次回公演延期のお知らせ

2020.05.04

新型コロナウィルス感染拡大防止のため、4月から一切の稽古を中止し、5月6日の収束を信じて待っておりましたが、政府および自治体からの緊急事態宣言の延長発表を受け、誠に残念ではございますが、公演を延期とさせていただくこととなりました。
公演を心待ちにしてくださった皆様には心苦しいご案内となってしまいましたこと、お詫び申し上げます。以下、代表・島原夏海からのメッセージです。




我々の公演を楽しみにお待ちくださいましたお客様、本当にありがとうございます。
いつも皆様の温かいお言葉に支えていただいております。そして今回、残念なご案内となってしまったこと、お許しください。

2002年の劇団発足以来、公演を中止・延期にしたのは初めてです。一度やると決めたら自己都合で中止してはならない。そう決めてやってきたものですから、今回も当たり前のように上演が叶うものと、つい3ヶ月前迄は思っておりました。
再三にはなりますが、2014年に劇団が再復活した際の、5年後の目標がHEP HALLでの公演でした。5年間がむしゃらに演劇を続けてきた私達の一つの結果がこの舞台だと、並々ならぬ意気込みで挑んでいました。
絶対に一緒にやりたいと願った最高の客演さん・スタッフさんとのご縁をいただき、私の演劇人生にとっての、甲子園決勝戦みたいな舞台でした。
ですから、もしかしたら5月6日には収束するかもしれない、だとしたらそこからの1週間に全てをかけたい。4月に入り、その一念で稽古を中止し、自分に出来る作業に取り組んでおりました。今はただ、「この様な状況下では致し方ない。」という思いと、事態の収束ならず上演が叶わなかった悔しさでいっぱいです。

今回、客演の皆さん・スタッフさんから、本当にたくさんの温かい励ましやアドバイスを頂きました。我がことの様に心を痛め、共に検討してくださったこと、これ程有り難いことはありません。
現段階で、全く同じメンバーでの再演はお約束出来ませんが、また来年、ブラッシュアップした作品を、お客様にご覧いただけたらと思っております。

こういう状況下では、芸術は不要不急、生活には不必要として、その扱いを軽んじられたり、批判に晒されることがあります。
ただ、私にとっては衣食住と等しく、自分の人生で無くてはならないものです。
舞台演劇とは、劇場空間、役者、音響、照明、舞台美術、制作、そしてお客様で成り立つ総合芸術であるため、このような中では、なかなか従来の形で上演に至ることが出来ません。
劇場の方、演者さん、スタッフさんなど、本当に生活が出来ない状態です。けれども皆さん、自分に出来ること、新たな演劇の形を模索し、日々頑張ってらっしゃいます。

ジム、飲食店、娯楽施設だけでなく、あらゆる企業のみなさんが大変な状況の中、エンタメ業界ももちろん大変な状況です。
この情勢が落ち着いた時、みなさんがそれぞれ生きる世界が、私にとっては舞台演劇の世界が当たり前のようにそこにあることを切に願い、来年皆様にまたお目にかかれる日まで、私なりに精進したいと思います。

最後に。
上演があると信じて、今回のキャストで書き上げた台本には、私の今の、そして図らずも人生における想いを込めました。
どんな不条理な状況であっても「思考することを諦めたくない」という、至ってシンプルな、けれども切実な思いです。
今回の客演さん達のご協力を頂き、今流行りのZOOM演劇方式で、当初予定していた千秋楽の日に、それぞれの自宅から集まって収録をする予定です。こちらに関してはまたご案内申し上げます。

これまで我々の舞台を楽しみにお待ちくださいましたお客様、本当に申し訳ございません。
自粛続きで心も疲弊する最中かと思います。このような状況ですが、どうか前を向いて、お元気でいらしてください。

無名劇団代表
島原夏海

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