HATCHの観てきた!クチコミ一覧

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水の駅

水の駅

さいたまゴールド・シアター

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール(埼玉県)

2021/12/19 (日) ~ 2021/12/26 (日)公演終了

実演鑑賞

満足度★★★★★

最終公演に相応しい広い、広いお話でした。
おしまいだけど明日からの飛躍が誰にでもある、そんな希望に満ちた舞台でした。
役柄がお話を紡いでいくより、役者さんの存在がお話を紡いでいる、そんな稀有な舞台だったと思います。
「終わっちゃいましたね」「お疲れ様」とても心地よい最終公演だったと思います。

笑う数学者

笑う数学者

ZIPANGU Stage

萬劇場(東京都)

2016/05/18 (水) ~ 2016/05/22 (日)公演終了

満足度★★★

完成度高いです
流れで書くとしたら今だろうけど書き方難しいなぁww
ホント良くできていてシチュコメに拘らなくてもイメージがどのようなジャンルに分類されようと、この作家さんの作品は安心して見ていられるという確固たるフォーマットを確立されたという点は稀有な劇団と尊敬します
だからか観客席の年齢層が高いことww
さらにお客さんのマナーが良くて、ホントに飲み物を自販機のとこまで行って飲むというお行儀の良さ。こういうとこがこの劇団らしい

(しかし極く私的なことですが)生きてる間にあと何本芝居見られるか数えられる年になってくると、もっと冒険してほしいな「そう来ると思わなかった」というような
加えてジパングの持ち味でキッカリ話を進めてくれる安心感と共に
最近の公演は長く続けてきた実力が安泰感に傾いているようで少し残念

DiEve~死に方ぐらい決めさせろ~

DiEve~死に方ぐらい決めさせろ~

Piece Box

中板橋 新生館スタジオ(東京都)

2013/09/05 (木) ~ 2013/09/08 (日)公演終了

満足度★★★★

惜しい。若さゆえのツメの甘さか
原発爆発を題材に取った、今これを取り上げる危険に挑戦した意欲作。
しかしチラシに劇作家さんが「原発の話をダシとして使っているに過ぎません」と書かざるを得なかったことからも、本人たちもツメの甘さを自覚していたか。

例えばお父さん役が爆発直後に家族に「逃げろ」と電話したのに次に登場したときは「逃げるわけにいかない」と、その間に葛藤があっただろうにそれが見えてこない。この前後のことは観客は承知のことで、どんな葛藤があったか問題提起してほしかった。

モンスターペアレント役は圧巻。実際はもっと迷惑な存在だろうから、もっと大げさでよかった。むしろ1教員に言えば学校の方針が変わると信じている社会性のなさも提示してほしかった。

全体的に抑えたセリフ回しは多様な役、葛藤が並列に進むことを淡々と表現していて好ましい。

チラシに主宰さんが引いた三島の文章からも、この作品は「非日常」が強くなっている今、希望を見せたいという意欲は伝わったが、むしろ「非日常」が続く今、個人において個人の責任で個人の生き方を決めるべきというメッセージが強かった。

役だけの人生がパラレルに進んでいく中、「希望」「調和」へ向かっていくという劇作の趣旨には今一歩及ばなかった気がする。
せっかく今、原発事故を取り上げるという挑戦をしたのだから、それは観客の承知事項として、役だけの葛藤が「希望」「調和」へ向かってほしかった。

せっかくの挑戦、うまい役者さんばかりの中で最後のツメの甘さを感じてしまい実に惜しい公演になった。
私は芝居の感想は良い点しか感じないようにしているが、だからこそもっと良くなるのにと歯噛みする感じで、次回作を期待したい。

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