中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~ 公演情報 中村仲蔵 ~歌舞伎王国 下剋上異聞~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-2件 / 2件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    久々の藤原竜也を全身に浴びたとしか、言いようがない。
    とにかく凄い、本当に凄いとしか言えない!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    どん底から這い上がった稀代の歌舞伎役者・中村仲蔵に、藤原竜也がよくはまっていた。藤原は激しい喜怒哀楽と大ぶりの演技なので、ちまちました芝居では臭くなってしまう。今回は、この藤原の特徴を存分に生かせた。二幕の外郎売の蝶早口の膨大なセリフは見ものであった。井上ひさし「薮原検校」の芸の見せ場のようだった。久しぶりにいいものを見た。
    もう一つ、「50両」しかせりふのない、「忠臣蔵」五段目の斧定九郎が見せ場。ただ、セリフはないので、歌舞伎とは何が見どころなのかを考えさせられる。戯曲中心の「会話劇」である新劇では、セリフのない見せ場は考えにくい。

    上を目指すギラギラした歌舞伎役者を演じる座組の中に、お稲荷さんのコン太夫役の池田成志がトリックスターとしてうまく合っていた。自然体のユーモアと、緊張を和らげるほっとした時間を担っていた。
    二役の市原隼人も、肉体派の彼の特性を生かして、荒事をきわめた市川八百蔵と、身投げした仲蔵を助けた新之助にぴったり。

    場面が多いらしい(「赤旗」評によれば二幕二十六場)が、舞台に3階建ての芝居の楽屋セットを組み立て、それぞれの階でスピーディーに場面転換して、まったく転換の多さを感じさせない。しかもこのセットは下は稲荷町(大部屋)から、名題(スター)役者までの役者のヒエラルキーも示していて一石二鳥である。

    「抗えないことには逆らうな」「俺には抗えないことなんてないと思える」等々、決め台詞も随所に光る。「一本の道がみえる。その先には何があるのか」「お前の中の化け物を引き出してくれる人がかならずいる」「分け前をもらう子分じゃない、獲物を狙う一匹狼」そして、「役者のさが」にいたる。

このページのQRコードです。

拡大