タコパ!
ペテカン
上野ストアハウス(東京都)
2024/08/30 (金) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/30 (金) 14:00
濱田さんの作・演出だが「ペテカンど真ん中」と言おうか「ペテカンnow」と言おうかまさしくペテカン作品。そしてペテカンとしての「ある想い」がダダ漏れどころか溢れまくっていてファンとしてとても嬉しい。
そして登場して間もなく「そういう業界の人」とワカるが途中で豹変する長峰さん、ノリノリの四條さんを筆頭にメンバーそれぞれ見せ場/見せどころがあるのもイイ。いやぁ、シアワセなひと時だったなぁ♪
娘が嫁ぐ日
Kトゥエンティワン
シアター711(東京都)
2024/08/28 (水) ~ 2024/09/01 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/29 (木) 14:30
両親(と叔父夫妻)に娘(姪)が結婚を前提に交際していると紹介した相手は20歳以上年上の会社経営の金髪男で……という状況から始まるウェルメイドな「ホームドラマ」。
当然の如く(セオリー通りとも言う(笑))両親は反対して当事者はパニックに陥るが叔父夫妻・娘の親友・保険外交員・興信所職員といった「やや距離を置いて事態を客観的に見ることができる人物」の配置が絶妙で、彼らの助言や直訴(?)などによって事態が好転して行くのがイイ。
また、主な舞台となる石川家のリビングとその奥の廊下を入口の「枠」だけで表現し、時として下手の一部分を階下の叔父夫妻の家として使い、それ以外の「外」の場面を客席との間で表す装置/照明効果と演出も「いかにも舞台演劇」で◎。
4rooms~四谷四丁目編~
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2024/08/21 (水) ~ 2024/08/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/25 (日) 14:00
4つの団体によるあるマンションでの同じ時間に起こった異なる部屋での出来事を描いた短編オムニバス。各編それぞれ味わいや構成に個性がありショーケース公演のお手本、みたいな?
芝居企画TECALL「私の部屋なんですけど。」
中心となる一組の男女と「あの存在はもしや……」な人物(?)でツカミはオッケー、その後の展開も楽しい。「その部屋を事故物件にした地縛霊」というモチーフは半月前にも観ており #小劇場シンクロニシティ もアリ。
酒井謙輔プロデュース「夏のカニカマ」
突然訪れた妹に何かを隠そうとする兄とその友人、というシチュエーションコメディ的な一編。「なぁんだ、そんなことか」なオチまで上手く引っ張る。
The Stone Age「ネズミに引かれないでね」
飼っていたインコが逃げてしまい会社も休み「業者」に捜索を依頼する主人公の背後に「都会の孤独」を察するがどこか優しくあたたかい雰囲気に癒される。
Sun-mallstudio produce「谷崎家の一族」
「冥婚・アニメ・ビットコイン」という意外な取り合わせの「三題噺」。冥婚を中心に展開して「そっち系」と思わせておいての意外なオチが鮮やか。
『牢獄の森』『うれしい悲鳴』
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/08/17 (土) ~ 2024/08/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/21 (水) 13:00
【牢獄の森】
近未来の「ある状況」を描いたという共通点はあるが前日観た「うれしい悲鳴」の「王道アマヤドリ」に対してこちらは「令和のアマヤドリ」か?(笑)
あらすじから予期した通りの重めの会話劇ながら程よく笑える部分を挟むのが上手い。
終盤で明かされる「衝撃の事実」について「あ、やっぱり!」だったのは「あっち側の人」は考えるよねぇ、であり、もしかしてσ(^-^) の考え方も「あっち側」寄りだったからか?(汗)
それにしても本作もうれしい悲鳴 も「国が決めた政策/制度により迫害される(?)一般市民」を描いており、妙なリアリティを感じるって「ヤな渡世だなぁ」(真顔)。
『牢獄の森』『うれしい悲鳴』
アマヤドリ
吉祥寺シアター(東京都)
2024/08/17 (土) ~ 2024/08/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/20 (火) 13:00
【うれしい悲鳴】
冒頭のムーブメントから「そうそう、アマヤドリ/ひょっとこ乱舞ってコレだよねぇ♪」とニンマリ。
そこから始まる物語は「変化球系広田作品」ど真ん中。
で、初演・再演を観た時には「完全な架空」だったこの作品が今観ると現実を想起させることにトリハダ。
また、今回はよく存じている方は6人だけであとはあまり馴染みのない方々だったがそれぞれ「アマヤドリキャラ」になりきっていて演出(と各人の演技)による「劇団カラー」の表現に舌を巻く。
あと、政変といえばやっぱり雪だよねぇ。(笑)
ゴシック
風雷紡
小劇場 楽園(東京都)
2024/08/14 (水) ~ 2024/08/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/15 (木) 14:00
久しぶりの民俗学系奇譚は明治時代、因習に基づく「最後の儀式」を執り行う一族の物語。
