実演鑑賞
満足度★★★★★
完成度130%の幻灯劇場!音楽に、演技に、酔いしれてください。
ネタバレBOX
複雑なようで伏線を追えば理解しやすい死者の物語。
コインロッカーに捨てられた二人の赤ん坊の人生ってなんだよ。亡霊を成仏させるロッカーってなんだよ。奇想天外幻想劇場はラジョを捨てた母の人生を語るのか?
一度見れば分かる、そこが知れる芝居じゃないのは確か。
わからない人も、幻灯劇場の世界に酔いしれてください。
満足度★★★★
幻灯さんの身体的な演技演出が好きです.
前回公演よりもすっきりした感じを受けました.
期待していた美術もよい仕上がり.シンプルでかつ多重化された空間です.
八百屋舞台はいいねぇ.
幻灯劇場の原点ともいえる作品です.時間も70分程度と,ちょうどいい感じ.
ぜひお試しを.
ネタバレBOX
幻灯独特の言葉遊びはこの作品から炸裂していると思います.処女作「ファントムペインに血は流れるか」でも言葉遊びは使われていますが,この作品では「忘れる」というキーワードが入れ子になってそこかしこに出てきます.
夢子の好きな「忘れな草」,夢子を主人公にした映画「忘郷少女」
ママ「ここで死んだのだれだっけ」
駅長「うーんと,忘れた」
駅長は本当に忘れたのか.忘れたふりをしているのか.本当にあそこで死んだのは,夢子じゃなかったのか.もしくは夢子の父だったのではないのか.……そういった妄想を抱いてしまうほど,「忘れる」というキーワードが深くこの作品に根ざしています.
この映画のおかげて成功を収めた映画監督非常口イソグは最後にこう言って去ります.
「忘郷少女は少女が故郷を忘れる物語じゃない.故郷が少女を忘れる物語なんだ」