1
死んだら流石に愛しく思え
MCR
殺人鬼と殺人鬼が殺人の旅に出るロードムービー、でいいのかしら?
登場人物の個性なんてもんじゃないのも、物語の構造も、凄まじかった。
臭覚にも訴えかけられる、グレープフルーツのシーンは、一生のトラウマものかも。
でも、ちょっといい匂いだったな、なんて思ってます。
いや、本当に凄い芝居だった。
2
gagap
ENG
ベースは壱劇屋東京支部さんの竹村さんの芝居のうえに、ENGでお馴染みの華ある役者がオールスター集合みたいな構造。
東京支部さんのお芝居には欠かせないアクションモブ(ギャップル)のメンバーは、東京支部の劇団員さんや東京支部ではお馴染みの方々、更には今年解散した空想笑年の有賀太朗さんも。
スタッフにも、出演はせずともENGではお馴染みの方々の名前がチラホラ。
盤石の布陣。
実際、期待値は相当高かったようで、早い段階で全席完売。
最後に追加された見切れ席、通路席もあっという間に無くなりました。
実際のギャギャップは、その期待値をも超えた圧巻の芝居でした。
まあ、こういうヒーローものみたいなのは、どうしても受け付けないって人もいるのはわかるんですが、
そうじゃなければ黙ってみろ、面白いぞ!以上!、でお終いでいいかもしれない。
劇中で歌が効果的に使われており、さすがにこれはワードレスでは出来ないな、と。
2時間半、比喩ではなく見どころしかない、圧倒的なエンタメ芝居でした。
3
六英花 朽葉
あやめ十八番
大正ロマン、昭和モダン2回ずつ、計4公演観ました。
あやめ十八番さんを初めて観て以来、毎年、好みは置いておいて、振りかえって総合点だとここが一番だなって思ってしまうんですが。
今年もこれを総合点で越えられるのに出会えるかしら……で、12月、まだ出会えてないですね。
観始めたら、どっぷりと演劇の夢の世界へ。
主要キャストとアンサンブルが入れ替わるダブルキャストって演劇の面白さを堪能出来るよね。
無声映画、活動写真弁士って題材も興味深く。
本当に面白かったの一言でした。
4
長い長い恋の物語
玉造小劇店
デリケートなテーマで、自分は苦手なテーマだったんですが。
これは観て良かったと、時間が立っても思ってます。
ウェットになりすぎたり、一方的な社会正義の断罪もなく、地に足がついた、等身大の血の通った芝居だった。
大阪に行ったとき、高架をくぐった瞬間に空気が変わった(思い込みかもしれんが)のを思い出したりしました。
5
チョークで描く夢
TRASHMASTERS
二部構成がすごい活きてる。
一部も良い芝居なんだよね、良くは出来てるけど、今まであった範疇とゆうか。
現実はこの一部のところにも到達してない気もしたり。
一部を踏まえての二部、障がい者の社会進出がすすめば、当然、障がい者がハラスメントする側にもたつっていう。
役者の役の役の変わり方もすごい演劇的に面白くて、ね。
稽古すすめるにあたっても、このニ役は相当に考えさせられるだろうなって。
僕は基本、演劇として面白ければいいって立ち位置なんだけど、この芝居にはテーマ的なところでも唸りました。
6
日本演劇総理大臣賞
ロデオ★座★ヘヴン
演出、脚本、役者、舞台美術、照明、音響、全体の構成、ほんとにスキが無い芝居だった。
適度に力の抜けるシーンがちゃんと用意されてるところまで含めてスキが無い。
描かれたのは時代と大きな演劇への愛情だったと思います。
7
長い正月
20歳の国
暖かい電球色の照明に、ほっこり、しんみりした芝居かなって思ってたら、舞台上が数年単位でシームレスに進行していくので、かなりスリリングな観劇になりました。
今、地震速報を見ながら書いてるのですが、そんな人生のままならないところを象徴する奈落への階段の使い方も印象的だった。
舞台上の役者の細やかな演じ分けは、演劇的にとても面白くて。
100年にわたる家族の物語は、色んな感情を揺さぶられました。
直接関係ないところですが、芝居をやる時期だったり、来場特典だったり、終演後に甘酒をふるまってくれたり、そういう配慮がまた芝居と良い響き方をしてたと思います。
8
Pickaroon! -ピカルーン-
壱劇屋
AB両方鑑賞。
壱劇屋メンバーによる一回限りの壱回は残念ながら見逃しましたが、11月の上映会イベントで、念願かなって観ることがかないました。
東京支部さん、今年はワードありの公演を続けられましたが、個人的なベストはこのピカルーン。
7人の悪漢たちの、ビジュアルも戦い方も含めた個性。
大切な無垢な存在を守るっていう寄り添いやすい一途な物語構造。
敵役の存在感。
舞台上に起きる表現もどれもこれも素晴らしく。
最高だったの一言です。
9
信長の野暮
アナログスイッチ
これは面白かった。
舞台セットが4コマ漫画のようで。
それぞれにシチュエーションコメディが展開される感じ。
最後にシチュエーションごとの壁が決壊して大騒乱になるのは、楽しかった。
10
The Blues
Dialogue!
タイトルに惹かれて観に行って、これは面白かった一作。
シェイクスピアの作品の、色んな登場人物や数々のセリフ、名場面をパッチワークしてつなぎ合わせて、単体の新作に仕上げてしまうっていう。
企画倒れになりかねないような心配も出てくるけど、とんでもない、めちゃんこ面白い仕上がりになっておりました。
役者も充実の熱演で、印象に残ってる一作です。