満足度★★★★★
白井マジック
死の恐怖と、生きる恐怖。絶望の淵で、もがき苦しむ。常に選択を迫られ、愛するが故に混乱する。人間は常に駆け引きの中に身を置き、欲望を満たすために罠を仕掛ける。汚れた場所と汚れた人間を焼き払って一掃することと、散らかった紙を掃除することが重なって恐くなる。こんなに舞台を広く感じたことはない。客席を使う演出はたくさん観ているが、物理的な劇場の壁の向こう側までがリアルな舞台として脳裏に立ち上がった。そして、自分がその舞台の中に作品の中にいることを感じさせられる。作品世界にあっという間に呑み込まれた。客席すべてを演技エリアにする白井晃さんの演出は、大好きな『4』でも観られた。あれも、ここシアタートラムで上演された作品。シアタートラムと白井晃さんの演出という組み合わせ、もう外すことは出来ない。
満足度★★★★
リアル感がたまらない。
装置は、ぼろぼろの部屋の一室で、ではけは客席側、照明も陽明かりにしぼり、観客もその一室に存在している。
エリオットの気持ちのゆれに胸が締め付けられる。