『THE BEE』English Version ワールドツアー 公演情報 『THE BEE』English Version ワールドツアー」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
1-9件 / 9件中
  • 満足度★★★★★

    野田秀樹ってスゲーなって思っちゃう
    筒井康隆らしい、過激さが日常となっていくストーリーを、役者のうまさで見せた。

    ネタバレBOX

    とにかく役者がウマイ!
    そして痛い!

    尾藤イサオが歌う「剣の舞」に歌詞を付けた曲がいつまでも耳に残る。
    「剣の舞」という曲名から、ブラックなジョークを感じる。

    主人公の名「井戸」は、フロイトの言うところの「イド」なんだろうなあ。

    筒井康隆らしい過剰なストーリー、その過剰さ、過激さが「日常」になっていく怖さ、それを役者のうまさで見せた。
  • 満足度★★★★★

    さすがです
    人間の深層をつかんでいる感じで好きです。この作品も舞台を見終わってからも残る感じがとても良かったです。役者さんの動きがとても力があり、それを観るだけでも価値があったと思います。英語版でも聞き取りやすいですがやはり字幕があったので良かったです。英語版の脚本を購入して少し読んでみたのですが、セリフの作りからすると、この作品は英語の方が面白いのかもしれないですが、日本語バージョンも観て確かめたいです。学生券で安く観ることもでき、役者さん全員のアフタートークもありとても満足でした。
    勉強になりました。ありがとうございます。

  • 3月3日(土)S
    日本版も観劇予定なので見比べてみる。英語版はキャストが好みではなかったから。

  • 満足度★★★★

    緻密な構成、それを可能にする演者
    非常に高いレベルで作り込まれた劇世界。日本バージョンはどういう舞台になるのだろう・・・。

  • 美しい
    非常に美しく、計算されて、構成された舞台でした。初めて脚本を読んだ時は、シンプルすぎてつまらないなという印象を受けていたのですが、舞台で観ると私が想像できていなかった行間が全て詰め込まれて表現されていました。演劇という物のスゴさを改めて感じた舞台でした。
    両側に訳が表示されるので、英語分からなくても問題無かったです。

  • 満足度★★★★★

    Very Japaneseな芝居?
    初見で英語バージョンのため、作品のベースとなった筒井康隆さんの短編で予習の上、観劇。暴力がエスカレートしていく過程に引き込まれました・・・役者さんが身体的にも素晴らしい・・・特にキャサリン・ハンターさんがすごいです。
    私はストーリー展開などから日本の作品っぽくない印象をむしろ受けたのですが、アフタートークでの野田さんいわく、今回の海外での再演では「Very Japaneseな芝居」と言われたそうです。ブラックユーモアのある芝居として面白いが、こうした人間の残虐性は自分たちには関係ないと、海外の観客は感じたのではないか・・・といったようなことをおっしゃっていたのが、印象的でした。

  • 満足度★★★★★

    日常と非日常の境界線
    カーテンコールでのキャサリン・ハンターさんは、とても小柄で可愛らしい方でした。
    ひとりの普通の人間が狂気に変わっていく(被害者が正義を取り戻すためにした行動により加害者になっていく、そして、どんどんエスカレートして麻痺していく)ハンターさんの演技に涙が出てしまった。

  • 満足度★★★★★

    最高傑作
    過去の演劇歴史上に名を残す作品であり、野田秀樹の最高傑作であ​り、僕自身の約30年間の観劇ベストワンに近い作品である。今回​は何年か振りの再演である。

    内容は、脱獄犯に妻と子供を人質にされてしまったサラリーマンが​、同じ様に脱獄犯の妻と子供を人質に取り、お互いの人質の釈放を​求めて、終わりのない暴力連鎖が始まってしまうのである。

    まさしくこれこそが舞台の極めつけとも言うべきの最高傑作の演劇​である。テーマもさることながら、舞台での表現方法、俳優の演技​、音楽の使い方など誰にも真似出来そうで出来ない野田秀樹の究極​の表現方法である。戯曲、俳優、演出の全てが完璧だと、観客はも​う圧倒されるしかないのである。そしてただ圧倒されるではなく、​観劇後にかなり深い余韻を残し、野田秀樹のメッセージを感じるの​である。これこそが本当に体感出来る演劇です。

    日本バージョン(過去に観劇)もありますが、是非、イングリッシ​ュバージョンをお勧めします。

  • 満足度★★★★

    繰り返される「暴力」を描く難しさ
    野田氏は若いときに自分を評して
    「明るく爽やかなうえ、芯まで暗い
    ---考えれば考えるほど分析気質」と書いたそうですが、このお芝居も暗い暗い。これほどのネクラはないんじゃないかって思うほど(NODA・MAP公演は大人数による豊かさが救い。小人数の番外編のほうが暗いと思う)
    報復の連鎖、暴力の連鎖を描いて、再演を重ねた本公演の評価は定まったものなのだろうけど、始めてみる者としては観て改めて味わう恐怖感もあり。

    当日券は、前日12時に専用ダイアルで予約。毎回10枚程度あるのでは?意外と簡単に入手できました。

    ネタバレBOX

    恐ろしいのは、
    朝起きる、ひげをそる、朝食を摂る、背広を着る、(相手からの)封筒が届く、子供の指を切り落とし刑事に渡す、その後オゴロの妻を犯す・・・・
    この一連の流れが日課になっていく様子が描かれていること。
    良識あるイド氏(名前自体が精神分析みたい)の暴力性が一度発露した後は、日常の中に埋め込まれていくこと。・・・状況違えど、児童虐待やDVは、「ひげそりと、朝食と、暴力と、強姦」がきっと日常サイクルの中に埋め込まれているんだろう、そういうどこにでもある怖さだと思う。

    この公演では、イド氏を演じるのは、キャスト4人中唯一女優のキャサリンハンター。オゴロの妻(美人豊満で夜の仕事をしているらしい)を演じるのが野田さん。キャサリンは小柄だけど、スーツを着て胸張って声も低くて、男性にしか見えない。野田さんは序盤は別の役を演じるため、化粧はせず、派手な衣装を引っ掛けるだけで女性をあらわしている。男女逆転していることで強姦シーンが生々しく見えることはない。

    また「指を切る」シーンも、これも一種の「見立て」であろうが、鉛筆を指に見立てて、それを折る(ポキッと音がする)。これも暴力の描き方としては明らかに抑えたものである。

    「暴力」について、真正面から語ろうとする場合、恐らく「暴力的描写」は邪魔なのだろう。描写が生々しく扇情的であると、私たちは過度に自分に引き寄せて「痛い」「目を背けたい」と思ってしまうだろう。だからリアルな暴力は描かない。

    リアルに描かず、様式的だからこそ、身体的な強さが求められるのだろうなと推測。キャサリンの身体が一際目を惹くけど、グリン・プリチャードさんは、警官から一瞬にしてオゴロの息子、オゴロの息子から一瞬にしてオゴロその人に変わったり、まったく緩みなく進行するから息つく暇がない。やっぱり「すごい」と思う。

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