝居の3年目。
場数を経て色んな部分にこなれてきて、練られてきた部分あるなって思えました。
桟敷席が今までは完全にフラットだったと思うんだけど、今回は段差があって、だいぶ快適性や見やすさ上がったんじゃないかな。たぶん桟敷はフラットのほうが人詰め込められるから有利なんだけど。
桟敷席、特に最前列のつば被りを選んだら、水を浴びて濡れるのはもう完全に自己責任です。
カッパじゃ防ぎきれない。濡らしちゃいけないものは持って行かないか、ビニール袋に包んできちんと封をしましょう。
自分も初年度には迫力を選んでびしょ濡れで帰ることになりました。でも、楽しかったから不満無しですけどね。
後方の椅子席が全体を俯瞰で見やすくて、腰にも優しいかな。
アングラへの愛をたっぷり感じるんだけど、今年のはフェス感が強くて。
総合芸術として、すごい素敵だった。
特に、今回は史椛穂さんを真ん中に据えていて。
役どころか芝居全体が史椛穂さんへの当て書きだと思えるほどで。
この方の繊細な表現力、情熱をたっぷりと観られて、本当に素晴らしかった。
金魚(主人公)の内面世界を、差別や戦争といったものを織り交ぜながら描く一幕。
幻想的で詩的すぎるので、やや見る人選ぶところはあるかも。
その一幕で金魚の正体がわかって、二幕はそこからのショータイムに。
幕間の休憩時間では、アルコール含む飲み物の販売があって。
二幕は静かに見ないで、大いに盛り上がってねってアナウンス。
そこで始まるのは美も猥雑さも悲哀もある、次から次のダンス。ノンバーバルの芝居もさらっとあるよ。
正直、前の二作は、二幕が解体寄りの構成でして。
アリなんだけど、やや物足りなさもあったんだよね。
でも、今作は、一幕の終わりからおぼえる観客の衝動に、これでもかと応える二幕で。
それでね、ショウだと油断したところで、最後は一幕の芝居へと還っていく。
これは、本当に美しい構成で満足度高かったです。
役者の全力の表現、とんでもない運動量、素晴らしかったなあ。

吉原ロミオとジュリエッタ〜百花繚乱・仇吹雪〜
劇団ドガドガプラス
すみだパークシアター倉(東京都)
2026/05/05 (火) ~ 2026/05/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
和風アレンジのロミジュリか、面白いかも!?って興味で。
始まってしばらくはちょっと笑いの感覚が自分とは合わない感じで。
これはよくある、ふざけたおして、最後だけちょっと良い話風にまとめるやつかな?って……不安を感じだったのだけど。
見進めていくうちに杞憂になりました。
ダンス、歌謡、こてこての笑い、殺陣。
客いじりもかなりやってきて、通路演出もぞんぶんで。
そして、ロミジュリ要素もきちんとあります。
吉原を持ってきて、家柄の違いを身分差に置き換えて。
そこに、”生類憐みの令”というものも重ねて。
ただ、現代的に問題提起という感じでは無くて、そこが雑念に繋がらず見易かったな。
迫力あるシーン、切ないシーン、ふざけたシーンそれぞれに味わいがある感じ。
主演のお二人、丸山正吾さんとシミズアスナさんの愛のシーンがとても好きでした。
二人は本気で大真面目すぎるほどで、端から見ると笑えるほど純粋なシーンでした。
畳み方、ちょっと拍子抜けする感じあるんだけど、舞台賛歌に僕は感じられて好感あった。

ベガスペガサス
やみ・あがりシアター
北とぴあ ペガサスホール(東京都)
2026/04/25 (土) ~ 2026/05/06 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
会場のペガサスホールからラスベガスに韻を踏んだタイトル。
ペガサスも実際に出しちゃうし、ルーレットのランダム性を創作だけじゃなく、物販やら参加型の企画にも組み込んでるのは、モチーフを徹底的に表現に重ねていく、こちらの団体の創作のやり方に触れた感じ。
パラバルーンを使ったルーレットの美術は面白いけど、ひたすらこれだけだったのは、ちょっと単調に思えた。
面白い役者陣で、群像劇なんだけど。
良さでもあるのかもしれないけど、全体的に見え方が軽くて、賭博っていうドロドロとは無縁なのが、ちょっと物足りなかったかも。
あくまでも安全圏からのゲーム的に見えてしまいました。

軋み
Nana Produce
テアトルBONBON(東京都)
2026/04/23 (木) ~ 2026/04/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
テアトルBONBONで、これだけ美術作りこんでるのは珍しいなって感心。
自分は、この戯曲初めて観たのだけど、やや時代を感じるところあって。
この10年、20年で色々と変わってきてるんだなって。
基本はコメディなんだけど、笑いよりもミステリー(サスペンス)要素のほうが本筋か。
もう少しテンポ速いほうが現代的になるのにって思いつつも、BONBONにしては年齢層高めの客層にはかなり受けてましたね。
最後の畳み方がちょっとご都合主義に感じたかな。

