(企)劇団思い出づくり(演劇)
設立:-
雨の日だった。その日私は何も手がつかず、何をする気にもならず、家にいても居た堪れなず、何処に行くでも無く、何処行くあてもなく、家に出た。その日は一日雨で、私が家を出た時には細かな霧雨が、傘を持たずに出た私の顔を濡らした。見慣れた景色は、久しぶりの雨に燻された様に灰色に沈んだ。私は次回作の構想を求められていた。しかし、何も浮かばなかった。私は意中の女性(ひと)に振られたばかりであり、正直それどころではなかったのだ。女に振られ、雨にも降られ、フラれてばかりの自分がなんだか滑稽に思えた。私は、雨に降られれば、何か頭や気持ちが冷やされ、妙案が浮かぶのではないか、と淡い期待をしていたのかもしれない。だが、そう世の中はそんな都合よくは出来ていないらしく、足は進めど構想は進まず、生み出されるのは過ぎ去っていく空費した時間だけであり、アイディアは浮かばなかった。「そろそろ帰るか。」私はいよいよもって虚しさを覚えた。その時だった。いつの間にか雨は止み、雲間からは日が差し、私の街を包んだ灰色は失せつつあった。私は閃いた。「進撃の宇宙人だ!」こうして生まれたのが今回の作品である。そんな訳はない。作・演出いけてるまさ
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