
第41回公演『テセウスの宇宙船』 第42回公演 『果てなしランデブー』
たすいち
スタジオ空洞(東京都)
2025/11/08 (土) ~ 2025/11/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/11/10 (月) 14:00
【テセウスの宇宙船】
懇意な知人たちが「どこか違う」ように感じ始めた主人公の顛末、一言で表現すれば「ハートウォーミングなボディ・スナッチャー」で、ちゃんとSFでちゃんとたすいち。
コミカルな表現の中に主人公の不安を描き「果たして真相は?」と観客に思わせるのが巧み
また、冒頭の会話の中の問いかけに「もしや自己アイデンティティがテーマ?(←これもたすいちは得意だし)」と思ったが、それが全編を通して通奏低音のように流れているような気もした。

雷ノ鳥
劇団カルタ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/11/07 (金) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/11/09 (日) 12:00
凝ったツクリの犯罪サスペンス。が、事情が入り組んでいる上に登場人物も多いのでワカり難い憾みアリ。
その一方、映像作品のように短いカット/場を積み重ねるスタイルを可動式の重厚そうな2枚のドアとテーブル・椅子を駆使してスムーズに見せる手法が見事。(映画「ア・フュー・グッドメン」の原作舞台を想起)
あ、でも座り芝居が少なからずあるのに客席の勾配が緩いのは不親切……ってか配慮不足かもなぁ。

楽屋 -流れ去るものはやがてなつかしき-
あサルとピストル
新中野ワニズホール ( Waniz Hall )(東京都)
2025/11/07 (金) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/11/08 (土) 13:00
通算9回目(今年2回目)となる本作、やはり古典/スタンダードな作品は解釈/演出により様々に変化するのが面白い。
まずは装置、あちこちに蜘蛛の巣がはっていてまるで「お化け屋敷」の如し。
内容を知っている身としてワカらなくもないが「それはやりすぎでは?」との感も。とはいえ「現実世界の人物には見えないもの」と解釈すればアリか(笑)。
また、最終場面で「喝采」を流すのはウケるし納得♪
それにしても本作、舞台に賭ける役者の執念を描いているだけに出演者は少なからず身につまされるのではあるまいか? 今作でも女優Cの前園さんを筆頭に演技に迫力(!)があって見事。
そんなことから小劇場系の女優4人が「楽屋」の役を取り合う二次創作「楽屋のジジョウ(←事情/二乗のダブルミーニング)」を思いついた(爆)。
ちなみにあの翌日「ウチのカミさんが学生時代に演劇部でニーナを演じたそうなんですがねぇ」などと言いながらヨレヨレのコートを羽織った中年刑事が女優Cを訪れる「続・楽屋」は以前思いついていたが
もしやこれって世代限定ネタ?(汗)

エキセントリックプラネットモデル
あひるなんちゃら
駅前劇場(東京都)
2025/11/06 (木) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/11/07 (金) 14:30
エラく久しぶりに観たが「ちゃんと嚙み合って成立しているがどこかズレているような気がしてならない」会話の可笑しさが絶妙。そして基本的には日常的だがブッ跳んだ設定がコソッと(?)入っているのも面白い。
なお、ペットの「あひる」を見た時に「そういう見せ方なのか実は人間なのか?」と疑ったのは最近観た「あの芝居」のせいだ(笑)。

『眼球綺譚/再生』
idenshi195
パフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』(東京都)
2025/10/29 (水) ~ 2025/11/09 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/11/06 (木) 15:00
新宿眼科画廊での初演以来7年ぶり。
初演時同様「声による四重奏」な印象だが、終演後に高橋主宰から「配役」を伝えられて大いに納得(そうだったのか!的な)。
また、最近観た複数の映画やドラマに本作の猟奇的な場面と通ずるものがあったが、初演時はそういう記憶がなく漠然と不安を感じたりも。

