満足度★★★★★
名優の舞台に感謝
仲代達矢さんというと、悲壮感漂う重厚な演技が思い浮かぶが、今回はコメディということで、どうしても観たいと思った。
私は名画座常連なので、だいたい月に1本は仲代さんが20代の時の若者役の映画を観ている。
だから、実年齢の仲代さんに向き合うのはとても不思議な気持ちになる。
この作品も、デヴィッド・リーン監督の映画に感動した仲代さんが元は戯曲と知って、上演を希望したとか。
全国巡演が7月まで続く長丁場。俳優生活60年と言えば、それだけでも還暦。
ますます意気軒高である。
俳優生活60周年を記念公演なので、パンフレットにも、映画、舞台、テレビの代表作のスチールを集めて掲載されているのが嬉しい。
満足度★★★★★
やっぱり面白い仲代!
久々の無名塾で期待して行きましたが、期待を裏切らない出来でした。
もちろん、仲代の台詞が長くて、
さすがにちょっとくどい気もしたり、
また、ある意味やはり彼の演技力によっているところが多いのかと思えたり、
その辺が少々気になったわけですが、
それでも「さすが!」と思わせる舞台を観せてくれました!
満足度★★★
仲代達矢には喜劇が似合う
若い頃のキレはさすがに無くなった感じがあるが、酔いどれ親父を楽しく演じられていた。
仲代達矢が「マジで!?」などという言葉を発するだけでも笑ってしまう。
年齢層があまり広くないため、配役に無理が生じたり、演技力の差があるのはいつもながら残念。
満足度★★★★
仲代達矢の Hobson's Choice
「仲代達矢役者生活60周年記念」というサブタイトルが付いている(パンフレットは仲代さんの写真集にもなっている)。デビューは1954(昭和29)年、黒澤明監督『七人の侍』の通りすがりの名もない浪人。わずか数秒のエキストラに過ぎなかった。
それが国内外の数々の名画、名舞台に出演し、「世界の仲代達矢」にまでなったのだから、その記念作に何を選ぶかは演劇、映画界にとって注目の的であったと思われる。しかし、それが名匠デヴィッド・リーン監督による、ベルリン映画祭金熊賞受賞作とは言え、純然たる「喜劇」である『ホブスンの婿選び』であったことに驚いた向きも少なくはなかったのではないか。
けれども、意外なほどに、と言っては失礼だが、仲代達矢はこれまで喜劇も多数、演じてきている。突っ込まれて「受け」た時、ボケる間が絶妙に巧い。今回も、飲んだくれの癇癪持ちのホブソン役を、「詰め物」もしているのだろうが、オリジナル版のチャールズ・ロートンよろしく、腹を揺らして楽しげに演じている。「モヤ」さんとあだ名されている通り、喜劇の場合の仲代さんは、どこか茫洋として、熱演しても熱演に見えない。生来の持ち味なのだが、今回もそれが発揮されて、舞台に「和み」を産んでいる。
なるほど、記念作に『ホブソン』を選択したのはまさしく「Hobson's choice(=唯一の選択)」だったのだなと、納得させられたことだった。