満足度★★★★★
今までの公演の中で
一番好きかもしれないです。
ネタバレBOX
「喪失」を受け入れるお話だと思いました。
中盤からだんだん物語の全貌が明らかになってきて、先が気になって仕方ありませんでした。劇中の「レベル25」のとき今後を左右する大きな出来事が起こりますが、そこで胸がいっぱいになりました。
すごく高いテンションの部分と、自然なテンションの部分のメリハリがしっかりついていて、見やすく話に引き込まれ……特に最後の高校時代の友達全員集合から「魔王があらわれた」に至るまでは鳥肌がたちました。
一平さんはすごくサチ思いで、前に進むことの大変さをよく知ってるひとなんですね。「前に進まないとダメだよ」とか「ちゃんとやりなよ」とか「がんばれ」とかいう言葉を一言も言わずに、サチに前を向いてほしくてたくさんいろんな言葉をかけたのかなあと思います。
そしてサチには人間らしさのすべてが含まれていたと思います。逃げたくなる気持ちや弱さ、やさしさ、そして最後にはぜんぶを受け止めて乗り越えてしまう強さも。失った人や物はもう帰ってこないけれど、それをどうにか受け入れてなんとか前に進もうとするすごく人間らしくて素敵なお話だと思いました。
満足度★★★★★
一緒に生きるなら・・・
なんだろう。なんだろう。うまく言葉がまとまりません。それほど濃密な90分でした。
ネタバレBOX
「ある意味」とか「お金がないから自由になれない」とか「私は強くない、やせ我慢ができるだけ」とか、全体を通して重要な意味を持つ「やったー」という言葉とか、たくさんの言葉が刺さって通り抜けていった気がします。中でも「あなたがいなくても私は生きていけるけど一緒に生きるならあなたがよかった」という台詞が特に印象に残りました。
金魚さんは今まで若いヒロイン役の印象が強かったんですが今回はお母さん役で、ちゃんとお母さんに見えていたのがすごいです。水越さん演じる主人公・ジョウジの不器用で力強いまっすぐな愛情に対して、金魚さん演じるキョウコの愛情は、すべてを許して包み込むような愛情だったのかなぁと感じました。
三人家族それぞれが家族を大事に思っていたけど、ジョウジにもキョウコにも桜井さん演じる息子のナオキにもダメなところがあって、それが少しずつボタンのかけ違いみたいにずれてしまっていたのかな。すごく人間らしくて悲しくてせつない良いお話でした。
満足度★★★★★
横田さんのではない脚本
野田秀樹さんの脚本だったからなのか、いつもと違う景色が見えたような気がしました。でも、MacGuffinsはMacGuffins。変わらないどころかいつも以上のパワーと緩急で、あっという間の90分でした。
ネタバレBOX
4名の役者と、2つのバケツのような小道具だけで、こんなにも色々な世界や、表現ができるんだと感激しました。前回に引き続き、金魚さんに注目していたのですが、ヒロインらしいヒロインではなく、絶望しながらも世の中の嫌なところに立ち向かう強い女性を演じられていて、役幅の広さに目を見はりました。
満足度★★★★★
すごかったです
知人に誘われて観劇したのですが、終わってみたら知人よりも私の方が興奮していました。今まで見たタイムトラベル・タイムリープものの中で一番よかったです。
ネタバレBOX
本がすてきでした。過去に戻るという設定自体はタイムトラベルもののお約束ですが、そこに「びっくりすると」という制約を足しただけで、ここまで面白くなるのか…と私がびっくりしました。ラストの公園のシーンで曲が流れて、主人公が篠原さんを探すところでじーんとしてしまって。映像も曲もよかったです。
ハイテンションでまくしたてるようなセリフ回しやオーバーで時々意味不明なリアクションも不思議とすんなり受け入れることができて、それはどうしてなんだろうなとずっと考えていたのですが、あれだけ派手に動いても、動きと感情はちゃんとシンクロしていたのだろうなと思います。
出演者の中では金魚さんが良かったです。主人公のキャラクターだけでなく、芝居の持つ空気感を全部コントロールしていたように見えました。