ボクは海にいた。あなたがこなくなってから幾度、あの窓から空を飛ぶクラゲが
通り過ぎていったんだろう? 開かないはずの窓は開いて、目の前は海で。
汗のにおいとは違う海のにおい。
海にもくらげが泳いでいた。イタタタ。
外から見た倉庫は、中が見えなかった。あなたはどこにいったしまったのか。
もどってきた彼女が倉庫に戻ると、君は倉庫にいなかった。
彼女は空を眺めていた。高い窓から見える空。
流れる雲。君はどこにいったのだろうか?
窓から見える空飛ぶクラゲ。空月。海月のように雲間の空に遊んでいる。
飛んでみる? 空月は彼女に語りかける。
彼女は飛んでみる。でもって、バク宙で着地。なんともなくて。