花札伝綺 公演情報 花札伝綺」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    お寺の本堂で行われた白塗り大アングラ劇
    目黒にある円融寺の本堂で行われた。
    入口には白塗りの役者が立ち、寺山修司作のアングラ劇が行われるのを否が応でも期待させる。
    本堂に入ると正面のご本尊である阿弥陀様を観客は背を向けて座ることになる。
    舞台の正面には時計が付いた棺桶が立てかけてあり、その前では、白塗りの少女が手まりをついている(鞠はない)。
    舞台にはお寺には合う白黒の鯨幕が張り巡らされている。
    始まる前からワクワクさせる。

    ネタバレBOX

    まずは観客が背にするご本尊の阿弥陀様に、観客全員が振り返り手を合わせてから舞台は始まる。
    そんな、前説が、手のメモを読むふりをしたり、変なつっかえ方してるなと思っていたら、実はここからが始まりだった。
    そして、白塗りの登場人物全員が歌い、物語がスタート。
    もうここだけで楽しくなってしまう。

    アフターサービスだけではなく、ビフォアーサービスまで行っている葬儀屋が舞台の物語。
    ビフォアーサービス、つまり、死へのお手伝いもするということなのだ。その人にふさわしい死に方を演出してくれるというもの。
    葬儀屋は、死人を働かせていた。

    葬儀屋には歌留多という娘がいる。しかし、まだ生きている。
    その娘は大泥棒の墓場鬼太郎と恋に落ちてしまう。
    葬儀屋の父親は、鬼太郎に娘を嫁がせたくない。
    そこで、列車に轢かれて死んだ青年を娘のボーイフレンドにしようとする。
    しかし…。

    そんな物語が、ほぼ全編、歌によって進められる。
    この歌が楽しい。
    そして、衣装が凝っていてカラフルだったりする。
    エネルギーが溢れ、とにかく楽しい舞台だった。

    お寺の本堂という場所なので、大きな柱などがあって見切れてしまうシーンも多かったのだが、それでも満足したのだ。
    もう1回観たいと思ったほど。
    しかし、残念ながら東京ではこの1日のみの公演だった。

    流山児★事務所は、最近、神社・寺・ライブハウスで公演を行っているらしい。ここの前は、山梨の善光寺で行ったということだ。
    全国各地でこの公演を観ることができるのかもしれない。

    円融寺は自宅に近いのだが、本堂に入るのは初めてだった。
    初めて入ったのが演劇の公演だったというのもなかなかの経験だ。
    ちなみに、観客には、年を召した方が多かったが、ご近所の方たちがいらしていたんだろう。
    お寺でのこういう体験はとっても楽しい。

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