【終演:ありがとうございました】JPN
Not in service
ウエストエンドスタジオ(東京都)
2022/10/15 (土) ~ 2022/10/16 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/10/15 (土) 14:00
事前情報で何となく予見はできたが、いざ実際に観ると思った以上に「都市伝説系現代ホラー」臭満載(笑)、観始めてすぐに中田秀夫監督作品(現在公開中のものよりもむしろ前作)に通ずるテイストを感じる。
ってかここのところ観た芝居・映画にホラー系が多くて「ホラー脳」になっていたのかもなぁ。(笑)
また。舞台下手の壁に投影される字幕/画像/映像がいかにも「イマの演劇」な感じで面白い。概念的な話になるが芝居の「場」というものは一般的には(前後したり複数あったりもするが)物語の「直線上」に配置されているのではないか?
それが本作品では「これはこっちに置いといて」など平面的あるいは立体的に配置されている気がする。(よって視る方向(観る者の解釈)によって見え方が違う)
そんなところも面白かった。
あゆみ
果報プロデュース
すみだパークシアター倉(東京都)
2022/09/28 (水) ~ 2022/10/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/09/29 (木) 14:00
演目として観るのは通算5回目なこともあり「あぁ、そうだった♪」や「これは新たな演出?それとも単に忘れていただけ?」などと思いながら存分に楽しむ。
また「あぁ、ここをこうしたのか!」や附加されたであろう部分にも得心。
そして「全員(ほぼ)全役」とも言うべき変幻自在の手法(演出と演技の賜物)で場を切れ目なく繋ぎ(エッシャーの「メタモルフォーゼ」を想起)時を隔ててもすぐにそのことと隔てた期間がワカるシカケが毎度ながら見事。
いやホント、この作品って折に触れ観たいな、いろんな演出(巧拙不問)で。そういえばけやき坂46(現・日向坂46)も4年前に赤澤ムックさん演出で演じたんだっけ、それも機会があれば観てみたいと思う。
稲川怪談
江古田のガールズ
Mixalive TOKYO・Theater Mixa(東京都)
2022/09/27 (火) ~ 2022/10/02 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/28 (水) 14:00
単に原作である「稲川怪談」所収のエピソードを演劇化した短編アンソロジーではなく、一つの(オリジナル?)ストーリーを軸にそれらをいろいろな形で配した構成が巧み。その意味で短編アンソロジーの舞台化のお手本……と言っては褒め過ぎか?
また、ゲストを迎えた回もアフタートークではなく(一応)劇中に取り込んだ形で怪談を披露してもらうのも巧い。
もちろん江古田のガールズだけに程よく笑いも配して、カーテンコールの趣向も含めて上手いよなぁ。
ところで、カーテンコールで装置の二階部分の上手端に見え隠れしていた髪の長い女性は誰?
蓼喰ふ虫
TOKYO PLAYERS COLLECTION
OFF OFFシアター(東京都)
2022/09/21 (水) ~ 2022/09/26 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/23 (金) 13:00
中心となる夫婦の設定が昨今の22時台または深夜枠のドラマにあるようなもので、原作小説が90年以上前ということにオドロキ。
当時としてはセンセーショナルだったのか実は当時から「ありがちなこと」だったのか?
そんな内容を「いかにもその頃」な台詞回し、衣裳・メイク、洋室がある日本家屋な印象の装置内で演じられるので、しばしば脳内にモノクロの映像がオーバーラップする。この「錯覚」が独特で面白かった。
なお、観た後にWikipediaのあらすじと青空文庫での原作拾い読みからかなり忠実に舞台化したと知ってもう一度ビックリ。
TOKYO PLAYERS COLLECTION の新境地と言えよう。この「夫婦の営み」シリーズ、こんな風に古風な作品のみを取り上げてゆくのか古今東西不問で「夫婦もの」を取り上げてゆくのか。今後にも期待。
『田瓶奇譚集』
劇団肋骨蜜柑同好会
駅前劇場(東京都)
2022/09/16 (金) ~ 2022/09/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/22 (木) 15:00
チーム【奇】
直接的な怖さだった【怪】に対してこちらは間接的な怖さ? あるいは刃物でグサリの【怪】に対して真綿で首を絞めるような【奇】。
さらには人の怖さがメインの【怪】、土着的な恐怖がモチーフの【奇】とも言えるか?(やや乱暴な分類)その意味で見事なチーム分けではないか。
あとアレだ、割と早いタイミングで「それな」的なものを示す【怪】と、導火線が長いと言うか遅効性の毒薬と言うかな【奇】という対比もあるな。(「刃物と真綿」の言い換えではあるが)
AURYN「ゴーシュ」、ホラーと言うよりはハートウォーミングファンタジーなオモムキ。ある人物の登場により不穏/不気味(?)な雰囲気も漂うが、無事に着地、的な?
