「選ばれなかった12人」に携わっているメンバー

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むらさきゆん

むらさきゆん

制作
本番直前に通し稽古をみたスタッフとしての感想です。

今回の作品は舞台を現代に移して、始まったばかりの裁判員制度に置き換えています。でも、登場するのは『選ばれなかった』人たちです。テレビのドラマなどでは大体が『選ばれた裁判員』にスポットが当たっていますが、今回は『裁判員名簿』に名前が載って、裁判所で面談後、残念ながら抽選から漏れ、選ばれなかった人です。名簿に載るだけでも宝くじに当たる確立と同じぐらいでかなり低いです。
 そうなると、選ばれるまでほとんど実感がわかないですよね。でも、7月から裁判員による裁判が始まるそうです。だからこそ、『選ばれなかった人』たちがこの制度のことを語るのは大事なんではないでしょうか?今回の作品の登場人物は事件の議論なんかしてません。めっちゃ他人事で被告人に対して『有罪でええんとちゃう?』『無期懲役より死刑がまし。』なんて言っちゃってます。でも、きっとみんな、選ばれるまで他人事、そんな感覚ではないでしょうか?
今、見ることのできる映画やドラマは『こんなシステムで裁判員制度の裁判は行われます』とか『裁判員に選ばれた人たちの感覚』で描かれていて、『選ばれるとこうなるのか』と言う感覚を想像するより、『その前にどうなんやろ?』とちょっと身近に考えてみるのは選ばれる事より必要な気がします。
 
 今回の『選ばれなかった12人』はそんな作品になっています。別に『裁判員制度』に反対も賛成もしていません。色んな理由があって今回の作品に行き着いています。この制度に興味がなくてもあっても、ちょっと話題にするには面白い作品になったかなと思っています。ぜひ、皆さん見に来てくださいね。

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