虫さされジョアンナ
浅川さんの企画
studio ZAP!(東京都)
2024/11/14 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/17 (日) 14:00
事前に目にした感想通り「バカだな~♪」「何やってんだアイツら?(笑)」だらけの90分、いわば「長編ショートコント集」みたいな?
そんな中「あ、そういう連想をしたのか」「この状況ならそれに行くよね」など首謀者・浅川さんのアタマの中が見えるようなところが多々あり、発想の跳び方/跳び具合がオカしかった(←ダブルミーニング(爆))。
あと、カーテンコールでのちょっとした趣向もオマケっぽくて良かった。
Re:もっけの幸いの「もっけ」ってモノノケの事なんだって。知ってる?
劇団ヘロヘロQカムパニー
TACCS1179(東京都)
2024/11/14 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/11/16 (土) 13:00
初演は観ていなかったが、とても懐かしい感覚に囚われた。もののけ/妖怪など「人ならぬ者」が多数登場するファンタジック・アクション抗争劇(?)、以前はよく観ていたもんなぁ。(例:DearMyFriend「SLeeVe~スリーヴ~」(2006年))。
で、コミカルな導入部から次第にシリアスに転じ、終盤には感動要素まで配した構成が巧い。
あと、もののけたちの設定も面白かった。
何も変わらない今日という日の始まりに
劇団皇帝ケチャップ
浅草九劇(東京都)
2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/15 (金)
昼に【Sunrise】、夜に【Horizon】を観劇。
5年前の初演版の基本設定は保ちながら登場人物などを改変したリニューアルで「準・新作」みたいな? そして初演版もビターだったが今回はそれにも増して悲観的な印象。
そんな中、以前亡くなった関係者の霊を登場させ彼女が見えるか見えないかで他の人物の「死」を暗示するのは上手いし毎回ながら「会話のアソビ」に舌を巻く。
栗原課長の秘密基地
SPIRAL MOON
「劇」小劇場(東京都)
2024/11/13 (水) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/14 (木) 14:00
2013年のULPS版ではいかにもフィクションと感じたが2019年のSPIRAL MOON版初演は実際にありそうに思え、今回はさらにそれより辛辣に感じた。
特に後半で自分の利や保身のためにエゴをむき出しにする見苦しさ・みっともなさは強烈で最近の「おかしな政治屋」たちの言動を連想。
書かれた当時(20年以上前)にはほぼ絵空事だったであろう本作が現実を想起させるようになるとは何ともはや……(白目) いや、当時からやはりそうだったのか?
ジゼル、またはわたしたちについて-Giselle or about us- 2024 TOKYO Remix
waqu:iraz
スタジオ空洞(東京都)
2024/11/12 (火) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/11/12 (火) 19:00
勝手にキャッチコピーを付ければ「浮世に喝」か? とかく生き辛いイマの世のあれこれを指摘し時には対応策を提示したり。それを17曲に及ぶ楽曲にのせての90分、リズミカルで観易い。
楽曲にはラップも多く、そんなあたりが「シン・waqu:iraz」みたいな?(笑)
また、事前情報にあった waqu:iraz 3人のみによるパート、内容、表現とも圧巻。使用許可などに尽力された武井さんに賞賛を惜しまず。
つきかげ
劇団チョコレートケーキ
駅前劇場(東京都)
2024/11/07 (木) ~ 2024/11/17 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/08 (金) 14:00
前作「白き山」の5年後、晩年の斎藤茂吉と妻や息子・娘たち、編集者を参考にしたフィクション。一言で表現すれば「ハード&ビターなホームドラマ」で認知傾向が出始めた茂吉の姿が痛々しいが彼を支える家族らの姿(家族愛的なもの)や漂うユーモアに救われる。
それにしても茂吉役の緒方さんを筆頭に配役/役作りが的確でリアリティを感じるというか引き込まれるというか。
また、中学生時代にどくとるマンボウシリーズを読んでいたためある場面で頷くことしきり。
枯れる実家、遅咲きの恋/ハローグッバイ・オン・ザ・レディオ
はらぺこペンギン!
新宿眼科画廊(東京都)
2024/11/01 (金) ~ 2024/11/05 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/05 (火) 19:00
何らかのわだかまりが氷解してゆく様を描いた中編2編。個人的な印象で比喩だが従来は色彩がはっきりしたペン画あるいは細密画だったが本作は柔らかい色使いの水彩画、みたいな?
大学時代の先輩の実家売却を担当する不動産仲介業の男が意外な人物と遭遇し、な「枯れる……」は人情喜劇、転勤する夫に帯同するため退職するアナウンサーの父への想いを描いた「ハロー……」は「今様人情噺」なオモムキ。
はらぺこペンギンの「円熟味」を感じた。
~幻惑演劇実験集~二千某年のドグラとマグラ
月蝕歌劇団
アトリエファンファーレ高円寺(東京都)
2024/11/01 (金) ~ 2024/11/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/04 (月) 13:30
初の白永主宰脚本による公演にして案内役であるアンポンタン・ポカンの紹介により語られる短編2編。
1編目「夢想カルテ」は高取翁脚本で上演もした「ドグラマグラ(夢野久作)」の「ある設定」に基づくものでいかにもここらしい。
それに対して2編目「さんかくのカド。」はもつれた三角関数の顛末でアングラテイストとは無縁、どころか普遍的な感アリ(若干読めたりもするが)。
従来の延長線上と新機軸の2本立て、「蠍座公演」は今後もこの路線か?
