Midnight Traveller
M ACT CREW
ブディストホール(東京都)
2013/10/12 (土) ~ 2013/10/20 (日)公演終了
満足度★
もっと作りこんで欲しかった
主催や出演者が「期待しててください」「すごいものが仕上がってます」とTwitterやらブログやらで煽っていたこと、第1弾よりも名の知れた俳優が数名出演していたことで、前回以上のものになっていることを期待していた。
確かに、プロジェクションマッピングやら、光る衣装やらのテクノロジー的な演出は期待以上だった。
しかしながら全体的に作りこみが全く足りていなかった。まず、脚本が破綻していたように感じた。作品によっては複数回観劇すれば、1度では理解できなかった伏線を回収できたりするものだが、そもそもこの脚本では風呂敷を広げ切ったまま、畳むことなくストーリーが終了するので、2度見てみたいとは思わなかった。(オープニングのプロジェクションマッピングだけはもう1度見てみたいと思うが。)
次に、衣装の作りこみが足りない。全体的にチープ。レストランの制服はよいが、夢の世界の住人の衣装(ヒマワリ、ウサギ、チクタクetc)の衣装が特に安っぽく、せっかく「夢」というファンタジックな世界の表現であるのに、あまりに現実的で夢がなかった。市販のハロウィンのコスチュームのほうがまだファンタジックである。
そして登場人物のキャラクター設定や存在意義の作りこみが足りなかった。主役のキャラクターがぶれていて、最後までどういう人物なのか、よく分らなかった。そして存在意義があるのか疑問なキャラクターがとくに「夢の世界」のほうに多かった。とくに侍は、素性もわからぬまま終盤でいきなり活躍し始め、ついていけなかった。
ダンスの技術はさすがではあったが、もっと多種多様のジャンルのダンスが見たかった。音楽も電子音が多く、毎度のパターンなので少々マンネリ感があった。
もし第3弾があるのであれば、まずは脚本の筋をしっかり通してほしい。ストーリーが破綻していてパフォーマンスを詰め込むだけでは、芝居ではなくショーである。演劇と謳われている以上、客は「物語」を見に来ているので、引き算をしながらまとめていってほしいものである。