満足度★★★
凡庸なイメージ
ロンドンにあった最晩年のフロイトの書斎に、見知らぬ若い女性が突然訪問してきて、奇矯な言動でフロイトを苦しめる。さらにシュールリアリズムの画家ダリがやってきて、混乱に拍車がかる。
前半はドタバタ風の笑いもあり。後半はフロイト自身の悪夢、オプセッションが展開される。
凡庸でありふれた精神分析もの。展開にひねりなく、台詞のやりとりもさえがない。なぜこんなつまらない戯曲をわざわざ翻訳して日本で上演したいのか理解に苦しむ。
個性的で達者な役者をそろえたわりには、さらっと戯曲の文字面を追っかけただけのように思える平板な舞台は期待はずれだった。
満足度★★★
知的好奇心が刺激される…
美術に驚く。シアタートラムが(例えばシアターTOPS風の)小劇場に変身。そして終盤の“ダリの絵”風な展開。“フロイトとユングの関係”等、復習しておくと、更に楽しめると思う。世田谷常連組の3人と荻野目慶子は、当然のごとく好演。知的な芝居で“コメディ賞”受賞作とは思えない作品。