期待度♪♪♪
リチャード三世は傴僂男か
シェイクスピアの原作では、主人公のリチャード三世は醜い傴僂男だということになっている。一昨年の舞台『国盗人』では野村萬斎が原作のイメージ通り、四肢に異常があるがゆえに心まで歪んだ人物として「悪三郎」を演じていた。
華のん企画・子供のためのシェイクスピアカンパニーによる『リチャード三世』は6年ぶりの再演だが、初演を観ていない身なので、この「傴僂男問題」を演出の山崎清介がどう処理したかは知らない。原作のままというわけにはいかなかったのではないかと思うが、脚色の仕方によっては「甘い」芝居になりかねない。不安と期待が半ばするが、「子供向けだからと言って、決して手を抜かない」ことを一義として、18年の長きに渡って
続けられてきたこのシリーズである。三世の悪逆の背景にある悲哀を描くことは押さえているものと信じたい。
それにしても、山崎清介さんが、『ひらけ!ポンキッキ』の「やまちゃん」だったとは、経歴を見るまで気がつかなかった。子供を舐めてかかっちゃいけないことは肌身で感じてきたことだろう。期待してよいと思う。