パリのアメリカ人【2020年京都公演一部、福岡公演中止】
劇団四季
東急シアターオーブ(東京都)
2019/01/20 (日) ~ 2019/03/08 (金)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/02/13 (水) 18:30
昔、映画で観たような、うっすらした記憶。うーん、今日はオーケストラじゃないのか、ちょっと残念だ…と色々考えながら観始めたけど、そんなの全部吹き飛びました。
戦後のパリ、戦争が終わったその日から平和な日がやってくるんじゃない。
混沌とした時代を生きる若者の夢と恋を、歌とダンスをガーシュウィンのメロディーに乗せて描いた作品。
圧巻。ザ エンターテイメント!アメリカでトニー賞を何部門も受賞したのも納得。
全編ダンスが多くて、役者さんは体力的にキツいと思う。特にラストのシーン、いったい何分踊り続けてるだろう。10分どころじゃない気がする。
渋谷のオーブでは3月の半ばまで、その後は横浜のKAATへ。
是非是非、全国での公演を!
四季の他の作品に比べてチケットが余りがちなようですが、この作品は生で観ないと本当に後悔すると思う。
オペラ『遠野物語』
オペラシアターこんにゃく座
俳優座劇場(東京都)
2019/02/07 (木) ~ 2019/02/17 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2019/02/08 (金) 19:00
座席1階5列5番
価格4,000円
こんにゃく座さんの解説に「厳しい自然環境に抗う手立ての少なかった昔の遠野の人々にとって物語は生き抜くための手段だったのでは」とあります。喜ばしいことがあっても誰か1人の手柄にせず神様の福とし、悲しいことや葬って忘れ去りたい事も妖怪の仕業としたり。
それらの物語がフルート・チェロ・打楽器・ピアノが紡ぐメロディと役者の歌声に乗って、観ている私の手を引いて遠野へと連れて行くようでした。
そして、「ここには無いもの全てがある」と信じ遠野を出て上京した佐々木喜善の目まぐるしい人生は現代の私たちに「あなたにとって本当に大切な事は何?」と問いかけてきます。
柳田國男そして遠野物語についてほぼ知識が無い状態での鑑賞でした。休憩時間を挟んでの2時間50分の上演時間、美しく、悲しく、暖かく、冷たい、深く濃い時間を過ごしました。
是非是非、多くの方に体験していただきたい作品です。
(おかげさまで、大盛況のうちに幕を下ろすことができました。ありがとうございました。)
THEATRE MOMENTS
調布市せんがわ劇場(東京都)
2017/06/25 (日) ~ 2017/07/02 (日)公演終了
満足度★★★★★
鑑賞日2017/06/25 (日) 16:00
価格2,500円
初めて観る『踏みはずし(Retake)』、3度目の『パニック』。コンクールグランプリ受賞作品を2つ同時に観るなんて、どんな感じなんだろう、とワクワクしつつも少々戸惑いながら劇場に向かう。
そして、この2つを一緒に体験することができて、本当に良かったと思う。
クラッシックだけど前衛的、新しいけどド真ん中。そんな演出が異なる2作品。
『踏みはずし(Retake)』は言葉を発すること、重ねることの意味ってなんだろう。言葉に埋もれながらずっと考えた。
『パニック』は最初「ああ、次はこんな展開になるんだっけ」とこれまで観た回のことを思い出しながら追っていたのが、それもすぐになくなり、それまで体験したことのない気持ち悪さが身体の中から吹き出てくるのを感じた。
どちらも伝えたいことを丁寧に丁寧に隅々まで計算して作った上で、あとは観る側に委ねてくれる感覚が心地よく、そして心もとない。
大逆走
Bunkamura
Bunkamuraシアターコクーン(東京都)
2015/10/09 (金) ~ 2015/10/25 (日)公演終了
満足度★★★
時間を経てまたいつか
「意味なんか無いんだよ。なんでも意味が無いとダメなのか?」と何度もくりかえす登場人物の一人。作品全体のテーマだったと思う。キャストの何人かが今をときめく役者さんなのは素直に嬉しかったが、舞台を長くやってこられた方とのギャップが大きく、別のキャスト、もしくは、また時を経て同じキャスト、での再演も見てみたい。
「生者のための葬儀」「遺すモノ~楢山節考より~」(皆様のおかげで無事に幕を降ろす事が出来ました。ご来場ありがとうございました。)
THEATRE MOMENTS
調布市せんがわ劇場(東京都)
2015/10/15 (木) ~ 2015/10/17 (土)公演終了
満足度★★★★★
どのように生き、死んでいくのか
「生者のための葬儀」「楢山節考」、前者は主人公の若者の視点から描かれた作品で、肉親の死と向き合ったことによって彼の中に生まれたこれからの生き方がテーマ。後者は敢えて書かずとも、とても有名な姥捨(うばすて)の話で主人公は山へ捨てられる本人である老婆。しかし、この2つの作品に共通して流れるテーマは「どのように生き、死んでいくのか」だったと思う。そして2作品同時に見ることによって、このテーマがより鮮明になった気がした。
MOMENTSの舞台は古典でも現代劇でも、いつも「あなたならどう思いますか?」と問いかけられる。今回は、それをいつもより強く感じ、鑑賞後数日、心身ともにグッタリとした疲れが残った。
本当はもっと多くの方に見てほしい作品だが、今回の公演日数が少ないのがとても残念。
幸福な王子(おかげさまで無事に幕を降ろすことが出来ました。皆様のご来場に感謝します。)
せんがわ劇場
調布市せんがわ劇場(東京都)
2014/12/16 (火) ~ 2014/12/22 (月)公演終了
満足度★★★★★
絶望と希望と
幸せ、てなんだろう。自分の幸せ、誰かの幸せ。
人は目先の利益と引き換えに、どれほど多くの物を失うのだろう。
一番最初にこの作品を見た時に無かった、絶望感を今回は覚えました。
そうなる事を知っていたかのような、サンタサプライズ。これが無かったら救われませんでした。
年末の忙しい時期ですが、できるだけ多くの人に見てほしいです。