Mrs.fictions「そして誰もいなくなるまで待って」、ある時点でそれまで思い込んで見ていた風景がひっくり返されるオドロキ。そしてその背景にあるものやその経緯がコワい。あと、田瓶市に新たな設定が…
…
劇団肋骨蜜柑同好会「もっけの幸い」、地域性密着怪談にもう一つの要素を加えた「田瓶市もの」の真骨頂。「障り」の演劇的表現も面白い。
『田瓶奇譚集』
劇団肋骨蜜柑同好会
駅前劇場(東京都)
2022/09/16 (金) ~ 2022/09/25 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/21 (水) 15:00
チーム【怪】
劇団肋骨蜜柑同好会「腸詰と極楽」
ある意味スプラッタ系の場面もありつつ漠然と「奇妙な味の短編」を得意とする小説家の作風を連想。しかし具体的な「痛み」を感じさせるの、イヤだなぁ。
たすいち「隣は猫をする人ぞ」
猫がモチーフということもあり、古典的な某有名恐怖小説を漠然と思い浮かべていたら終盤で「あぁ、やっぱり!」。「腸詰と極楽」と共に連想したものとの相乗効果があったような。
日本のラジオ「くるくるさん」
状況設定あるいは舞台設定に「あ、そういうのもアリか♪」と目から鱗。アレをそういう風に使うとは……的な。その意味で「コロンブスの卵」的と言えるか?(笑)
あと、某オムニバスドラマのようにストーリーテラーを起用して三編を繋ぐ型式や各編にチラリとリンクがあったりするのも巧い。これ、事前にHPのあらすじを読んでいなかったら気付かなかったかも?
ピアニッシモ
ペテカン
新宿シアタートップス(東京都)
2022/09/14 (水) ~ 2022/09/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/09/17 (土) 18:00
ピアノがある喫茶店でのマスター、新人アルバイトと5組の客たちによる連作短篇会話劇。
機知に富み上品なユーモアが漂う中に情や愛を織り込み、笑っていながらしみじみとさせるのは熟練団体の味わいと言えるのではないか。これぞペテカン、癒されたなぁ♪
なお、同様の趣向であった「タバコの煙とコーヒーの湯気」をネット検索したら、そちらの初演は2006年、新規書き下ろしも加えた改訂版が2009年の上演だったことにビックリ。もうそんなに前のことだったの!?
ゆめみたい
めがね堂
シアターグリーン BASE THEATER(東京都)
2022/09/15 (木) ~ 2022/09/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/17 (土) 14:00
割と早い段階から時系列的にどうなの?な場を挟み、それ以降も時々時間を弄って更には「あんなこと」までされて観ている側として翻弄された。
余韻というか解釈の余地が観た人によって千差万別/無限大ではなかろうか?(笑)
リアルなようでシュールな感覚はまさにタイトルそのままか。
『VAMPIRE~Reunited In Pain~』
TEAM空想笑年
シアター・アルファ東京(東京都)
2022/09/14 (水) ~ 2022/09/18 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/16 (金) 14:00
5年前の作品の改訂再演。国家を脅かす7人のヴァンパイアとそれを討伐する騎士団という構図で始まりながら実は……という物語は戦の無為・虚しさを示しさらに身勝手な野望の醜さも押し出す。
そんな内容が国政を私利私欲に利用する昨今の政治屋批判に思えてしまう。初演時はそんなことは思わなかったのに、この5年間でそれだけ世の中が堕ちたということか?