プルーストの遊泳
Prelude
新宿シアタートップス(東京都)
2026/03/25 (水) ~ 2026/03/31 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
Aチーム観劇。
前回の”染明色”もそうでしたが、基本はミステリー(サスペンス)の構成。
ただ、その辺り、実は複雑な人間関係、人間模様を描くための舞台装置なのかなって感じ。
舞台を区切って、そこを役者が移動する場面転換は面白いなって思ったし、なかなか効果的だった。
淡々とした割と一本調子なんですけどね。
眠くならず最後まで緊張感持って観られたのは、きちんとした芝居だったからだと思います。

碧く哭く
‐ヨドミ‐
TACCS1179(東京都)
2026/04/22 (水) ~ 2026/04/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
ノルマントン号事件をモチーフに、文明開化の日本のひずみを、強いドラマ性で2時間の疾走。
家族、親子、身分違い、言語の壁、差別、色んな人間模様が強いドラマで奏でられます。
作・演出の藤丸亮(あきら)さんは、自分の観てる範囲だと物語る強度が圧倒的に強い方で。
そのうえで、演劇的なセンスも抜群。
人間の嫉妬や愚かさを容赦なく抉り出す作風なので、誰にでもって言いかねるところがあって。
ただ、この作品は非常に観やすい。朝ドラ的なさわやかさできちんとしてる。
結末もみんな幸せなエンドじゃないんだけど、後味が良くて自分は元気が出てくる感じだった。
ヨドミだと、腰が抜けて神経がヒリヒリ痛みに痺れる……みたいな時も多かったので、これは無かった感じ。
演者陣、みんな素敵なんだけど。
主演の野口オリジナルさんと、茉莉役の松木わかはさんの名前はあげて置きたいです。
ドラマチックな芝居だと随一だと思ってるこちら、ぜひ出会って欲しいや。

黒百合
世田谷パブリックシアター
世田谷パブリックシアター(東京都)
2026/02/04 (水) ~ 2026/02/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
結構難解なお話だと思うのだけど、色々な演出で観やすかった。
オープニングとか特に素敵。
休憩をはさんでの二幕がちょっと短くて物足りなく。もう少しボリューム欲しかった。
これだったら、通しで見せてくれたほうがって思いが。
ラストシーンはなかなか爽快感ありました。

8hのメビウス(深化版)
ウンゲツィーファ
北千住BUoY(東京都)
2026/04/15 (水) ~ 2026/04/20 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
初演も観てますが、初演より良かった。
初演は転換に色んな手法を取り入れていたのだけど、自分は逆に散漫に見えたところがあった。
そこが今回はハンドフォークっていう統一感があって。
バリエーションは減ったけど、より洗練されて、舞台上の演者の芝居がストレートに伝わってきた。
150分で丁寧に見せてくれるのですが、個人的には長いかな。
腰伸ばしタイムとか洒落てるんですけどね。
もっと大きい劇場で俯瞰で全体の調和をきちんと観てみたいと。
作風的にも芸術劇場のシアターイースト・ウエストなんて似合いそう。

しみ
中野坂上デーモンズ
新宿眼科画廊(東京都)
2026/04/17 (金) ~ 2026/04/21 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
まず、客席の造りが面白いと思った。
新宿眼科画廊地下スペースでL字の二面客席。
長辺側は壁に沿って一列。短辺側は3列で段差あるんだけど、その段差がかなり高くされてるので、どの席も見晴らし良いはず。そして、どの席もここでしか観られない景色があるんだと思う。
実際の消火栓が美術とてしても良いアクセントになっていた。
上質だけどシンプルな照明で演者は二人。真っ向勝負。
モヘーさんのユーモアセンスやメタ要素を交えながら語られる二人の清掃劇。
え、シリーズだったの?の労働三部作完結編。
最後は、これからも演劇のシミを残していくってことだと僕は取りました。
”かみ”、”さる”、よりは、より演劇ってものに興味を持ってる人向けとは思えた。
眼科画廊地下にデーモンズ観に来てる人で演劇に全く興味ないって人いるとも思えないんだけど、
前二作は、そういう層にも届くものがあったと思えるんですよね。

