公演情報
「もうひとりのわたしへ」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
上演時間は、約1時間45分(途中休憩無)。
演劇でラップといえば最近は杉原邦生演出作品という印象が強いが、
ラップとはかけ離れ真逆にあるイメージの文学座がそのラップを
劇中に本格的に取り入れ、果敢に挑んだ意欲作。
恰好のタイミングで入るラップも様になっており、
また、抽象舞台美術などを含む演出面の影響もあってか、
この作者の作品としては洗練感があり、スマートな印象。
全体的に大林作品のSFファンタジー系パラレルワールドの
雰囲気をやや漂わせつつも、世界線の行き着く先にあるものは...
作品構造やテーマなどONEOR8での『かれこれ、これから』に
相通ずるものがある。というより、自他や時間軸の認識のゆらぎ、
混沌化、状態の重ね合わせにまでメタ的に踏み込んだことで、
さらにリープし作品がより深化している感すらある。
最後は、近未来的装いの横田さん扮するスケール/大(役名)の
独擅場で、いいところをすべてもっていった印象あり。また、
途中はもちろんのことエンディング間際まで役者いじりの
小ネタや自虐ネタに近いセリフを放り込んでくるあたりも、
当て書き名手の作者らしさの表れか。