「あの当時」の「旧家ならでは」(←個人的イメージ)のしがらみを描いてからの「御山入り」場面は圧巻。時空が歪んだり人物が別人格になったり心霊系とはまた異なる納涼風味、今の時期に相応しい一編。
なお「御山入り」場面に「八つ墓村」の洞窟シーンを想起。アレをこの会場で見せるとは恐れ入りました。
雑種 小夜の月
あやめ十八番
座・高円寺1(東京都)
2024/08/10 (土) ~ 2024/08/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/14 (水) 13:30
8年ぶりとなる「団子屋シリーズ」第3作。劇中時間も8年を経て、演じるレギュラーの三姉妹と母も実生活の8年の経験を役に乗せて演じており役の説得力(というか実在感?)が見事。
そしてメイン舞台の白っぽい木目の印象もあろうが木目の優しさ・暖かさに通ずる作風に癒される、
さらに母の過去を(も)描くのは「いかにもシリーズ第3作」だし、冒頭場面や中盤のアレなど今の時期にピッタリなのも巧い。
また、ファゴット(!)も加えて効果音もこなす4人の楽器隊の生演奏も言わずもがなだし、贅沢な時を過ごせて満足。
トーキョー
sleepwalk [スリープウォーク]
イズモギャラリー(東京都)
2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/12 (月) 13:00
かつて家庭教師とその教え子だった男女ともう1人(1体?)による会話劇。
その部屋の地縛霊(自称座敷わらし(笑))は「負け組」の人にしか見えないという設定が巧みではじめは見えていたのに見えにくくなるとかその逆とか、人物の立場(というより心情?)を上手く表現していたと思う。
また、その地縛霊/座敷わらしは怨念とか未練のカタマリの筈なのにそれよりも哀しみとそれに基づく優しさを感じられたのは河西さんの持つ優しさの顕れか?
針の目
のびる
APOCシアター(東京都)
2024/08/11 (日) ~ 2024/08/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/11 (日) 13:00
小学生時代に通っていた塾の女性講師のハラスメントをうまくかわしてきた二人が同窓会的な行事で再会し、な二人芝居。前日に観た某作品とカタチは違えど不穏な空気満載なのは共通で、恐怖とは違うがこういう「ゾクッとする」物語も夏の風物詩かもなぁ、などと思う。
終盤の「あの顛末」は「どっちもどっち」なんだが、子供時代に双方それぞれに近いことをした記憶が蘇って古傷をえぐられるような気もしたり。ヤだなぁ。(笑)
なお、今回は断念した「幻の反転バージョン」、いつの日か実現することを切に願う。
ミセスフィクションズのファッションウィーク
Mrs.fictions
駅前劇場(東京都)
2024/08/08 (木) ~ 2024/08/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/10 (土) 13:00
初デートに臨むオンナのコの心情を「演劇的手法」で表現(現在公開中の某CGアニメーション映画も想起)したなかないで毒きのこちゃん、道徳観念がズレた世界を描いた日本のラジオ、某特撮ヒーローものオマージュ(なのか?(笑))のMrs.fictionsと、各団体の特質を前面に押し出した短編オムニバス。各編のタイトルと団体名を表示する「あれ」もテーマにちなんでナイスアイデア。
真・バトルサウナー城崎
レティクル座
王子小劇場(東京都)
2024/08/07 (水) ~ 2024/08/12 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/08/06 (火) 13:00
カンフー映画を想起させる流れに後半から鳥山明風味が加わり更にハリウッドのSFスペクタクルまで、という娯楽要素の盛り合わせをサウナを舞台に繰り広げるという具沢山なツクリ。
それでいてシンプルながらちゃんとサウナに見える舞台美術や「火」の表現、タオルパフォーマンスに「あの着ぐるみ(なのか?)」など「芸術点」も高く、多彩で的確なキャスティング。キレイに一本取られた感じ。
『本棚より幾つか、』-短編演劇祭-
楽園王
新宿眼科画廊(東京都)
2024/08/02 (金) ~ 2024/08/06 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/05 (月) 15:00
【Bプログラム】
「赤い靴」は掛け合い漫才のような軽妙なやり取りが独特で他団体のために書き下ろすとテイストが異なるのかと思ったが終盤からオチにかけてはやはり長堀作品(笑)。その前日譚「アオイハル」はあれこれ「あ、なるほど」的な。(笑)
ラストを飾る「紙風船」は衣装や会場の持つイメージや途中で流れる「ボレロ」(←これがまた効果的)などにより今まで観てきた「和風」な印象と異なる「洋風」。夫婦が背中合わせに座るのは内心に秘めたベクトルの視覚化か?とも。
『本棚より幾つか、』-短編演劇祭-
楽園王
新宿眼科画廊(東京都)
2024/08/02 (金) ~ 2024/08/06 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/04 (日) 17:00
【特別プログラム】
テキスト散らかし型リーディング2篇。「お国と五平」は以前にも観たが今回男二人が形は違えど「純真」であり、それに対してお国が強かだと気付く。さらに終演後に長堀主宰から原作とのラストの違いを伺い大いに得心。
