カッコいいダンス、が感情の共有がほしかった?
ダンスはとってもカッコよい。音楽もカッコいい。振り付けも独特で、絶えず変化し、そのバリエーションにうなる。特に北尾さんと中川さんというダンサーの美しい動きは目が離せず。クラブでこんなん踊れたらかっこいいなとか素朴な感想も。
が、段々に、ダンサーと観客席との感情の共有の不在を思う。テーマとされている「靴」については、冒頭に2人のモノローグがあるものの、舞台上でどう存在がフィーチャーされているのかがよく分からず。カッコいいダンスは続いていくが、それは段々繰り返されるパターンとも化してくるかのよう。最初の興奮は、「シンゴジラ」を見るような、珍しいもの見たさ、すごいもの見たさの心持ちだったのだろうか。興奮も覚めやった中盤、どういう心持ちでこれを見ているのだろうと自らを省みる。
舞台上と観客席との「感情の共有」が必要だと言っていたのは誰だっただろうか。そして、ピナ・バウシュのカンパニーのすごさはこういうことかとふと思う。たとえ無表情でも、その抱きつき方で溢れんばかりの愛を痛々しく感じるという、ダンス。
満足度★★★★★
無題1931(16-220)、1932(16-221)
9/9(金)19:30の回(曇)、18:50会場着、受付(整理番号あり)、19:00開場。19:14前説(アナウンス)、19:35前説2ではなく開演~20:58終演、21:05~21:26トーク終了。
9/11(日)17:00の回(曇)、16:42会場着、開場済み。17:05開演~18:28終演。
Baobabは「-W-(2013/3@ST)」が初めて、少し間があって「Marina bay Sans(2015/6@PRUNUS)」「或いは、熱狂。(2016/3@あうるすぽっと)」。
最初は1回だけのつもりが千秋楽にも観に来ました。2015/10に「PUPAⅡ」を観に行ったときもそう。
空間全体が響く重低音にはなかなか出会えませんが、本公演では武者震いするほどの音量。昔々、ヘヴィメタルバンドの来日公演に行けば耳を劈く大音量に身を浸すことが出来ました。イヤホンではなくカラダで聴く音。
桜美林らしいマシーンのように鋭利で重々しい振付、あるいはふと吐息がもれそうなシーン、色とりどりの(10の)ピースは大きな渦の中でもひとつにまとまることはないのに深い底からイメージが浮かんでは消えてゆくようでした。
よく観ている方(過去公演も含め)に加え、
久津美太地さんは初めてですが照明スタッフにお名前を見つけました。
「ダンスがみたい!18 2016/8@d-倉庫)」「それから(2016/4@眼科画廊)」「ミモザ(2015/11@Deluxe)」「指切った。(2015/4@セッションハウス)」「出口なし(2015/4@d-倉庫)」「Manhattan96 REVUE(2015/2@d-倉庫)」「ダンストライフル(2014/12@d-倉庫)」「おつまみダンスvol.2(2014/11@pit)」他..と多いですね。
福原冠さんは「ハムレット(2014/8@あうるすぽっと)」「ストレンジャー彼女(2012/3@雑遊)」「うさ子のいえ(2011/6@水天宮)」。
直近では、傳川光留さん「ケムリ少年、挿し絵の怪人(2016/6@ここ)」、中村駿さん「「ダンス花 アドバンス(2016/9@セッションハウス)」。