マンガマン 公演情報 マンガマン」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    手堅く面白い
    前回はどうしても日程が合わず断念したのだが、スクエアは『泊、』以来の2回目。
    2回しか観てない私が言うのもナンではあるが、スクエアはいつも手堅く面白いのだ。
    きっちり作り込まれていて、嫌みなところなどは微塵もなく、のんびりと楽しめるという感じ。

    ネタバレBOX

    バイトから正社員になった市原は、正社員になったのに浮かない顔をしている。
    隣に住む大家さんが、物干し台から勝手に市原の部屋に入り込み、心配している。

    市原は、マンガ家志望だったのだが、30歳までに芽が出なければ、マンガ家を諦めると妻に言っていたのだ。

    そんな中、東京の出版社から市原のマンガを掲載したいという依頼が来る。
    妻は、それを聞き、市原がマンガ家を諦めると約束したことを守っていないことに激怒する。

    市原は、それでもマンガのほうをとってしまう。

    東京の編集者・梶尾は、文芸誌から左遷されてマンガ雑誌にやってきており、市原のマンガを当てて、文芸誌に返り咲きたいと思っている。

    そこで、市原のマンガの原作はすべて自分が考えると言い、市原には絵のみ描かせることにしした。
    市原は会社勤めをしながらマンガを描く決意をする。同僚でマンガ好きの星野が、仕事上の手助けをしてくれることにもなった。

    実際にマンガが出版されたものの、梶尾のストーリーは、学生の主人公が教室に入るまで連載4回分もかかり、常に悩んでいるばかりなど、つまらない内容だった。
    その結果、読者アンケートではビリになっていた。

    一方、市原の妻は、妊娠し、市原とは不仲のまま実家に帰ってしまった。

    窮地に立たされた市原は…。

    こういうストーリー。

    今回も作り込まれたセットで、夢を追う男とその妻、そして彼らを取り巻く人々という構成で、鬱陶しい人はいるものの、基本、普通のいい人たちばかりが出てくる。

    強い葛藤や、大きな盛り上がりには縁遠いかも。だけど、いいな、と思ってしまう。
    次も観たいと思うのだ。

    物語は、すべて丸く収まる大団円になる。
    それはそれでいいのだが、本当は応援したかった妻が、やっぱり夫である市原に戻ってくるあたりの描き方については、もう少し深さがほしかったというのが本音ではある。
    妻の気持ちはわかるけど、あっさりすぎるんだよね。

    むしろ、市原のマンガが失敗して、連載を打ち切られてしまい、さらに会社もクビになって、という展開のほうが、市原と妻の関係がもっと浮き彫りになってきたのではないかと思うのだ。
    もっとベタな人情コメディになってしまうかもしれないのだが。

    夢が適ってしまうというのは、メルヘン的であり、イヤな感じはしないんだけれどね。

    スクエアの4人ともがいい味を出していた。妻役の阪本麻紀さんの丁寧に感情を追っていく姿は、スクエアにマッチしていてとても良かった。

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