リヒテンゲールと二つ国の詩
Jungle Bell Theater
萬劇場(東京都)
2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/11/02 (日) 14:00
2日昼に【チーズチーム】、3日昼に【野イチゴチーム】を観劇。
魔女の策略により対立が続いている鳥の国と猫の国の和平会議を決裂させるよう遣わされた魔女の配下とたまたま宿をとった魔女を倒す旅をしている者たちが織りなす物語。
ある意味少年ジャンプ的とも言える笑いと感動を仕込んだ王道勧善懲悪ストーリーがよくできているだけでなく、それが「もう一つの物語」に包まれている層構造で終盤にはメタフィクション的な展開もあるという凝ったもの。
さらにそこに昨今の風潮に警鐘となる要素も加えて見事。
また、鳥や猫をはじめとした様々な動物をモチーフにした衣装・メイクや動作の表現も巧みで大いに満足♪
なお「当日パンフレットの配役表示が役名と俳優名を併記するだけで役の説明がないのでどれが誰だかわからないのが難点、今後の改善を望みたい」との旨を Twitter/X に投稿したら後日、役に動物を書き加えた画像をアップしていただけた。感謝♪
こういう細やかさも30年の蓄積によるものか。
あと、クライマックスの「あの場面」で「デ、デカルチャー!」と思ったのはσ(^-^) だけではあるまい。また、Tツノコプロの複数のアニメキャラを連想した方はおナカマです。(笑)

IN THE WOODS
Oi-SCALE
駅前劇場(東京都)
2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/11/01 (土) 14:00
キャンプ場の夜、焚火を囲んだ人々が入れ替わりつつ交わす会話。
対面客席で最後列からも演技エリアが近いことやリアリティの溢れる舞台美術から観客もその場に居合わせているよう、というのが奇しくもほぼ同じ公演期間で上演されているエンニュイ「かえるまで、が。」と通ずるモノがある(小劇場シンクロニシティ)が、本作はやがて不穏/不安な空気が漂い始めて怪談じみてくるのが相違点。
そしてそんな終盤に「ある文学作品」を連想した旨を終演後に林主宰に伝えたら特別席特典のパンフレットにはまさにその作品との関係が掲載されているとのことでアタリ♪
そりゃあその文学作品が好きな身にとって響くワケだ。
そんなこんなでいかにも Oi-SCALE らしい一作で満足。

人のいぬ山
発条ロールシアター
中野スタジオあくとれ(東京都)
2025/10/31 (金) ~ 2025/11/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/31 (金) 19:00
雷雨に遭いたまたまあった小屋(?)に避難した登山客たちと山に住んでいる者の一夜の物語。コンプレックスを持った面々がそれを克服してゆく優しい話……と思いきや終盤で現代社会の闇(?)をチラリと、的な
そして「舞台表現だからああだが劇中世界ではアレ」という「お約束」を逆手に取った「そのまんまかい!」な手法にしてやられる。その「騙された快感」も楽しからずや。

マクベス - その名に惑わされた男 -
劇団天動虫
シアター711(東京都)
2025/10/29 (水) ~ 2025/11/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/29 (水) 14:00
マクベスというのは魔女の言葉を信じて分不相応な野望を抱いた男の自業自得な話では?と思っていたが、本作ではマクダフをフィーチャーしており「そうか、マクダフにとっての悲劇なのか」という気付きがあった。
夏に観た OuBaiTo-Ri版で「小心者マクベスの自滅」面が強調されていたのと好対照で、古典というのは演出/解釈によって印象が様々に変わるのが面白い。
で、歌って踊る最終場にマクダフだけが登場しないことにノーマン・ジュイソン監督「ジーザス・クライスト・スーパースター(1973年)」の「ヨハネ伝第19章41節(エピローグ)」からの連想でマクダフの身を案じてしまう。自死まではいかずとも失踪したりしていないよね?(笑)

かえるまで、が。
エンニュイ
SCOOL(東京都)
2025/10/28 (火) ~ 2025/11/03 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/29 (水) 13:00
2021年2月から2022年7月まで「叩き続け」た「無表情な日常、感情的な毎秒」の一環として2022年2月に上演された(かつ一連のなかでは異色だった)ものの改訂版。
店長の葬儀に参列した元バイト2名、現役バイト1名と、参列できず居酒屋を営業していたバイト2名(+謎の1名(笑))による会話劇。
初演同様、交わされる会話にしても照明にしても深夜~未明の居酒屋そのもので上演中はこの空間だけ時空を超えたようなリアルさで、初演の95分に対して135分と大幅増の上演時間は確かに長いがその臨場感ゆえ飽くことなく観ていられる(個人差はあります)のがフシギ。何なんだこの脚本・演出・演技は!(もちろん褒めてる)
また、2022年7月版から加わった、演者たちに(時には観客にも(笑))ツッ込んだりする「遊撃」ポジションのあの役はもしや「あの居酒屋の地縛霊」では?などと考えるのも一興。

