満足度★★★
うまいんだよねぇ
やたらと上演される「トランス」
高校生とか大好き
そういう意味では、陳腐になったホンを、
といっても、才人の多田には、普通に上演された舞台なんかは
問題にもならんだろうが、
やっぱ、たくらんできた。
でも、そのたくらみに、少ない稽古時間で(アフタートークより)
こなしちゃう役者陣のすごさ。
だめだって
役者ができちゃうと、演出家はどんどんエスカレートするから(笑)
利口な演出をみるのもたのしい
満足度★★★★
多田の巧妙。
多田淳之介は本当に意地の悪い演出家だ。
フランケンズに施した“目隠し”という枷を見て、改めて思わされた。
そして、それがあらぬ効果を生み出すのだから、困ったものである。
まあ、あらすじは上演前に多田によって語られてしまうのだが、
それでもなお、見るべきものがあるというか見せつけられるというか。
多田の読解力には舌を巻くばかりである。
フランケンズの面々も、どこか中フラの印象を残しながら(喋り方とか)、
多田フラならではの面白みを出しきれていたことに満足。
演出家を入れ替える公演が、どこの団体でもあっていいと思う。
今回の企画で、「うちも!」と思う団体があるといいなぁと思うことしきり。
満足度★★★★★
タダフラだ!
横浜へ足を伸ばしただけのかいがあった!
確実にそう思わせてくれる舞台でした。
東京デスロック多田淳之介さんとフランケンズ4名がガップリと組み合った傑作で、どちらの色も良くでた、演劇の楽しさ、魅力がギュッと詰まった75分でした。
演劇が好きだったら、この演劇の可能性を追求した舞台は必見!(と言ってももう終わってしまってますが・・・)
希望ではない演劇
5年くらい、となり町に住んでいたことがあるのに、江古田の町は初めて。なんだか、下北沢みたいな、雑多な感じの駅前。劇場はどこ? とさがすと、なんと、八百屋さんの上に。わりと見つけにくいところに案内が。でも、ちょっと、楽しくなる。
なんだか、演劇が、ひっそりと、生活にまぎれこんでいる感じがした。
多田淳之介さんは、有名人。ファンも多いみたい。僕の後ろの席に陣取った、演劇人らしき人々も、「多田さん、カッコいい」という話をしていた。パフォーマンストークのゲストとして、何度も見かけたけど、演出をみるのは初めて。ここでのレビューなんかをみると、かなりアグレッシブなことをする人みたい。
舞台は、真っ暗。雑居ビルの一室にしては結構広くて、がらーんとしているのは、セットもなにもない空間だから。
席について、開演を待つ間、みんな、熱心に、字がびっしりの冊子を読んでいる。なんだ? と思っていると、それは、多田さん主催の東京デスロックの、次回公演のチラシ。思うところがあって、東京デスロックは、次回公演で、東京での公演を休止するとある。そして、次回公演の予備知識として、ひとつ、評論が、全文掲載されているのだ。小さい字で、びっしり。みんな、これを読んでいたのだ。
東京公演を休止とは、残念。デスロック、観たことなかったから。そして、多田さんという人は、なんだかストイックだな、と思った。周囲を振り切って、走る、そういう才能を持った人なのだろう、とも。
それは、今回の「トランス」を観終わった今、とても感じることだ。なんだか、ストイックで、観客を振り切って、独走。もがいて、苦しんでいるような舞台だったのだ。
満足度★★★★
気楽に多田演出を楽しむw
かつて、鴻上尚史・第三舞台派か、野田秀樹・夢の遊眠社派かということが問われた時代があり、それはある意味で演出派か戯曲派かの争いでもあったと思うのだけど、まあ、自分は後者で、しかも完敗で、それはふたりがおなじく英国留学した直後に作ったKOKAMI@networkとNODA MAPのその後の知名度の差に明白に現れていて、そんな鴻上尚史の『トランス』が、現代の演出派急先鋒的存在の多田淳之介演出によって甦ったことだけで劇中、けっこうそうそうに落涙。
もちろん、戯曲も押し付けがましいぐらい、いい話だからということもあったけど(笑)。また、多田演出を我慢とか覚悟とか勝負とかを強いられずに気楽に楽しく観られたのも嬉しい。軟弱者、それでもあなたは多田ファンですか、物足りないという声もあるだろうけど、そういう人は年末の東京デスロック本公演に期待すればいいのであって、タダフラはこれでいいのだ、って感じ?
お腹いっぱい大満足。
個人的には今年観た多田さんの演出作品で最も面白かった。以前の手法が踏襲されて、「なんだこれ!?」よりは「そうきたか!?」な心境。そもそもの「トランス」を未見でも楽しめるはず。
今後のフランケンズにも期待。