楽園にピス
無限のネコ定理
小劇場 楽園(東京都)
2026/03/18 (水) ~ 2026/03/23 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
ハチ公チームを観劇。
楽園って、そもそも癖のある劇場なんだけど、その劇場の柱の分岐から芝居が始まって。
以後、ずっと色んな表現、工夫をこれでもかってぶち込んでくる芝居だった。
全部がうまくいってたとは思って無いんだけど、この若い熱は素敵で。
物語的には、渋谷の再開発と作家の生みの苦しみ、この2つが軸。
その2つの要素をヒロインを介して繋がるような、感じの構成なんだけどね。
どうも噛み合いそうで、何か歯がゆい、みたいな感覚がずっとあったんだよね。
最後の畳み方なんて、夢野久作のドグラマグラ思い出す感じで。
この違和感は、実は観た回がメイキングトークショーがあって。そこでわかったんだけど。
シュールレアリズムを目指してたとか。
生きづらさがテーマらしいけど、それと重なる効果があったかはやや疑問。
冗長さは感じたけど、シーンごとの吸引力は高くて、ほんとさ、色んなことしてくる(プロジェクターがかなり攻めてたり)ので、そこを観てるだけでも楽しかったな。
テーマや物語は、捉えようとせず感じるくらいで良いのかな。

ROMEO : JULIET :
劇団ヅッカ
浅草九劇(東京都)
2026/03/19 (木) ~ 2026/03/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
ヅッカはね、若い人たちがきちんと同世代に向けられた演劇をやれてるところって印象なんです。
今回はシェイクスピア、ロミオとジュリエット。古典の中でも定番すぎるやつで。
この誰でも知ってる強い戯曲を使って、物語を演劇を解体して再構築していく感じ。
ただ、意外とにロミオとジュリエットは、きちんとやる。
ミラーボールが釣ってある。光と音の洪水。
役者はみんな若く躍動していて、個性も活きてる感じ。
円をくるくる回ると、そこに色んなものが生まれる。
こういう芝居をみると、若い人も演劇に興味わくんじゃないかなって。
自分はオジサンだから、ほんとのことはわからないけど、そんなこと思えた。

ラビット番長主催 WSアトリエ公演
ラビット番長
ジグスタ Zig Studio(東京都)
2026/03/21 (土) ~ 2026/03/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
miggyさんの10分の短編と井保三兎さんの30分の短編の2作。
チケット代はWS公演ってこともあり、1,000円。
見やすかったし、面白かったなあ。
10分のはワンアイデアの可愛い芝居、30分のは上演時間以上の手応えあって。
井保三兎さんの本は、身の丈にあるドラマを魅せるのが抜群に上手いなあって思います。
このWS公演をゆくゆくは、色んな人たち、団体が集まる場にしていけたらなあ。
そういう想いがあるようです。期待したいですね。

「ミカンの花が咲く頃に」2026
HOTSKY
座・高円寺1(東京都)
2026/03/18 (水) ~ 2026/03/22 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
古民家って言ったら失礼かしら。美術の民家がなかなかで。
方言なども心地よく聞こえた。
保坂萌(めぐみ)さんらしい、陰影の演出が吸い込まれるような感じあった。
暗転に行くときとか、特に影の使い方がうまいなあって。
都会に出た人が田舎に帰る時の、嬉しいだけじゃないところ。
家族の複雑で難しい心のやりとり。
この辺りが特に見入ったところかな
過去と現在が交互に来る時系列と複雑な人間関係をとらえるのがなかなか大変で。
公式で人物相関図のイラストを出してるの、軽く頭に入れておいたほうが見やすいと思う。
テーマ的にきっと一番中心にある部分、これが丁度現実にあった痛ましい出来事と重なる見え方になってしまって。
本来なら分けて観るほがいいんだろうけど、タイムリー過ぎて自分として考えるところあったなって。

ガラパゴス
キルハトッテ
水性(東京都)
2026/03/10 (火) ~ 2026/03/15 (日)公演終了
実演鑑賞
何を描こうとしてるのかは薄ぼんやり見えるけど、色んな視点というよりも焦点がぼやけてしまってる印象。
下半身がイグアナになるって要素も、ワンクッションや象徴というよりは、曖昧さが増してる感じで。
個人的には、描きたい部分を直球でリアリティをもって探るほうが良かったと思う。
アフタートークで少し出てたんだけど、フィクションとしての距離感みたいなのは。
思考実験、リアルに想像した話として描けば、逆に丁度良かったんじゃないかなって。
内容には関係無いんですが。
昼間で水性独特の、あの外の通りがガラス張りで。通りすがりの人の野次馬的な声が聞こえてしまって。
そういうのが良い演出になる場合もあるんだけど。この芝居内容的にはノイズだったと思います。
※チケットプレゼント見させてもらったので星評価はつけません。ありがとうございました。