擬古典落語の夕べ11
みさち堂
座・高円寺2(東京都)
2025/10/27 (月) ~ 2025/10/27 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
CoRich舞台芸術!の公演情報で見かけ興味をひかれて観劇(?)。
擬古典落語とは「古典落語の世界観を借りた新作落語」との由でカール・ブッセの「山のあなた」(授業中)やニコンのカメラ(空海の棺)などが出てくるいわゆる「新作落語」とは趣を異にし予備知識なしに聴いたら古典落語と信じて疑わない出来栄え。
そうして披露された五席(前座噺は演者の言によると古典とのこと)は滑稽噺に人情噺(ってか美談系?)も加えて「なるほど古典だわ」と頷くことしきり。
十数年(or more)ぶりとなる生の落語、楽しかった♪

不愉快犯~別府三億円保険金殺人事件~
ハルベリーオフィス
小劇場B1(東京都)
2025/10/22 (水) ~ 2025/10/26 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/10/26 (日) 13:00
1974年に起きた別府3億円保険金殺人事件をモデルにしたフィクション。大半は法廷場面で、状況証拠だけの検察側と証人の証言の信憑性を揺るがそうとする弁護側の攻防がスリリング。
被告人と検察側・弁護側各2名は固定だが証人役は廷吏役がその都度演じるという「いかにも舞台演劇」な手法も面白く、さらに被告人がそれ以前も含めて罪を重ねることで「権力にたてつく」理由が戦時中に特攻隊員として国のために死んでゆく同僚を見てきたからということに考えさせられる。
充実した110分に満足。
そうそう、時折入る緊張を緩和させる笑える部分の配分も巧かったな。

かもめ
OuBaiTo-Ri
目黒CLEOスタジオ(東京都)
2025/10/24 (金) ~ 2025/10/29 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/24 (金) 14:00
オクムラ宅(2011年:ゆうど)、アロッタファジャイナ(2014年:ギャラリーLE DECO) に次いで3度目。古参劇団がお堅く上演するイメージの作品だが、σ(^-^) が観た3団体はいずれも工夫を凝らしていて小劇場の意気を見せつける、的な?
今回は登場人物のややこしい関係性を解りやすくすべく相関図を当日パンフレットに載せ冒頭で改めて説明することに加えて序盤での会話で(その場にいない)登場人物について話す時に演技エリアを囲む椅子に待機している出演者に目をむける演出により「それって誰?」になるリスクを減らすという。こういう観客寄りの心遣いがありがたい。
そんなこんなを経て迎えた最終場、アロッタファジャイナ版で気付いた「ある解釈(ネタバレBOXへ)」の証明を試みたがやはり無理があった。いやまぁ、そういう見方もできないことはないのだけれど(笑)。
最後に世代限定ネタを。
「かもめ」と言えばテレシコワ。
「ニーナ」と言えば沢田研二。

3人歌姫物語
四宮由佳プロデュース
サンモールスタジオ(東京都)
2025/10/15 (水) ~ 2025/10/20 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/19 (日) 13:00
結成から25年を経てまだライブ活動を続けている3人組(元?)アイドルグループに縁あってテレビの音楽番組出演の話が舞い込むが……な物語。
彼女たちを20年以上追い続けている追っかけトリオに、考えてみればよく存じている(そして意外な顔合わせの)お二方を初めて観てから20年以上経つ我が身を重ね合わせて決して他人事でなない、的な(笑)。
あと、あの方々がアイドルっぽく歌って踊る(しかもサマになっている)のも意外!(真顔)

全速全進!
劇想からまわりえっちゃん
インディペンデントシアターOji(東京都)
2025/10/16 (木) ~ 2025/10/20 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
漠然と「システム化された現代の海賊界に身を投じた主人公が野生に目覚めてゆく話」を予期していたらほぼハズレ(笑)、スティーヴンスン「宝島」に出てくるような「いわゆる海賊」でこれはこれで楽しい。
そしてそんな海賊たちが(現代だけに)スマートフォンで連絡をとったりするのが「いかにもフィクション」な感じで楽しいし、登場人物たちが「キャラクター見本市」のようで愉快。
また、時折挟まれる歌(オリジナル)とダンスの場面も佳き♪

