構成・イプセン―Composition/Ibsen 公演情報 構成・イプセン―Composition/Ibsen」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-5件 / 5件中
  • 満足度★★★★★

    アトリエ・センティオという場
    虚構と現実の狭間で。

    ネタバレBOX

    アトリエ・センティオという場は、shelf との関係がとてもいい。

    shelf はここで観るのが一番好きだ。

    今回の舞台は、タイトルどおりイプセンを再構成した内容だ。
    軸になるのはイプセンの『幽霊』。
    このイプセンの『幽霊』をどう動かすのか、あるいはどう動かさないのかが、最大の興味だった。

    三橋麻子さんたちが、濃厚でこってりとしたイプセンの登場人物を演じるところに、川渕優子さんたちが楽々と演劇空間(虚構)と現実(アトリエ・センティオの舞台の上)を行き来する。
    行き来するたびに、三橋麻子さんたちが体現し、放つ世界が虚構に見えてくる。
    戯曲を上演する、ということにおいて、それを見せてしまう強さがある。

    さらに言えば、川渕優子さんたちも当然のこと、戯曲の中にあり、「虚構」であるのだ。

    この奇妙な関係が、舞台の上だけでなく、舞台のある会場にも広がっていたのだ。
    それは、アトリエ・センティオという会場にある。
    時折流れる水道管を通る水の音、壁一枚隔てて聞こえる東武東上線の走る音。
    それらは、「実際」そこにある「現実」なはずなのだが、「見えない」ことでどこか虚構めいている。

    イプセンの演劇、その場を俯瞰する役者、そらにそれを観る観客、そして、それらがいるセンティオ、そして東上線の気配に代表される外の世界との関係性。
    今回の舞台はそれが活きていたように思えた。
    絶対的な生活音・社会音との対比・関係性が絶えず観客の脳裏に響くということで。

    今回は、衣装に託す「俗」さと「気配」の妙があった。
    それが台詞の割り振りにも活かされていた。
    この巧みさは、読み込んだ者のみが使える絶対的な自信ではないかとも。

    また、音だけでなく、タバコの臭い、ロウソクの炎(&匂い)、オイルライターの匂いをも演出されているようにも感じた。

    ただ、個人的な好みとしてラストは『幽霊』のままのほうがカッコいいと思う。
    『幽霊』のラスト台詞は、俳句のような情景と余韻を残すから。
  • 観て来た
    「現代的」とか、「視点」とかいうのはなんなのだろうか、とか……
    「何」なら受け取れて、受け取れない時は、ソノ阻害している因子はなんなのか、とか……色々と考えようと思えば考えられる事はあるのだけれども、考えた方が良いのか、どうなのか……

  • 満足度★★★★★

    実力派
    この劇団は3回目、いずれもイプセン。これぞ演劇というすばらしい実力でますます目が離せない。匠が集まって魂を込めた結晶の公演。キャンセルがあったようで少々空席があったが、今後は固定客が増えていくだろう。

  • 満足度★★★★★

    「ナイス!shelf!」
    知人と今見たばかりの芝居について話しながら帰りました。
    その会話がポジティブなものだったので、よい時間を過ごしたことが表れていました。プレビュー公演でしたので今後のブラッシュアップが楽しみですね。キチンと作られた物にはノビシロもきちんとあるんだなぁと思いました。
    ナイス!shelf!

  • 満足度★★★★★

    私も、おすすめします!
    2回目のセンティオ。
    初、self。
    私は電車の音も、流水音も、気にならない。

    合格点が80点だとしたら、演出90点、役者90点、かな。
    最初は、それほど、面白くなかった。
    三橋麻子の笑い顔が気に入らなかった。
    演出も、演技も、想定内なんだよね。

    しかし、見ているうちに、だんだん引き込まれた。
    三橋も良い。他の役者も、まあ合格点。
    もっと、動員が増えても良い劇団だと思う。
    川渕優子がメインキャストを演じるのも見てみたい。

    応援したいので、おまけで5つ星。

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