
青春のプロ
ライオン・パーマ
インディペンデントシアターOji(東京都)
2012/01/26 (木) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★
三題噺風?
「どう繋がるの?」な3本の流れがやがて1つにまとまりクライマックスを迎えるツクリは三題噺の如く巧み。
がしかし、その構造ゆえ前半に冗長な感がないでもない。
一方、「なワケねーだろ!」までは踏み外さずギリギリ「芝居のウソ」の許容範囲にとどめる(←個人の感想です)匙加減が絶妙。

カップルズ
鵺的(ぬえてき)
「劇」小劇場(東京都)
2012/01/27 (金) ~ 2012/01/31 (火)公演終了
満足度★★★★
鵺的としては異色作?
「変態大行進」(爆)との事前情報の割にはかなりノーマルで、ややヘンだが極めて「正直な」男女8人の物語。
濃厚に「死」のイメージが漂った前作に対して「セックス(=生)」を主題にしただけでなく、場所の設定・装置などことごとく対照的で、ついつい頬が緩んでしまうことも含めて鵺的としては異色作か?(笑)

太陽は僕の敵
シベリア少女鉄道
座・高円寺1(東京都)
2012/01/25 (水) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤の「驚愕の展開」はトドメ?
アイドリング!!!の大川藍に「いかにもアイドルな演技」をさせるなど意図的にわざとらしく(学芸会ノリに?)した、女優のみ出演のメインパートだけでも愉快なのにそれが実は…な終盤の「驚愕の展開」とそのバカバカしさたるや…もうトドメ?(笑)

乱歩の恋文
てがみ座
シアタートラム(東京都)
2012/01/26 (木) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★★
広いステージでも遜色なく再現
乱歩の作品世界のような導入部と全体構造で語る妻の目を通した江戸川乱歩の半生・作家としての苦悩。
中学生時代に乱歩を読み漁った身としてちりばめられた乱歩作品の断片も読み取れて嬉しい…という感想を抱いた初演がこの大きなステージでも遜色なく再現されて至福。

白夜王アムンゼン【観客動員数1000人突破!】
劇団バッコスの祭
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2012/01/25 (水) ~ 2012/01/30 (月)公演終了
総論賛成各論反対?
少年ジャンプのノリにも通ずるファンタジー気味な冒険譚であるストーリー自体は悪くないし、犬やペンギンの擬人化(←当日パンフでワカるのでネタバレではないと判断)はむしろ楽しくて好きである。
がしかし、当日パンフで「史実とは異なる設定があります」と断っていてもここまで荒唐無稽なハナシの主人公にロアール・アムンゼンを名乗らせるのはいかがなものか?
まぁ、平井太郎が活躍してしまうような(笑)芝居もあるのでそこは譲るとしても、遭難死した(←これも当日パンフでワカる)先代隊長の名前を「フリジョフ・ナンセン」にすべきではないと考える。悪質な妨害(詳細はネタバレにつき略)をする英国隊の隊長がスコットではないのだから。
さらに、アムンゼン達の支援者である裕福な婦人が「ヤバい」なんて口走るのはそれこそヤバいだろう。
ついでに言えば英国隊の隊長が口にする「とんでもありません」は間違った丁寧語とされており、モノ書きには使って欲しくないなぁ。
かくて評価悩んだ結果は「評価不能」。決して「星無し」ではない。
蛇足ながら『白夜王アムンゼン』というタイトルなら「史実に基づいたフィクション」の域にとどめるべきで、この内容なら主人公の名前(やタイトル)を「アムンドン」「トムンゼン」など似て非なるものにすべきだったのではあるまいか?(余計な世話だ)

ヌード・マウス
Théâtre des Annales
赤坂RED/THEATER(東京都)
2012/01/24 (火) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★★
いかにも谷賢一作品
ベースとなる題材が脳科学だけに序盤は理系で硬質な印象(装置や照明もそれに輪をかける)だが、物語が進むにつれて「家族」や「人と人とのつながり」「愛」などの主題が浮き上がってきてあたたかい感じに変容する。この味わいはまさに谷賢一作品、的な?