第一回蒸気展覧会
蒸気倶楽部
Paperback Studio(東京都)
2024/11/02 (土) ~ 2024/11/04 (月)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/03 (日) 13:00
日本のラジオ・屋代主宰が立ち上げたコントユニット(?)の旗揚げ公演。
現実の「あること」に対してシニカルなもの、観客の選択によるマルチエンディングなもの、シュールなもの、あの童話とその童話を「あんな形」で結び付けたものなど多彩だがやはり「屋代さんらしさ(私見)」が貫かれていてニヤニヤ。
早くも「第二回博覧会」が楽しみ♪
My cinema paradise 2024
劇団S.W.A.T!
劇団S.W.A.T!稽古場(東京都)
2024/10/17 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/11/02 (土) 13:00
【Cチーム】
かくて3チームコンプリート。演者が違って各チームそれぞれ印象が異なることに加えてCチームは若手人気声優役が女性なのでまた本作の新たな面を観た感じ?
いわば基本のA、応用のB、フリースタイルのC、みたいな?(笑)
阻む壁
Oi-SCALE
新宿シアタートップス(東京都)
2024/10/31 (木) ~ 2024/11/05 (火)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/11/01 (金) 15:00
男が通勤すべく自宅から駅に向かう下り坂に、ある朝突如「壁」が出現して……な不条理系。ある日、障壁が現れ周囲もあれこれ動き出す、という設定は国家レベルでそれが起こる小松左京「首都消失」を個人レベルにしたオモムキ?(笑)とはいえもちろん展開/内容は全く異なり、また「壁」は人生に出現する何らかの障壁の隠喩などでもない(私見)。
壁に翻弄される主人公やいろんな動向を見せる周囲の人々に共感したりしなかったりするのが本作の楽しみ方かも?
また、A列・B列をつぶしC列からE列の席数を減らして(本来の)舞台前に建てられた「壁」の装置が前作で舞台中央にあった段ボール製の壁をグレードアップしたようでポップかつリアルだし、本来の舞台に置かれたあれこれも含めて舞台美術も良かった。
なお、灰二さんの一人語りで始まり、またそれで終わるのはいつものパターンだが、今回初めてロッド・サーリングやタモリ(あるいはバカリズム)を想起したのは内容が「そっち系」に感じられたからか?(笑)
あと、ああいう舞台装置ゆえ複数の出演者さんが「憧れのシアタートップスでの公演に出演できたのに舞台に上がれなかった」と残念がっているのが(申し訳ないが)微笑ましい。(いや、いずれその舞台にも上がれますって!)
いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した
チャミチャム
水性(東京都)
2024/10/29 (火) ~ 2024/11/02 (土)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/10/31 (木) 15:00
放課後の3人の高校生。
前半は「ありそー!(笑)」なあれこれを見せてリアリティを感じさせて(そのリアリティは役者の演技によるところも大きい)から後半の「あれ」をフィーチャーした場に進むのが巧い。
そしてその後半では公演会場の外に面したガラスをも効果的に使う演出に舌を巻く。そう言えばここの公演、3回とも会場の外が見える場所を使っており、次回はどこなのだろう?という期待も膨らむ。早くも楽しみ♪
わが星
TEP+steps
シアター風姿花伝(東京都)
2024/10/24 (木) ~ 2024/10/30 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/27 (日) 14:00
ビッグ・バンから地球が星としての命を終えるまでを人の一生になぞらえて言葉遊びも含んだ数人によるリズミカルなラップ風パフォーマンスの後に地球や月などを擬人化して誕生から死までを物語る105分、2011年4月に観た本家のままごと版より20分も長いが冗長感や中だるみ感などなくしっかり惹きつけられる。
また、この回はトラブルにより本来の明かりではなく搬入灯での上演となってしまったが、それでもちゃんと観ることができたのは戯曲の力と演技・演出の賜物か?
なお、トラブル発覚から時間がほとんどなかったであろうにこのようなプランを考案して実行した照明スタッフもスゴい。
広くてすてきな宇宙じゃないか【Mura.画】
Mura.画
北池袋 新生館シアター(東京都)
2024/10/25 (金) ~ 2024/10/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/10/26 (土) 13:00
オリジナルである演劇集団キャラメルボックスで観たのはいつのことであったか?というくらい前のことで懐かしいったらありゃあしない。
そしてかつてシアターアプルやサンシャイン劇場のような大きな劇場で観た作品をこの規模の劇場で「イマの若手」が上演するということであれこれ感慨深く、時折目が潤みそうになった(潤んだとは言っていない)。
ラストの「あの演出」も元を知っているからもあろうが「そう見えた」し照明も手がける(本作では異なるが)奥田演出のアイデアに「そうやったか!」と快哉。
こういうのもいいなぁ。
My cinema paradise 2024
劇団S.W.A.T!