「華燭」の原作は小説だそうだがほぼ全編が披露宴での祝辞なのでリーディングにはうってつけ。特定の単語を誇張したりしつつ次第に熱を帯びてくるスピーチ(奥村さんの熱演たるや!)が笑いを誘う。
ところで「お国と五平」劇中で流れたベートーヴェンの交響曲第7番第2楽章をアレンジした歌は何???(検索してもヒットせず)
また、「楽園王と言えば」な(笑)句読点ずらしというのは音楽に喩えれば変拍子のようなものではないか?と長年観ていながら初めて思った。
『本棚より幾つか、』-短編演劇祭-
楽園王
新宿眼科画廊(東京都)
2024/08/02 (金) ~ 2024/08/06 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/08/02 (金) 15:00
【Aプログラム】
オリジナルの「序章(第十一夜的な?)」に続く「夢十夜」より(第一夜)は下げられた2枚のロールスクリーンで視界が遮られるが壁やスクリーンに映る影で演技が「見える」のがステキ。
リーディング系の「よだかの星」は読み終えたテキストを床に落として行く得意の(?)スタイルだが時として墨書をしたりするのがアクセントとなり面白い。
「風」は以前サブテレニアンで観た記憶もあったが、今回は「風(役名)」が冒頭の「夢十夜・序章」と対を為すようで短編集としての構成の妙を感じた。
愚者と星と死神についてのいくつかの考察
feblaboプロデュース
エビスSTARバー(東京都)
2024/07/24 (水) ~ 2024/07/29 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/29 (月) 14:00
奇しくもこの週2本目の「占い師もの」だがこちらはタロットだし相談者の数が少なくその背景的なものに重点を置いているし当然ながら味わいは全く異なる。
それにしても「お悩み相談系」が相次ぐのは混迷したイマの世の中の象徴か?
青春の価値 プリズムエモーション
劇想からまわりえっちゃん
Studio twl(東京都)
2024/07/26 (金) ~ 2024/07/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/28 (日) 12:00
女子高生生たちやその親などを通して描く「青春とはなんだ」(← not 石原慎太郎)的な一編。
観ながら「青春というのは若者限定ではないよなぁ」と思ったが、考えてみれば十五周年を迎えてもこういう青臭い(←貶す意図はない、どころかむしろ褒めているつもり)作品を上演するこの団体がそれを体現しているのではないか?と気付く。アッパレ、このまま突き進め!
かわいいチャージ’24
人間嫌い
シアター711(東京都)
2024/07/24 (水) ~ 2024/07/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/26 (金) 14:00
メイドカフェを舞台にその従業員と関係者による「かわいい論」または「かわいいに関する哲学」。
肯定的な見方、懐疑的な見方のほかにビジネスとして割り切った見方など様々で観客それぞれ共感/感情移入する人物が異なりそう。その「客観的/多角的な描き方」が見事で演を重ねていることに納得。
べらんだぁ占い師シゲ子
四宮由佳プロデュース
新宿スターフィールド(東京都)
2024/07/23 (火) ~ 2024/07/28 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/25 (木) 14:00
相手に触れることで内面の悩みを察知できる能力者によるお悩み解決譚。短編連作風のエピソードの羅列になった憾みが無きにしも非ずだが、「よろしかったでしょうか」「~の方(ほう)」「~になります」などのおかしな日本語表現を強いられる接客担当を筆頭に各人の悩みが現代社会の理不尽さを的確に描いており共感したり納得したり。
また、シゲ子が急に能力を失って慌てる続編を勝手に妄想。
夏砂に描いた
πTOKYO 夏の朗読祭り
πTOKYO(東京都)
2024/07/16 (火) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/21 (日) 14:00
時期の異なる2つの「夏の出逢い」を軸にしたファンタジー。進むにつれて次第に明かされる関係性が巧いし最終場面がずっと先なのもステキ。
また、観ながら「これって舞台化できるのか?」と考えて改めて「朗読劇」と「戯曲のリーディング公演」の違いに築く。
朗読劇って極めて映像的で「舞台化」はできないのではないかしら?
ナイトーシンジュク・トラップホール
ムシラセ
新宿シアタートップス(東京都)
2024/07/16 (火) ~ 2024/07/21 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/07/19 (金) 14:00
江戸の浮世絵師、戯作者たちとイマの融合。江戸にイマのあれこれが紛れ込んだのか江戸の人物がイマにタイムスリップしたのか?と思いながら観ていたがアレだ、江戸の人物のクローンが現代で漫画を描いている、的な?
そして、人物(及び風俗?)の活かし方/使い方の鮮やかで、改めて当時と今の共通性に気付かされる。
あと、ラストシーンも良かった。他の劇場で同趣向を観たことはあるがここでは初めてかも?