満足度★★★★
はじめての観劇投稿です。(ネタバレありです)
ネタバレBOXに感想書きました。
ネタバレBOX
日曜日、今年一発目の観劇してきましたー!
今年の目標は、観た作品の感想をきちんと文章に残すこと!
以下長いです。
20年代のシカゴ。
舞台の上には淡くて、懐かしいパステルカラーが散らばった垂れ幕とネオン看板。
道案内役の道化師が、
『これから起こる話は全て作りもの』
『だから笑って、楽しんでいってくれ』
とプロローグを語る。
道化師役はこの音楽劇を作った串田和美さんで、しゃがれた声が大阪のおっちゃんのような愛嬌を醸し出し
唄えばハスキーでシブいブルースがホール中に響き渡る素敵な俳優さまでした。
インタビューで串田さん自身が仰っていました。
舞台演劇とは古典だけのものではなく演劇は演劇のものなのだと。定めた形以上の何かを産み出そうとされている方なのだと知りました。
都会や夢や愛に魅入られた、
ギャングや八百長ボクサーや新聞記者や床屋の異邦人やクラブの踊り子達。
憧れは、憧れるからこそ美化されてしまう。
この物語は憧れや夢の舞台。
登場人物ひとりひとりにある、
それぞれの憧れやそうあって欲しい、そうであったらいいのにっていう願望が空想の街を作っている。
20年代のシカゴ。
ひとりひとりが願っても叶わない現実を知っている。
だから浮いたストーリーにならない。
登場人物達は分かっている。
現実を生きているとても普通の人達の愛のお話しでした。
“愛するあの人はまるで月のようだった”
“だから月がやせてゆく姿を見ているのが辛いのです”
恋をして変わってしまったギャングのボス役の松尾スズキさんが、最初は鼻で笑っていたこの話を自分の身に起こった変化に重ねて唄うシーンは、松尾さんの表現力でとてもリアルに感じて泣けてしまいました。
彼の想い人として登場する純真無垢な美少女を鈴木蘭々ちゃん。
久々に見ましたが、相変わらず可愛らしい!というか素晴らしく歌が上手くて可憐!!素敵でした。
楽しかったのは演じている役者の方々が、
ブラスバンドもこなす事。
大東くんはチューバ、石丸さんはサックス、串田さんはクラリネットやハーモニカ、などなど他にも様々な方々が歌と演技を一体にしてステージ上でひとつの作品を作り上げていました。
そして主演の松たか子さん、
素晴らしかった~!!!
登場人物が沢山いるので松さんも主演といった役どころとはまた違う気がしましたが、もうなんと言っても歌が、歌が素晴らしかった、、、です!
どこまでも伸びて、広がって、大きく弾ける声!声がきらきらしていました。
誰ひとりとして幸せになりきらない物語。
期待が落胆に変わっても
幸せが絶望に変わっても
悲しいことも笑って。
そんな日もあるじゃない。
だって私たちはフラッパーだから。
きらびやかな時代を強かに生きるフラッパー達のお話しでした。