なお。アクションの切れ味と音響のシンクロ具合は言わずもがなな見事さ。
DOWNTOWN STORY
羽原組
赤坂RED/THEATER(東京都)
2022/09/13 (火) ~ 2022/09/19 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★
鑑賞日2022/09/14 (水) 19:00
長姉が連帯保証人となっていた知人の夜逃げにより一千万円の借金を背負うことになった三姉妹を中心とした物語。
得意のダンスやショー(今回は稽古)場面、楽屋落ちを含むベタなギャグ、政治への皮肉などあれこれ盛り込んで楽しいが唐突で強引にも思える展開(ネタバレBOXへ)もありちぐはぐな感がないでもない。
しかしそれでも2時間弱を楽しめたのは出演陣の個性・演技の賜物か昭和芸能舎を観続けていたからか?
そんなこんなからふと思ったが、これ、「ネオ大衆演劇」と言えるのではないか?(真顔)
とりあって
かわいいコンビニ店員 飯田さん
OFF OFFシアター(東京都)
2022/09/08 (木) ~ 2022/09/14 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/12 (月) 14:00
フィットネスクラブのバックヤードを舞台にしたスタッフたちの「激辛」な人間模様。
時折笑いもあったりしながら進むが、終盤の展開は胸糞悪くて「何で金を払ってこんなに不愉快にならなくてはならないんだ(怒)」と……(褒めています)
そしてその終盤で語られる不愉快なあれこれは「ありそー!」なだけでなく、今、現実で問題となっている「あること」への揶揄(得意の深読み)のようで、「だからより不愉快なんだ」と大いに納得。(笑)
Crime4
Sun-mallstudio produce
サンモールスタジオ(東京都)
2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/10 (土) 14:00
実際にあった事件をモチーフにしたオムニバス第4弾は事件当事者の関係者に取材するジャーナリスト、加害者の弟、被害者親族を主人公とした三編でまさに副題の通りそれぞれ異なる視点から描く。
もちろん今までもそういった第三者の視点で描いた作品もあったがこうして三編が集まるのはある意味「壮観」。先述のようにそれぞれ異なる視点からになったのは偶然か打ち合わせの末かそのあたりも気になる、また、舞台後方のリビングルームを表す装置の幅が伸縮可能で作品によって広くなったり狭くなったりしたのも見事。
夜鳴く鳥は朝に泣く
吉祥寺GORILLA
王子小劇場(東京都)
2022/09/07 (水) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/09 (金) 14:00
電車ホームからの転落事故で弟を喪った警察官、同日に踏切事故で大学同期の友人を喪ったライター、その二人が調査/取材の果てにたどり着いた真相は……というサスペンス系。
このテの型式に詳しくなくても楽しめるだろうが詳しいと逆に「ひっかける」トラップがあったり「それは反則!(笑)」でありながら「ヤラれたぁ……」と納得させる(私見)オチだったりでより楽しいかも?
また、2時間超の作品が多かった昨今、100分余という上演時間も心地よかった。
あと、全体としてはダークあるいはダウナーな物語ながら、それを緩和するパートを配したのはそこのキャスティングも含めて上手い。
なお、終盤の展開に「サスペンス映画の巨匠」と言われる有名監督の作風も想起。
Show me Shoot me
やみ・あがりシアター
三鷹市芸術文化センター 星のホール(東京都)
2022/09/02 (金) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/08 (木) 14:00
漫才を創作することを愉しんでいる社宅住まい夫婦が隣に大阪から転勤してきた夫婦の普通の会話の面白さにショックを受けて……ということを軸に社宅・社内とその周辺の人々を描く。
社宅ベランダでの夫婦漫才から始まり「ショートコント○○!」と宣言して始めるスキットの積み重ねで環境・状況設定を示してその後もスキットのコラージュで物語を進めるアイデアが独特にして巧み。
また、事前情報から客席に入ってすぐに「あ、なるほどね」と納得した背景・前景やキャスターを付けるなどで出ハケを容易にした椅子・机などを駆使してスピーディーな場転を可能にした舞台美術も見事。
なお、大半の人物が会社員であること、劇中での生歌が状況や人物の心情を表すことなど、少し前に観た他の公演と通ずるものがあり、小劇場シンクロニシティがここでも……。
老獣のおたけび
くちびるの会
こまばアゴラ劇場(東京都)
2022/09/03 (土) ~ 2022/09/11 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/04 (日) 13:00
