Pepperの観たい！クチコミ一覧

期待度♪♪♪♪♪

永妻＋橋本＝驚き＋輝き＋深いペーソス＝人間への限りない愛
　永妻＋橋本の公演は、Moratorium Pants第6回公演「あなたがもしもを選んだあとで」2014年5月16日（金）～5月28日（水）@新宿眼科画廊地下 を見た．しかしさらにその前に、永妻の主宰する劇団appleAppleの公演で橋本がきわめて存在感のある役を演じた「French Toast的、失踪」2013/11/15(金)～2013/11/17(日)@調布市せんがわ劇場 を１日に２回見た．
　そのどちらの場合も橋本は、複雑な重層構造と深い意味を有する永妻の芝居に、的確でスピードに満ちた動きと幅のある声とによって、生き生きとした輝きを与えて客席に投げかける．永妻の芝居は、橋本の演技によって、さらに新たな光を与えられ、これまでにも増した輝きを放ち始める．その時、永妻の芝居が深層にたたえる人間への限りない愛も、表層に向かってじょじょに浮上し始める．それは大きな驚きであり、だからこそ、永妻＋橋本から目を離すことができない．

期待度♪♪♪♪♪

真剣勝負で観る
　この劇団の作品は，極端に虚構的な構成と自由で象徴性の高い個性的な道具使いを備えながら，常に，観る人の心に染み込んでくるような独特のリアリティを有している．そのため，どれも深い印象を残し，それがいつまでも消えない．
　またこの劇団の複数の作品の間には，いくつかのモチーフが複雑に循環していることがある．今回の舞台となる「ホテル」は，2010年の秀作「オドル」でも登場している．ホテルとは，多様で個別な背景を持つ未知の人たちを出会わせ，そこに新たな意味を生じさせる空間である．だからこそ，ホテルやホテリエは，作品にさまざまな意味を与え得る．今回，それらはどういう存在として描かれ，どう機能するのか，それは「オドル」の時とはどう異なるのか…じつに楽しみである．
　だから今回も，私は真剣勝負で観るつもりでいる．