休憩室 公演情報 休憩室」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    切れ目。
    職員室の中の静かなドタバタ劇。ただ、そこに嫌な切れ目がある。
    そう感じさせたのは、不自然に場面が途切れる瞬間が多かったからだろうか。
    どうも意識が繋がっていかない感じを受けてしまい、もやもやした。
    長谷川戯曲の哲学とも違うような気がするし、そこは気にかかった。

    それでも、青海衣央里が中国人妻を演じきったのは見事の一言。
    やはり、弘前劇場は俳優陣の層の厚さが魅力の一つだ。

    次作は新作とのこと。期待に胸震える。

    ネタバレBOX

    キノコ採りはキノコの場所を教えないっていうエピソードは有名な話。
    たぶん、青森に限った話でもないでしょうね。
    うちの祖父も八甲田山系で遭難するくらいキノコ採りが好きでした。
  • 満足度★★★

    90年代を振り返る、「静か」な目
    97年初演。おそらく、大きな改変は行われていないと思う。

    90年代日本演劇の、大きな流れのひとつとして、平田オリザさんや長谷川孝治さんが代表とされる、いわゆる「静かな演劇」が、ある。僕は、リアルタイムでそれらを観ていないけれど、今回、「静かな演劇」というのは、90年代という時代と、非常に密接にシンクロしていたのだな、と実感した。

    11月に新作を発表するらしい弘前劇場が、この作品を今、再演したのも、一度、90年代を振り返って、乗り越えるためなのではないかな、と思う。

    それにしても、空いていた……。カメラが入って、長谷川さんのインタビューなんかも撮ってたので、NHKかなんかでやるのかな。

    ネタバレBOX

    97年、僕はまだ10代で、引きこもりの気配を引きずりながら、定時制の高校に通い始めていた。ここにあるのは、あの頃の空気そのままだ。

    舞台は、高校の職員室の、ある日の定点観測。どうということのない一日。ただ、2年生が修学旅行に行っていて、どこか、のんびりしている。交わされるのは、奥さんや旦那さんの話とか、健康診断の結果がどうとか、そんな普通の会話。大きな出来事は、起こりそうで、何も起こらない。

    それなのに、普通の会話の向こうに、次第に、なにか、積み重なったものが見えてくる。具体的な話は出て来ないのだけれど、先生たちの、生徒たちの、見ている世界だとか、悩んでいることがらだとかが、見えてくるのだ。そして、彼らが、お互い、観客と同じく、相手のことを感じていながら、それを表に出さないようにしていることも、見えてくるのである。舞台上からは見えない「休憩室」がタイトルである意味も、ここにあるのだ。

    これが、まさに、90年代だ、と思った。そして、当時の、一番ソリッドな形の「静かな演劇」というのは、そのような、90年代的な態度で世界を切り取るという、演劇的な手法なのだな、と思った。

    つまり、90年代は、「静かな時代」(というか、「静かさ」を選びとる時代?)だったのかな、と、思った。「休憩室」を観て、僕は、なんだか、受け身な感じを覚えた。積極的なアクションは、何かを傷つける、だから、避ける。アクションを、「避ける」という行為を、選択する時代だと、思った。引きこもりに象徴されるような、僕の実感した90年代が、そのままあった。それは、10年以上たった今とは、明らかに違う空気感。きっと、その、今との差を、提示しているのだ、と思った。

    今作は、「今」そのものを表現していない。でも、先へ先へと進む時代を見つめるために、10年前の空気を見ておくことは、「今」を見る、角度を変えてくれると、思った。この作品を観て、今の先端を走る劇作家たちの作品たちが、また、別の角度から見えてきたように、僕は、感じた。

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