ネガヒーロー
プロペラ犬
CBGKシブゲキ!!(東京都)
2012/01/20 (金) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★
温かく見守りたい
どちらかと言えば長編コントに近く、そのユルさ・ヌルさはキラいではない、どころかむしろ好きなんだが、それで135分はちょっと…。
特に序盤のエピソードがほとんど活きていないのが残念で、全体の構成が上手くないなぁ、と思っていたら、脚本は水野美紀自身だったのね。(←事前に見ておかなかった)
本作は水野美紀の脚本家兼任へ向けての「習作」と割り切って「温かく見守る」というのが正しい受け止め方であろう。←贔屓目丸出し(爆)

シーザー真田
殿様ランチ
サンモールスタジオ(東京都)
2012/01/21 (土) ~ 2012/01/29 (日)公演終了
満足度★★★
派手さはないが丁寧なツクリ
サーカス版バックステージもの。派手さはないが、丁寧に作り上げられた感覚に好感を持つ。
また、一輪車やジャグリングなどを披露する出演者もお見事。
それにしても『ねずみの夜』から観始めたが、4作それぞれ味わいが違うとは、板垣さんってばポケットを沢山お持ちだこと。

おてあげラプソディー
春の日ボタン
「劇」小劇場(東京都)
2012/01/19 (木) ~ 2012/01/23 (月)公演終了
満足度★★★★
今回は笑いに特化?
従来は「コメディ」にとどまっていたところ今回は「ファルス」の域に達するまで笑いに特化して新境地を拓いた感じ。
その一方、一話ごとに張っていた伏線を最終話ですべて回収して大団円を迎えるスタイルは健在で、その鮮やかさに舌を巻く。

愛と平和。【ご来場ありがとうございました!!】
バジリコFバジオ
駅前劇場(東京都)
2012/01/19 (木) ~ 2012/01/23 (月)公演終了
満足度★★★★
ダーク系でもある
劇中に出て来る映画タイトルやミュージシャン名が具体的な分(それらを知っていればなおさらだが、多分そうでなくとも)雰囲気が伝わる、な感じ。
また、ナンセンスな部分もありつつ、ヒーローの「裏側」などかなりダークな感もあり、『バットマン・ビギンズ』『ダークナイト』の路線に通ずるモノも感じる。(ホントか?)

嘘つきの姫君と三人の絵師
KENプロデュース
北沢タウンホール(北沢区民会館)(東京都)
2012/01/21 (土) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
休憩なし165分
1609年の薩摩藩の琉球への侵攻をモチーフにした史劇系。
165分の上演時間も体感的にはそこまで長く感じないが、前半を丁寧に描きすぎたために冗長な感無きにしも非ず。終盤で経緯を語る役目の現代の学芸員パートと共にもう少し削って150分を切る程度にすれば満点だったのに残念!

紗由と祐美のGAME SESSION
箱庭コラァル
ラ・グロット(東京都)
2012/01/21 (土) ~ 2012/01/21 (土)公演終了
満足度★★★★
ゲームをしない身にとっても楽しめるアイデアあり
ゲーム関連の楽曲を単にvln.とvcl.のデュオに編曲して奏するだけでなくゲーム画面の映像を流したり、客の1人がプレイする画面を投影してそれに合わせて弾くなどゲームをしない身にとっても楽しめるアイデアも◎。

誰かの星空
冬の公会堂企画
シアターグリーン BIG TREE THEATER(東京都)
2012/01/18 (水) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★
1点不自然なところがあるのが惜しい
病院が舞台の複数の既視感を伴うファンタジー。
キャラメルボックス風な味わいも含め総論的には良いのだが、1箇所物語を進めるためとはいえ不自然なところ(ネタバレ欄にて)があるのは10年前の作品ゆえか?
なお観ながら初演時の配役を勝手に想像して楽しむ。

『渡り鳥の信号待ち』
世田谷シルク
シアタートラム(東京都)
2012/01/19 (木) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
スケールアップ!
初演より広い会場となった分、出演人数のみならずあれこれスケールアップして観応えあり。
また、結末を知っていればこその伏線的なモノも読み取ることができて再演の楽しさも満喫。
しかし地方は違う舞台美術って何?観たくなっちゃうじゃないかぁ!

