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オフィスワンダーランド第39回公演「アレキサンドル昇天 青木繁・神話の棲み処ー」作・演出 竹内一郎

作品紹介

若き日の松本清張と思われる新聞記者が、晩年の坂本繁二郎を訪れる。
青木繁に対する嫉妬がないか取材するためである。
坂本は晩年、梅原龍三郎、安井曽太郎と並び三巨匠と称されている。
 青木と坂本は、ともに日本絵画史に欠かすことのできない洋画の巨人である。二人とも、1882年に福岡・久留米に生まれ、中学・美大(東京芸大)の同級生である。早熟の天才・青木。晩成型の坂本。華麗な画風の青木。枯淡を描く坂本。対照的な二人である。
 青木は1891年に28歳で夭折。坂本は1969年に没する長命である。
 坂本は、晩年、能面の絵を多数描いている。
 坂本は、青木が画学生時代に描いた多数の能面のスケッチを隠し持っていたのである。何故、坂本は青木の絵を隠し持っていたのか。そして、自分が能面を多数描いた理由を、三木露風(詩人)と一緒に能を見物した影響と言っている。本当のところは青木の影響であることは疑いえない。
 松本は、坂本の一生は青木への嫉妬でできているという考えである。坂本は、日本美術史上、名前が落ちても何の影響もない凡庸な画家である、と。
 坂本の内面世界が、物語の本編である。坂本と青木は若き日、千葉県館山にスケッチ旅行に出かける。そこでの漁民との交流を通じて、松本が「嫉妬」と感じたものの核心が解き明かされる。
会場 紀伊国屋ホール(新宿東口)
会期 2015年9月3日~6日

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