鹿鳴館異聞
名取事務所
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2026/03/11 (水) ~ 2026/03/15 (日)公演終了
実演鑑賞
まず、入場して作りこまれた洋館の美術に目を奪われる。
場内には静かに雨音が客入れから響く。
暗転。開幕すると雨のシーン。いつしか雪模様に。
始まってしばらくは、時代がかった大げさなセリフに、やや怯む感じもあったんだけど。
理想と俗物さ。どちらも人間だ。一つの醜聞は二転三転。
演劇の仮装性みたいなものも重ねられて。真相が明かされるときには、
時代も新しい幕開けを迎える。
観終わって、鹿鳴館が舞台じゃないんだよなって、気づく。
実は、激動の時代にあった悲喜こもごもで、なかなかにエンタメ。
序盤がややたるく感じもしたけど、キャラも強く、ミステリーとしても上質で面白かったです。
背景説明されてる用紙が当日パンフにはさまれてるので、開演前に目を通しておくとより理解しやすいかも。
※チケットプレゼントで見させてもらったので星評価はつけません。ありがとうございました。

101分のペリクリーズ
Dialogue!
シアター風姿花伝(東京都)
2026/03/04 (水) ~ 2026/03/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
こちらというと、シェイクスピアのコラージュ芝居なんですが。今回は単一作品を焦点に短縮化。
どうなるのかなって思ってたんだけど、面白かった。
僕は元のペリクリーズは触れたことないんだけど、大冒険、大航海を101分で味わった感じです。
大胆な短縮は、個人的にはYouTubeの人気動画のようなテンポ感。
衣装は現代風。でも、セリフはシェイクスピア。
色んな大胆な演出は、古典劇のものではなく。
演じる役者の熱量は小劇場空間を揺るがすほど。
アレンジ強い分類になるのかなと思うけど。核の部分は非常に熱いものが流れてて。
シェイクスピを本気でやってる俳優がシェイクスピアのセリフを発する。
もう、これだけで面白いんだって思わされます。
演劇?シェイクスピア?って人ほど、観てもらいたいなとも思えたり。

寝不足の高杉晋作
アナログスイッチ
新宿シアタートップス(東京都)
2026/02/25 (水) ~ 2026/03/08 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
アナログスイッチは、構えず肩の力を抜いて楽しく観られる団体のなかでも、面白いところの一つって認識です。
今作は、可愛い美術に、にぎやかなキャラクターがドタバタを繰り広げて、楽しく観られた。
雲隠れした高杉晋作の秘密を暴くために幽霊騒動を起こすって話なんですが。
このネタで2時間超えは長いなって思った。
キャラもエピソードもよく言えば丁寧、悪く言うと細部まで欲張りすぎというか。
これは自分の好みなんだけど、コメディは切れ味が欲しい。
100分くらいに収めて欲しかった気がする。
特に序盤の助走が長いかな。
このあたりのあれもこれも感が、逆に活きたのが”信長の野暮”な気がする。
今作は、楽しかったけど、やや冗長に感じたりもした。
暗転が多いうえに暗転の時間がだいぶ長いなってのも気になった。

Chloé-クロエ-
紙魚
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)
2026/02/27 (金) ~ 2026/03/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
スタジオHIKARIで音楽劇か、どうだろうなっ?て思いで場内入った瞬間に。
これは!?って、唸った。
美術はシンプルそのものなんですが、スタジオの使い方が自分はここでは観たことないやりかたで。
対角線を斜めに切って、奥側に客席を。これによって舞台の間口が広くなった。
動線の確保にもなってたのかな。
代わりに舞台奥は狭くなり、センターに太い柱って、いびつなステージなんですが。
とても工夫されていて気にならなかった。むしろ太い柱の使い方が上手かった。
照明の素晴らしさにも触れておきたい。ずっと奇麗なんだけど、自分が特に凄いと思ったのは。
センターにある太い柱が闇にまぎれて消えたとき。演劇の魔法だって思った。
演者は6人。音楽が生演奏でピアノとドラムの2人。
生演奏も歌もほぼ2時間絶えることなく。演者もメインの役だけじゃなくて、アンサンブル的なことも兼ねます。
ミュージカルでもここまで歌が続くのあまり無いんじゃないかな。
セットはほぼ素舞台、しいていうなら例の柱。
小道具と役者の身体表現によった数々の表現で場面はつくられていきます。
凄い段取りの数で、運動量だ。
『うたかたの日々』を自分は読んだことないので、忠実さや翻案具合は言えませんが。
物語自体、凄いことが起きるわけじゃないです。
一幕は、それこそディズニー映画のような、恋に恋するエンタメとして楽しめて。
二幕は、それだけじゃなくなってくるけど。表現方法も、より尖がるっていうか、色んなことやってきます。
幕切れの畳み方がやや淡泊に感じる人もいるかも。ただ個人的にはちょうど良かった。
小さな箱だけど、空間の使い方が良くて、もっと大きいステージで客席がステージ上にあるような臨場感でした。
工夫された劇空間に、役者たちが歌に身体表現に目まぐるしく躍動して。
シンプルなステージを、凝った照明と生の演奏が支えてくれる。
総合点が高く、素晴らしかったです。