劇団S.W.A.T!稽古場(東京都)
2024/10/17 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/10/25 (金) 19:30
【Bチーム】
前週の【Åチーム】で内容はワカっているがやはり笑ってしまうし、役者個人のオススメ映画紹介パートは原さん・清水さんそれぞれタイプの違う入れ込み方でアツさを感じる。
あと、スタジオとサブを照明で切り替えて表現するのも上手いんだよなぁ。
シみる~昭和歌謡短編集 其の四~
はぶ談戯
小劇場B1(東京都)
2024/10/23 (水) ~ 2024/10/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/25 (金) 14:00
3編の短編が最後に結び付くという事前情報を得てから観たがわずかな接点しか見いだせず、エピローグ……というかそれまでの人物が揃う4編目で大いに納得。この巧みな構成に往年の深夜ドラマ「HeartにS(1995年)」を思い出した。
また、劇中音楽(歌&インストゥルメンタル)も元ネタがワカり易くそれを知っていると「似ているが異なる」加減が絶妙で頬が緩む。
いかにもはぶ談戯らしい作品に満足満足♪
おまえの血は汚れているか
鵺的(ぬえてき)
ザ・スズナリ(東京都)
2024/10/18 (金) ~ 2024/10/27 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2024/10/23 (水) 14:00
別々に養子とされてそれぞれに人生を送っていた5人の兄妹があることについて話し合うことになり次男が婿入りした旧家に集まるが……な会話劇。
それぞれに事情があるとはいえ好き勝手とも言える主張をする上に次男の妻の実家なので義兄も余計な口出しをして傍観者である観客まで居心地悪く感じるのはいかにも鵺的。
がしかし終盤でその義兄の正鵠を得た発言などから事態の好転を予測させ、後味が悪くないのは鵺的作品の中では珍しい部類かも?(笑)
「(家族の)血」についてあれこれ考えた90分、良かった。
サラマンドラの星空
Jungle Bell Theater
萬劇場(東京都)
2024/10/17 (木) ~ 2024/10/23 (水)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/10/22 (火) 13:00
星チームを観劇。
メキシコにあると思われる「幻の遺跡」を探す人々の現代パートとかつてその遺跡周辺で起きたことの古代パートが併走して進行するアドベンチャー・ロマン。そして古代の船で遺跡を目指し遭難した現代人の意識がかつて漂着してそこに居ついた先祖に宿り過去を体験する(「THE WINDS OF GOD」を想起)というのがまた浪漫。
そんなスケールの大きい「ホラ話(褒め言葉)」だが、装置はシンプルで、それでも実在感(?)を持たせるのは演技・演出に加えて衣装の功績か?
なお、初演である「サラマンドラの虹」を観ていたどころかそれがこことの初めての出逢いだったが、そのことどころか内容もすっかり忘れていたことに15年の歳月を実感。(爆)
ビッグ虚無
コンプソンズ
駅前劇場(東京都)
2024/10/16 (水) ~ 2024/10/20 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/10/20 (日) 13:00
ハプニングバーのプレイルームでイタしていた男女が消失してから3年、消失した男の妻が当時バーにいた面々を集めて真相を探るが……な物語。
序盤の登場人物紹介的な3年前パートこそきちんとしている(?)が、現在パートに入ると次々にタガが外れてゆき混沌混沌また混沌、みたいな。その最中にはそれまでの前提を覆すような台詞もあって、こういうのも好きなんだな。
あと、バー従業員の制服や返り血を浴びたシャツを筆頭とした衣裳、塗装が剥げかかったバーの壁、さらに「あのゲーム」を等身大にした大道具(なのか?)など舞台美術も特筆モノ。これが妙なリアリティを与えているんだよねたと思う。
ということでかつて見たことがある悪夢のような2時間弱を堪能。
がしかし、開演が定刻より9分も押した場合は終演後に何か一言あって然るべきでは?(苦)
My cinema paradise 2024
劇団S.W.A.T!
劇団S.W.A.T!稽古場(東京都)
2024/10/17 (木) ~ 2024/11/10 (日)公演終了
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2024/10/19 (土) 13:00
【Aチーム】
下北沢のコミュニティFM局の人気生放送番組の新シーズン初回、初めてついたスポンサーが視察に来る中、社長の人脈で新レギュラーとなった人気声優は台本以外のことは喋れず……というワンシチュエーションコメディ。
稽古場に作られた三方囲みステージという公開生放送を観ているような臨場感のある場で繰り広げられる物語、劇中でのパーソナリティによる映画紹介は演者自身によるものだわ終盤に人情噺的味わいはあるわで身近というか親しみやすいというか心地よく、そう言えば開場時から会場にいて場を温める出演陣もステキで至福のひと時、的な。