くちびるの会版「変身」か? 主人公の父の変身はある事の隠喩かと思われるが他の要素もあり、そうして描かれる親子の問題/関係は観る人によって受け取り方が異なるのではないか? そんなところに奥深さを感じた。
また、父親の衣装や壁の「穴」による表現が面白かった。
空蝉
あやめ十八番
東京芸術劇場 シアターウエスト(東京都)
2022/09/01 (木) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/03 (土) 13:30
前回公演がサスペンスフルな法廷劇だったのに対して今回は娯楽に徹した「立体落語」とでも言うべきエンタメ作品。
複数の古典落語を組み合わせた上にイマを採り入れた(例:地獄の「エントリーシステム」)物語は元ネタを知っていなくても楽しい。
もちろん元ネタを知っていればより楽しく「やっぱりそれだよねぇ」だったりも。
また、劇中の噺家(役)のみならず他の登場人物の台詞回しも「落語調」で「いかにも♪」で楽しい。
惜しむらくは(あくまでこちらの責に帰するが)同工異曲の芝居を過去に複数観ていたため新鮮味に欠けたことで、そういうことなく本作に接したかったな、と。
あの夏の暗い夜、虹の袂のエデン。
Oi-SCALE
新宿シアタートップス(東京都)
2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/09/02 (金) 14:00
風俗店のリネン交換業の男たちを中心に描いた物語。
描かれる時間帯は深夜から未明が大半で、まさしくOi-SCALEが得意とするパターンと言えるか?
映画用語の「アメリカの夜」(フィルターを付けて撮影することによって昼間の撮影でも夜のシーンに見せる)のように「オイスケールの深夜」で昼公演であっも観ている間その時空は深夜になる、的な。
そして各人物の背景・生き方の実在感たるや。「さすがにそれは……」な行動もあれど、そこに至るまでがリアルなのでついつい納得してしまう、みたいな。
あと、独特な照明、舞台美術、生演奏も良かった。
SHINE SHOW!
Aga-risk Entertainment
シアター・アルファ東京(東京都)
2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/09/01 (木) 14:00
進行中のイベントに次々と襲い掛かるトラブルを解決しようと奮闘する運営スタッフ、という典型的なショウマストゴーオン系のコメディにしてアガリスクの真骨頂? そして題材に選んだイベントの活かし方/アレンジの仕方が緻密・巧妙でさすがというか絶品。
休憩前にこれでもかと言わんばかりにトラブルを積み重ねておいて、休憩後の後半でそれまでのあれこれを使ったりもしつつそれぞれが解決「されてゆく」のが「あれをそう使うか!」や「その発想はなかった」など多彩かつ鮮やかで飽きさせないどころか感服。
さらに劇中で生歌を披露する方々の歌の巧さよ! 天は二物を与えずじゃなかったのか?(笑)ってくらい玄人はだしで見事。(うちお一方は別の意味で巧い……以下ネタバレBOXへ)]
【9月6日付記】
前半の各人とその事情・背景紹介はそれだけ見ても見事な精密加工の部品という感じで、後半ではそれらが組み合わされてさらにスゴい完成品になるような……それって個々でも戦闘できるが合体すると超強力になるアレに似てないか?
敢えて言おう本作は戦隊ものの合体メカであると。(真顔)
ベントラー・ベントラー・スペースピープル
サムゴーギャットモンテイプ
スタジオ空洞(東京都)
2022/08/31 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2022/08/31 (水) 19:30
UFOあるいは宇宙人……もとい異星人(笑)絡みの短編3編。
それぞれ笑いあり謎ありサスペンスありとタイプが異なるばかりでなくUFO/異星人の絡ませ方も異なり多彩で面白かった♪
また、機材に制限もあるであろう(不自由な)この会場で、あの照明効果も上出来。
帰還不能点(8/17~8/21)、短編連続上演(8/25・26)、ガマ(8/29~9/4)
劇団チョコレートケーキ
東京芸術劇場 シアターイースト(東京都)
2022/08/17 (水) ~ 2022/09/04 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2022/08/30 (火) 14:00
【ガマ】
沖縄には多数あり戦時中は避難壕や病院壕として使われた「ガマ」で遭遇した民間人・軍人6人。
断片的というか漠然とというか部分的にしか知らなかった(第二次大戦における)「沖縄の特殊性」を改めてきちんと認識できた感覚。そして登場人物それぞれの戦争体験とそこからの身の処し方に関する葛藤が生々しい。