アドバタイズドタイラント【ご来場ありがとうございました!!】
The end of company ジエン社
d-倉庫(東京都)
2012/01/19 (木) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★
「その場に居合わせている」感覚
初見だった前作と通ずる世界観はイマにも近未来にも思われ、同時多発会話も相俟って妙に現実的で「観ている」のではなく「その場に居合わせている」感覚が独特で惹かれる…ってか「引きずり込まれる」の方が的確?

no title~ノータイトル
発条ロールシアター
タイニイアリス(東京都)
2012/01/19 (木) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
賛否両論あろうが個人的には好み
ショートコント系のスケッチの積み重ねがやがて1つの物語を構成するツクリが独特。
また、人と人とが知り合ってゆく過程や悲喜こもごもな挿話は人生の縮図のよう。ペーソス漂う中に微かな光を見せるラストも好み。
ただ、スタイルにしても終わり方にしても賛否両論だろうと思うので万人にオススメ、とはいかないかも?
満足度もあくまで故人的なもの。

イエスタデイ
ブラジル
座・高円寺1(東京都)
2012/01/18 (水) ~ 2012/01/22 (日)公演終了
満足度★★★★
終盤の展開に快感
肉親であるがゆえの辛辣な台詞も少なからずあるビター&スウィートなホームコメディが一転する終盤はさながら往年の任侠映画で堪え忍んでいた主人公が怒りを爆発させるクライマックスに通ずる快感?
一部の演出に手塚治虫が編み出したというマンガの技法を連想。

A-1グランプリ決勝
劇団福耳
新宿LOFT/PLUS ONE(東京都)
2012/01/15 (日) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
満足度★★★★
ひげ太夫の優勝にも納得
コント集1団体に短編芝居3団体という構成も結果的にバランスが良く、2つの団体に1票ずつの観客投票もうまく考えられていて満足。
初めて観る方にはインパクトがあり、いつも観ているファンにはタッパのない小屋での工夫を示したひげ太夫が一歩抜きん出て優勝したことにも納得。

Kitchen
DOGSUGAR & Roads to Shangri-la
サンモールスタジオ(東京都)
2012/01/12 (木) ~ 2012/01/18 (水)公演終了
満足度★★★★
三編三様
3編オムニバス。
そんな中で3話の連作とさらに「小分け」した1編目(「田園都市線の美人妻」作:一雫ライオン、演出:森義隆)と、広瀬作品には珍しく笑いが多く意外に思わせつつ最後は「やっぱり!」な2編目(「悪魔の証明」作・演出:広瀬格)は良かったが暗転を多用して細切れな3編目(「かりて(糧) 〜Desire for life〜」(作・演出:高瀬一樹)が残念至極。

誰だ太郎を殺した奴は!
劇団ダダン
阿佐ヶ谷アルシェ(東京都)
2012/01/13 (金) ~ 2012/01/15 (日)公演終了
満足度★★★
舞台ならではの表現が◎
転生を前に前世で死に至った原因を考える太郎と「悪」「寂」「愛」など彼の5つの「要素」たち。
トープレの近作や劇団第三反抗期『うわっ!増えちゃった』(99年)同様、1人の人物のいろいろな面を複数の役者が演ずる舞台ならではの表現がイイが、輪廻転生のため太郎が死にすぎる(笑)のがちょっと気にかからないでもない。
なお、「要素」たちの胸に表示された文字のデザインも◎。