白貝
やみ・あがりシアター
浅草九劇(東京都)
2025/10/08 (水) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/16 (木) 14:00
登山中に行方不明になった会社社長。彼女と一緒にいたのを目撃された人物から関係者たちは何とか当時の状況を聞き出そうとするが……なサスペンス(?)。
聞き出すためのあの手この手で笑わせつつ、終盤で明らかになる真相が鮮やかなだけでなく最終場での「もはやスリラー」なもう一つの真相は筆舌に尽くし難い。
また「墓場まで持って行くべき秘密」という本編のテーマに因んで作品と観客との関係においても「言ったり書いたりしてはならない事」を共有するのがまた巧み。
なお、冒頭でかたく口止めされる「あの言葉」を終演後にweb検索するのも一興(オススメ)。
【オマケ】
「白貝」とかけて、北島康介と解く。
その心は……(皆さんお察しの通り)「なんも言えねー」。

砂時計が落ちきる前に
ポップンマッシュルームチキン野郎
ステージカフェ下北沢亭(東京都)
2025/10/09 (木) ~ 2025/10/19 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/15 (水) 14:00
介護施設暮らしの男が突然に七夕の前日を繰り返し体験するようになり、SF好きの娘婿と共にループから抜け出そうとするタイムループコメディ。
同じ日を繰り返す表現が次第に加速してゆく見せ方やループの理由など「基本に忠実」で手堅い一方、あて書き(&本人希望?(←カーテンコールでの挨拶より))な人物設定はまさしくPMC野郎そのもので、先代の精神/作風をきちんと継承していることに感動。
いやしかし前日に観た映画で印象的に使われていた「あの歌」が本作でも使われるとは……(笑)

銀幕狂想曲
劇団S.W.A.T!
新宿シアタートップス(東京都)
2025/10/09 (木) ~ 2025/10/14 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/13 (月) 17:00
映画スターを目指して大部屋俳優となった男が殺陣師から資質を見出され……という本作の疑闘を担当している西本良治郎氏をモデルにした映画界バックステージコメディ。
主に描かれるのが昭和40年代なので当時の映画・テレビ、俳優、流行などをリアルタイムで経験していた身として元ネタがほとんどワカって大ウケ。
また、四大海主宰の映画愛が溢れかえっており終盤で登場人物一人一人が主人公に言葉を寄せる場面やそこでの「フィルムからビデオに代わっていって」というフレーズに目が潤みそうになる。
いいモン視たなぁ♪

∞人姉妹/夜を泳ぐ
アムリタ
早稲田小劇場どらま館(東京都)
2025/10/11 (土) ~ 2025/10/13 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/13 (月) 13:00
あれこれでくたびれたオトナのためのメルヒェン/ファンタジーから壮大なSFに変貌してゆくとはオドロキ。
個人的なものではあるがアムリタに抱いていたイメージを残しつつさらなる進化を遂げたいわば「シン・アムリタ」?(笑)
また、会場の演技エリアと客席を通常と逆に使い、冒頭で普段はオペレーションエリアであろう入口上部に人物を登場させたり入口を時に出ハケ口、時に採光に使ったりしたのもなるほど納得。

『ストーリーズ』-短編物語選集-2025
楽園王
GALLERY LIPP(東京都)
2025/10/08 (水) ~ 2025/10/12 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/10/12 (日) 15:15
【PROGRAM1】
1編目の長堀主宰による二人芝居はパラレルワールド系も好きな身として頬が弛む(小松左京「こちらニッポン…」も連想)。「12月のカレンダーをめくる」という表現から瞬間的に予期したものがアタリでニヤリとしたりも。
2編目は新美南吉作品の朗読劇。楽園王ではお馴染みの(だよね?)演技エリア内を歩き回りながら読み終えたテキストを床に散らかす(笑)スタイルだが、会場の広さゆえ数行にわたるものからキメとなる文節一つだけ(←フォントが大きい)のものまで異なるテキストが見えて膝を叩く。よもや意識した演出?
3編目は岸田國士「紙風船」。前日の岸田作品同様、クラシカルとモダンの融合もさることながら、序盤の二人が背中合わせとは!