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あんかけフラミンゴ11【ご来場ありがとうございました】

あんかけフラミンゴ11【ご来場ありがとうございました】

あんかけフラミンゴ

王子小劇場(東京都)

2013/10/11 (金) ~ 2013/10/15 (火)公演終了

満足度★★

初本公演観劇
鬼フェスで拝見していたのと、キャストが魅力的だったので本公演に一歩踏み出してみました。…全部ネタバレになってしまいますが、あえて言うなれば…自由席の意味がないくらい、見切れ席がたくさんありました。これからご観劇の方は中央をオススメします。下手はじだったのですが、全く見えないシーンが多々…ストレスでした。途中で声だけでなんとかついていこうと思いました。
内容は…想像している内容から遥かにかけ離れてました…
こうゆう感じは想像して無かったです。面白かった!と手放しに言えない感覚。題材が題材なだけに、脚本の粗がすごく気になった。ネット上での知識だけなんだろうなっていう。10人の女優さんを使い切れてない感が否めません。出演者半分で一人ずつ濃厚なものが観たかった

作品、演出の若さが、いい意味でも、悪い意味でも浮き彫りに出てました。とはいえ、今後が気になる劇団のひとつです。

ネタバレBOX

後ほどまた追記しますが…


とにかく、とにかく。
役者さん達の熱演に支えられた作品だなと感じました。

台本上で、提示されていない余白を埋めて
その役の密度を役者がおぎなっているという感じ。

メインであろう、あかり、いっちゃん、妹。

このストーリーに全ての登場人物がリンクしている構造なんだろうけど
それにしても、メイン以外のストーリーが顛末が悲しいくらいに描かれてなかった。
女性に見てもらいたいとユーストで主宰さんが、言ってましたが…
???
女性でアラサーに近い私は、不妊治療していたグループのストーリーに心が動いていたのに、最終的にモブのような効果で登場していて、謎でした。

個人的に役者さんでとても輝いてたのが、
内海さん、大森さん、笹木さん、酒井さん、

特に内海さんと大森さんの演じる川瀬と橋本のシーンは
演劇としてシーンとして安心して見れました。
若い出演者がたくさんいる中、安定した芝居を求めてしまうもんなんだな。
ちゃんと舞台と作品に存在しているというのはこうゆうことなんだろうな、というの冒頭で余白を埋めている俳優さんというのもこの2人が特にそう。騙される女、騙す女。電話のシーンとお金を渡すシーンでは鳥肌が立ちました。

内海詩野さん。初めて拝見する女優さんでした。貫禄があって、舞台冒頭のシーンから釘付けでした。人の隙間にぐいぐいと入り込んで行く姿は思わず息を飲みました。前半の悪担当ですかね。その悪が姉に寄って突き落とされるシーンでは女ならではの色気すら感じました。当てがきなんですかね、この出演者陣の中で川瀬を演じられるのは内海さんだけだろうと思わせてくれました。相手役をたてるのが本当に上手な方でした。

大森茉利子さん。何度か拝見したことがありますが、毎回違った顔を見せてくれます。メインをはる華と実力がありながら、作品の横軸をちゃんと支えています。今回確信したのは、誰かを演じるというよりは、ご自身の中で捏ねくり回して役を生きている役者さんなのかなと。とても感情が素直で、素直過ぎて心にグサグサ届きます。嘘の感情に誰もお金は払いたくないですから。指先まで血が通った芝居。
『なんでもしたよ!』というシーンでは、橋本の今までの想いが溢れ出て気付いたら涙が溢れてました。シーンがとびとびの作品の中、背負っているドラマがちゃんとある役者さんで、舞台劇の良さを改めて教えてくれました。


笹木皓太さん。若いですね。いい意味で。演技力はもちろん、身体能力と声。どれも同世代の男優さんの中でズバ抜けていると思います。これからが本当に楽しみな俳優さんです。歪んでいてまっすぐなあかりへのたっぷりな愛情はとてもとても切なかったです。作品の中で、お互いの愛の証について悩むもがく『いっちゃんとあかり』でも、作品中で2人はお互いのどこが好きというのは描かれていません。わたしが見落としていただけなのかな…でも、それが無くても伝わるあかりちゃんへの愛。そして、愛さずにはいられないいっちゃん。笹木さん以外では、この説得力は持ち得なかったと思わせてくれます。『笑ってんだよ、バカ!』最後の最後にやられました。

酒井桃子さん
鬼フェスで拝見して、可愛らしい女優さんだなぁと思っていた矢先の今回の役。衝撃でした。独白から伝わる人としての嫌悪感。悪でした。まさに。あかりへの愛情。妹への愛情。ゆがんでいることすら、正当化してしまう。
細い身体からは想像できない程の熱量が最後尾の私までバシバシ響きました。作品での自分の役割と作品が表現したいであろう繊細な部分まで体現してくれる女優さん。いつかメインでのお芝居も拝見したいです。

何日か経ったら、
また思い起こすことがあるであろう作品かなと思うので、また追記します。

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